優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

剥がれ落ちる心が知ってた 愛してる

この言葉を口にする日が来るなんて想像もつかなかった。
電話の向こうで泣き崩れたのは、温かさのせい?それとも残酷な現実のせい?


すべて自己愛だった。もしかしたらこれもまだそうなのかもしれない。けど、いつか必ず終わるという諦めが、うたぐり深かった心が、ここにはない。
こんなに人を好きになったことは一度もなかった。陰も弱さも背負って生きる、同じ人だった。2人で居ても2人な気がしない。2人で居て初めて、ひとりになれた気がする。
こんなに誰かに愛されたことはなかった。存在しているただそれだけで泣いてくれた。


そんな尊い時間は、もうあと1年もない。
ずっと寄り添うことはできない。別々の道を歩んでいかなければいけないんだ。どんなに優しくて温かくても、ここに留まることは許されない。
2人に残されたこの大切な時間は、葛藤と切なさと裏腹で痛い。だけどこのつらさは独りだけじゃない。2人一緒だ。だから持っていられる。


出会っていなかったら、それなりに幸せな毎日だったかもしれない。もしかしたら今以上に運命的な出会いがあったかもわからない。
でも出会ってしまった以上、もう忘れることなんかできない。世界中にこれだけ溢れている人のなかで、出会って、特別な存在になってしまったから、もう知り合っていない頃には戻れない。
この言葉の響きの物悲しさは一体なんなんだろうね。星の王子さまの王子とキツネと同じだ。
出会っていなかったら…なんて想像ができない。今の自分にはなれなかったはずだから。それがこわいから。もしもなんて仮定するのもこわい。
でも大丈夫。2人が出会った事実はこれから何が遭ったって決して失くなることはないから。時間は絶対に戻ることはない、だからもう独りぼっちの頃には戻らない。
かなしいだろうか?悲しい?哀しい?それとも愛しい?
人を好きになるってこういう気持ちになることなのかな。これを切ないっていうのかな。


あなたのための喜びの涙が流せるよう、おいらは生きていくよ。