劇団四季「サウンド・オブ・ミュージック」

映画館や劇場に足を運ぶことが増えたので、カテゴライズしてみた。

先週日曜日、昼公演を観劇してきた。
高校の音楽の授業で、ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」を鑑賞した。兼ねてから欲しい欲しいと言っていたところ、ようやく数年前にDVDを購入。音楽、舞台スイスとザルツブルクの景色、物語にどれをとっても楽しい、お気に入りのミュージカル映画である。


トラップ家とマリアの物語は事実に基づくものなわけだけど、原作はブロードウェイで公演され、それが映画(ジュリー主演)になり、今回の劇団四季ときているらしい。ブロードウェイのオリジナルの物語設定を自分は知らない。あくまでも映画との比較になることを先に注意しておくとして。


気になったのは、人物の設定。
7人兄弟のうち長女リーズル(16歳)は、ボーイフレンドのロルフ(17歳)とデュエットするため、大人の女性が演じているのは当然なのだが、長男フリードリッヒ(14歳)と次男クルト(10歳)の見分けがほとんどつかない。リーズル以外はみな”子役”枠で、カーテンコールでも6人一緒に登場した。そのことがロルフとリーズルの「大人」という部分をより強調していた。映画では礼儀正しく頼もしい長男役がなかなか良かったため、ちょっと残念。
さらに、マリアとトラップ大佐の恋愛のキューピットとして、次男クルトと三女ブリギッタ(次女ルイーザだっけ)が一役買っている。


また、特に後半、次第に政治色が強まっていく。映画では印象の薄い要素だが、戦後ブロードウェイで公開されたことを考えると、当然の観点だろう。
それにトラップ家の人々にたいして、ロルフとシュレーダー男爵夫人のエルザは、それぞれ映画とは真逆の言動・思想をみせる。観客が受ける彼らの印象も、映画とは正反対だ。実話・ブロードウェイの原作ではどうなのか不明だが、映画と劇団四季とでこうも違うとは興味深い部分である。


そして映画での醍醐味。広大な山々とザルツブルクのシーン。
強い印象のオープニングは山の中腹の平原をセットで再現。スイスへ徒歩で亡命するエンディングでもこのセット。ただし、映画で「ドレミの歌」を歌うピクニックシーンや、みんなで歌いながら馬車に乗ったり散歩したりするシーンはなし!舞台芸術であることを考えると、あのようなころころと変わる場面を再現するには限界がある。
本劇のおもな場面設定は、マリアが所属した修道院と、トラップ邸の大広間と庭。当時のオーストリアを生で感じさせることができないため、この2か所に劇中歌は集約されている。そのため、楽曲の登場までの展開や、その順序も、映画と異なり前後している。……などさらに書き記すとネタばれになるので差し控える。


映画とのギャップがずいぶんとあり、自分のなかでも消化しきれない部分があったのは否めない。けれど、劇団四季のものとしてはオリジナルなわけで、それぞれの作品にそれぞれの良さがある。ということをしみじみと感じた。
日本語歌詞になるのはどうかなぁと思っていたが、現に「ドレミの歌」で目頭が熱くなった。幼いころから親しみつくしていたあの名曲、あのどうってことない歌詞内容なのだが、それでも効果・アレンジひとつでこんなにも崇高に仕上がるものなのか!と感銘を受けた。そこが劇団四季の魅力、素晴らしさなのだろう。