3回も足を運んでいると、どれが新しく展示されたものかわからなくなるもので、
どれが追加で展示されたのか、もしかしたら見落としてたのか…?とどんどん曖昧になっていくのですが。
「ぐぐたすトンネル」の黒カーテンを抜けて、すぐの壁に、
阿部、山内、市川、仲俣と、チーム4のグラフィック作品が並んでました。
こりゃ気づかないよ(´ω`)
しかもミュージアムガラス使ってないせいで、反射がひどく、写真を撮るどころか肉眼で鑑賞することすら妨げられている状態。
あれは運営企画部もっと配慮してください。
そんなわけで、暗い部分に向かい合ってる壁の反映がうつりこんでしまって、見づらいことこの上ないのですが
阿部マリアさんの作品がすばらしくぶっとんでいるので載せます。
まず、制作方法がわからない。
大きな紙にプリントアウトされたグラフィック作品だってことはわかるんだけど、
写真?合成?コラージュ…?
よくみると、黄色い部分には文字が書いてあるものが切り貼りされてる。一体どこからイメージを持ってきたのか。
作品のメインは右側の赤い花と緑の葉の部分なのだろうけど、
上の空間に大きくひらけている、ぼやけた背景をみせるための空間も印象に残る。
そしてなにより、「凵」の字に画面を囲っている、コバルト色だったり黄色だったりする枝のような線の存在感がものすごい強い。色調を反転させてるのかな…?
すごいよねこれ。いみわかんないよね、これ。
構図的に特別に優れてるってわけじゃないんだけど、ビビッドできつくて「なにこれ」って惹きつけられる不思議な作品。
メッセージやストーリーがあるのかもしれないし、ないのかもしれない、あるいは作者にはそれをはっきり伝える気がないのかもしれないけど
“受け取る人たちにいっさいの解釈をゆだねます”みたいな作品は現代には多くあるけど、
ここまで意味不明にぶっ飛んでいると、実際に異色で、みていて面白い。
阿部さんの頭のなかというかその中で湧いてるイメージとか視覚とか、ちょっといろいろとすげえ(ことばならない)。
こういう自由な企画だからこそ観せられるものだなとも思う。
画面の反射が気になって鑑賞に集中できないのが残念なんだけど(ミュージアムガラス!ミュージアムガラス!)、
次はこの阿部さんのグラフィックの前でもうちょっとじっくりと時間を過ごしたい。