優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

舞台「ホテル・アヴニール」【20201213 12:00-@Theater mixa】

あやなんが出演する舞台を観るために、今日は池袋のtheater mixaという場所に行ってきた。駅からサンシャインシティまでの途中の賑やかな通りに面したビルで、ゲームセンターが入るその上の階が劇場施設になっている。秋葉原のドンキみたいで池袋ながらなんだか落ち着いた。

 

入場前に記入する来場者の用紙(体調のこととか聞かれる)とか、電子チケットの何もない画面にスタッフさんが指タッチで図形書いてチェックインするのとか初めてだった。先月に河西さんのライブに行ってきてそのブログを書いたけれど、芝居の観劇もまた3月以来。コロナが常態化した2020年末、観劇の現場はこうも変わったのか。

 

※以下感想にもならない備忘録ですが、ネタバレ等気にせず書いてるのでご注意ください※

 

出演者:上田悠介、小西成弥、椎名鯛造、高橋良輔、葉山昴、深澤大河、校條拳太朗、植万由香、篠崎彩奈、藤松祥子

演出:川本成
脚本:A・ロックマン川本成/西山宏幸
⾳楽:⻄⼭宏幸
制作:SOUL GARDEN
主催:講談社 

 

演劇については「板の上で見せてもらうものが全て」と思ってるのでいつものように予習はせず、あやなんの755の投稿を偶然読んだくらいで会場へ。着いてみると女性客ばかりで、いつものあやなん現場の雰囲気が薄く???だった。若いお兄さんが何人も出演しているから、その俳優さんたちのファンで占められてるのだろうと察した。

 

東京のホテル・アヴニールを舞台にして、2人1話で演じられるいわゆるオムニバス形式の舞台。小説の締め切りに終われる夫とその妻。劇団立ち上げの青年とその友達。結婚して島に渡ることが決まったボーカルとその相方としてギターを弾くあやなん。ホテルの従業員と辞めたばかりの先輩、の4つの短い物語。

調べてみると2016年が初演みたい。台本に手は加わっているのだろうけれど、2人ずつしか舞台に立たない仕様とか、部屋に遊びに来た青年がコンビニ袋を置いてまず手洗いするところ(話の進行上必要ではなかったと思う)とか、2020年冬のコロナが常態化した今初めて観劇するとその演出は時代にフィットしてた。演劇も時代に合わせてこうやって変化していくんだろうなという兆しというか、今までには見なかった潮流を感じた。

 

ストーリーは755のあやなんの説明なしでもわかったよ。けど確かに、観劇に慣れていない人だったらわかりづらい部分はあったと思う。笑っていいところ(ぼけ)が序盤に多く、喜劇なのかシリアスなストレートプレイなのかわからないままに客席に座るとそのへんの読み取りづらさはあったかもしれない。

時系列も、土曜日からフェスのある日曜日にかけての話であることが最初のお話(小説家と編集担当)の電話のやりとりでわかるようになっていたけど、そのちょっとの符号を読み取り損ねると迷子になったかもな。もちろんそこで迷子になっていたとしても十分楽しめるお話だったし、劇中劇もわかりやすかったので優れた役者さんと台本による演劇らしい演劇だった。どこかで毒を盛るどんでん返しがあるんじゃないかと考えつつ観てたけど、普通にハートフルな舞台だった。

 

文学・演劇・音楽と続いて4話目のホテル従業員二人のストーリーの中で、誰かの物語を想像しながらルームを片付けてベッドメイキングする哲学的な話がとても面白かった。確かにホテルってそういう白い場所だ。世の中にいろんなものと情報が溢れている中でそんな天職に巡り会えていること、一旦やめたけど戻ってきてくださいと力添えしてくれる後輩に恵まれたことが羨ましい。クリエイトが好きな人たちの話であることは間違いない。呼吸をするようにクリエイトをするしかない人たちというか。

 

それにしても、あやなんの演じるあずさ(だったよね?)かわいかったよ。白いアコギを常に持ってて見慣れない姿なのに、背中にギターをまわす仕草とかなんでだか一丁前に見えた。

ボーカルのたみことは気が置けない間柄でふざけて笑い合う中、実質的には"解散"を目前にしている二人。「思ってることは言ってくれないとわからないよ」と真面目な話を吹っかけてからの「おでこ触って」の下りはまじでかわいかった。どうしましょうと思った。たみこがあずさのおでこから手を離す時にささっと前髪(分けておでこが出てはいたけど)を整えてあげる仕草を見せたのもよかった。

あやなんが出演する舞台には、大体そういう可愛く見せられるシーンがあるような気がする。見せ場があるというか、演者として篠崎彩奈を見せる場所をわかってきちんと伝えてきているような感じ。そういうとこがあやなんはずるい。本当にもう。どうしましょう。あずさのおでこを触ったのはたみこなのに、観客の自分自身が触ってしまったような感覚にさえなった。

歌もしっかり歌ってたし。ちなみにおでこに手を当てられながらあずさが本音を話すの中で「わたし歌下手だし」ってセリフがあったけれど、あやなんは下手ではないよ。セブ島企画のSHOWROOM配信あたりから肝が据わったというか変わったと思ってるよ。J popには疎いので36.5度のあの歌が誰の歌なのかとかわからないが、最後のライブで歌う新曲もどれもいい歌詞だった。この舞台にぴったり。

90分の長くない時間だったけど、楽しかったです。普段とは違って自分のファンより他の出演者のファンの方が客席に多かったんじゃないか?という意味でアウェイ戦だったんじゃないかと思うけど頑張ってた。今回もありがとうございました。また舞台楽しみにしてます。

 

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