大人になったなあと思うことが増えた。それとともに、自分も彼女の先で歳をとっていくわけで、「しんどいだろうな」とか「そりゃそうするよな」と想像することも増えてきた。そして自分本位を言えば、そうして歳をとって推しを追いきれない自分にもどかしさを覚えたり、疲れたと感じるようになったのがすごく正直なところ。
卒業が寂しいという実感は数日経ってまだわいてこない。きっとどこかでグッと寂しくなるんでしょうね。もう劇場公演に彩希ちゃんはいなくなるんだから。
悔しいなと思うことがあって、劇場リニューアルが発表された直後に当たっていたサイン会で、メッセージに書いてくれた彼女の気持ちを汲みきれなかったこと。サインでも握手でもこんなことはなかった。もう抱えきれないくらいに限界なんだと思った。けど私には的外れにポジティブな方に考えて伝えることしかできなくて、彩希ちゃんの悲しみの芯に寄り添うことができてなかった。「劇場おばけ」なんて言われるくらいいるのが当たり前だった彩希ちゃん。外泊先のホテルで寝具が変わったら眠れなくなっちゃう繊細さんから、"いつものお布団"を永久取り上げするのと同じ、それ以上の巨大な変化だというのに。
例えも私も本当にバカ。これだって自分本位の反省なのはわかってるんだけど、あのとき彼女はシグナルを出していた。そうして振り返れば、9月1日のリニューアル前最終公演の涙のスピーチも受け取る意味合いが変わってくる。それ以外だって歯切れの悪い受け答えとかあったじゃん。握手会で。
自分はなんてバカなんだろう。そりゃ、ヤケになって開けたほろよいだって効いてくれませんわ。アルコール3%なんてあってないもの。でもこれ以上強いの飲めないよ、気管支喘息拗らせてるからさ今。ほら自分本位でしょ。でも、そんな自虐できるような若さ、もう私にはない。現実を生きていかなきゃいけないから。
今まで推しを見送ってきて、その後に私の人生とあなたの人生が続いていること、その人生と人生がまたいつかどこかで交わって再会できることを覚えたから。
ね、つまらない大人でしょ。がっかりしたかい。
でも今そう思えるのも、彩希ちゃんが「卒業後もステージに立ちたい」と宣言してくれたおかげ。「AKBやめたら芸能界もやめる」ってあんなに頑なに言ってた頑固さんだったのにね。いつだってこちらが支えられてるんですから情けないったらない。
可愛くてごめんの話
話変わるんですけど、アルバム「なんてったってAKB48」に収録されてるいとももちゃんの「可愛くてごめん」めっちゃいいですね。曲がキャッチーなだけあって何度もリピートしちゃうんだけど、歌詞が尖ってていいですね。アイドルはみんな一人一回ソロで歌うべき。コンサート昼夜で「可愛くてごめん選手権」を開催していいレベル。この曲をひたすら聞いてるので、文体がなんかそんな方向にいっている気はする。
ムカついちゃうよねざまぁw
なんてったってアイドルMVの個人的な解釈の話
彩希ちゃんが選抜仕事を頑なに拒んでいた理由の一つに、(自分以外に選抜入りを目指して頑張っている仲間がたくさんいるのに、その中で劇場公演に人生を捧げている自分がその枠に一人入ること)への後ろめたさが、あったんじゃないかと思います。少なくとも私の知る彼女はそういう思いを持っている人でした。
その一方で彼女の努力、謙虚さ、確かな実力と実績が積み重なったいき、無視しようにもできない、本人もコントロールのきかない人気。今そのことについてご本人がどう考えているのかはもちろんわからないし、あの頃とは周りのメンバーもだいぶ変わったから今はまた違う考えを持っているだろうけど、「仲間に報われてほしい」という気持ちはいつも誰よりも持っている。恋詰んの選抜発表動画では、柏木さんが卒業したAKBで「先頭のちょっと端っこの方を走れるように頑張りたい」と話していた。あくまでも自分はサイドという姿勢。
「なんてったってアイドル」MVでは、そんな彩希ちゃんの劇場での涙の回想が挟まり、センターに立っている。その背後にはゆいゆいと瑞葵ちゃんが立ってて「うん」と頷いて不安げな彩希ちゃんの背中を押してあげている。そして自信満々にステージの真ん中で踊るわけです。ジャケ写で彩希ちゃんが着ていたのと同じセーラー服をみんなが着ている真ん中で。
2018年1月、ジャーバージャ選抜で名前を呼ばれてからずっと心の奥にあったであろうモヤモヤが溶けていくような、そんなMVだなと私は感じました。すでにシングルセンター経験のあるゆいゆいとずっきーが「彩希さん、センター立ってください」って頷く視線で言ってくれてるようで。彩希ちゃんが自分で決めて進んできた彩希の道を、今までの活動が認められたようで。
横断幕には「シアターの女神」。彩希ちゃんの14年が救われるかのような演出で、メイキングの中でご本人もおっしゃっていたように、自分の過去のアイドルとしての経験があったからできた世界観や表情だった。
いつだかのブログで、「劇場公演」が外仕事や選抜仕事と対立する存在になってしまっていた時代があって、そこで努力することを決めた彩希ちゃんに反発さえあった時代があったこと(選抜を目指さない=AKBをやめるの?という価値観)を書いた*1。あれが2015年の春だったから9年半ほどでしょうか。
「彼女の名前は歴史に残って」いくでしょう。彼女ほどAKB48と劇場を愛した人が、残るのが「人々の記憶」だけでたまるかよ。儚さを美談にするな。歴史に何ページでも刻んでやるよ。
個人的な解釈というか。こういう発想になりませんか、あのMV。言及箇所固定↓
あらためて勝舞
2024年はじめに書いた書き初めを彩希ちゃんは覚えているのだろうか。
彼女がこれを書いたのが厳密にいつ頃なのかは知らんですが、その時はまだ劇場リニューアルも知らされてなくてなんならオリジナル公演の初日の延期発表があった頃。で、同期の三人(早紀ちゃん、茂木ちゃん、あやなん)が卒業ないし卒業発表している時期ではあったはず。そして何より前2023年のうちにチーム体制が休止していて、彩希ちゃんを取り巻く環境の変化の始まりの頃ではありました。メンバーたちを見送る中で、もう考えていたのかな。「(何かわからんが)大きな変化が来るぞ」ということで気合いをいれる言葉として書いたのかしら。
振り返ると私も、劇場公演の今後について握手会で不安を話していた。結果的にそれはその後「20周年に向けた劇場リニューアル」として実現して本当にオリジナル公演が始まったわけだけど、それは彩希ちゃんが愛する劇場では叶わなかった。
新しい劇場、新しいメンバー、新しいセットリスト。AKB48の未来と引き換えに、AKBは何かとても大切なものを手放してしまったのかもしれない……主語がでかい。いとももちゃんの(ムカついちゃうよねザマァw)が脳内再生された。
卒業は彩希ちゃんが選んだことなので「手放された」わけではないですね。でもそういう環境を作ったのは今のAKBですね。いや、どちらが悪いと言うことを言いたいわけじゃないんだけど。こんなんなら新公演なんていらなかったかもしれないし、劇場なんてボロボロのままでよかったかもしれない。でも彩希ちゃんがもっと成長したいと前向きなのは嬉しい。けど、彩希ちゃんがいない劇場公演がまだ想像できない。
10年。推しメン登録は9年9ヶ月で終わりそうです。こんなに長くAKBの彩希ちゃんを応援させていただけたことに感謝すべきですね。コロナ禍とか挟んだから活動が制約されてた時期を挟んでるから、特にこの3,4年はいつ何かあったのかの記憶が年単位でズレてたりして、あまりにあっという間でした。
時とは無常ですね。
事務所移籍、プロデュース公演、ソロFC開設、朗読劇、劇場リニューアル、待ちに待ったオリジナル新公演のスタート、アルバムリード曲センター、卒業発表。2024年はまさに「勝舞」の一年でしたね。結果的に。こんな書き初めをしたこと、今をかける彩希ちゃんの記憶からはもうすっぽ抜けてるかもしれないけど。
お疲れ様でした。あなたは本当に本当に頑張ってくれた。劇場を守ってくれて、メンバーたちに繋いでくれて本当にありがとう。AKBファンとして、あなたを推した10年は私の誇りです。ありがとうね。
きっと卒業発表が終わったから、彩希ちゃんはこれからもっと美人になると思いますよ。彼女の気持ちが楽になるなら私も望むし幸せなことです。
朗読劇細雪でこいさんが言ってはりましたね。「人のことより自分の幸せを考えなあかん」ってね。彩希ちゃんも今度は自分の幸せを優先する番ですね。
モバメに「早く話したい」と書いてくれていたけど、私が唯一年内とってたアルバム写真会の日、終日中止になっちゃったんよw 振替に多分なるから、年内はこないだ入った「ここからだ」公演が最後でした。今年もいっぱいお世話になりました。年末年始はまあゆっくりやろうと思います。