優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

ジャーバージャとはAKB48のダダイズムではないだろうか


AKB48 51stシングル「ジャーバージャ」昨日フラゲしたよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
1月のリクエストアワー最終日に51stシングルのメンバーに初選抜された村山彩希ちゃんが参加、岡田奈々ちゃんが満を持してセンターを務めるAKB48の51stシングル「ジャーバージャ」、本日3月14日リリースであります!!!!うええええいいい!!!
彩希ちゃんが写ってるジャケットは初回限定版タイプA……表に写ってるのはね!通常版タイプAはジャケットの裏面と、歌詞カード1ページ分にでかでかと載っています!はあ!推しがCDジャケットにいるって、こんなに特別なことなんですね…今まで全然関心がなかったけどいざそうなってみるとすんごく嬉しい。「おめでとう」って言いたくなる…


ジャーバージャ初回限定盤type A



ジャーバージャ通常盤type Aのジャケ写裏面と歌詞カード。カードは各タイプごとにひとり1ページあった

ANNの音源オンエア、公式YoutubeからMV公開とそのたびにワイワイしたのは久しぶりのことです。先日13日のあおきー公演での初披露では、センターポジションに彩希ちゃんが入るという素晴らしい出来事もありました。自信が溢れているのを感じました。
そんな「ジャーバージャ」を深堀してやりたかったのですが、リリース記念のよくわかんないニコ生番組を見ていたらもうこんな時間(23時)なのでゆるっと更新して終わりたいと思います…

とにかく毎秒キャプとりたいくらいなので、早い話がみんなMV観て。
1番Bメロで桜の花びらを燃料にたくさん積んだロケットが飛んでいくと、上下のラインが黒から淡いピンクに変わるんです!面白い演出。「Choose me!」とか過去のMVと重なるシーンもあったり、センターのなぁちゃん由来なのかメンバー同士がイチャっとする百合っぽいカットが挿入されていたりして。観ていて飽きないし、色味が明るくて暖かくなってきた3月にぴったりな映像。
初選抜ということもあってか、彩希ちゃんも結構映ります!制服がかわいいシーンだけじゃなくて、ダンスシーンは下手で踊っているのが結構抜かれます。ちなみに!このMVは終わりにスタッフロールがついて全編なので、円盤を購入した人はぜひ観よう!オフショットが挿入されていてかわいいですよ。




「ジャーバージャ」とは何か

宇宙初オンエアされたANNの時点から「意味はない造語」ということが言われている「ジャーバージャ」。念のためぐぐってヲタクの見解を見てみたんだけどまあ参考にはならないものばかりだったし、意味のないものの意味を探ったって無いものは無いのである。私がひっかかったのは「ジャーバージャは意味を持たない言葉」という点。意味を持たないネーミングといえば「ダダ」が言える。トリスタン・ツァラのダダ宣言*1に始まり後のシュールレアリスムへと継承されていくこの芸術運動を改めて引くとこんなことが書いてある。

ダダ [仏]Dada
もとは「馬」を意味するフランスの幼児語とも、同意を表すスラブ系言語ともいう。1916年に第一次大戦を逃れた芸術家たちによって始められた運動。(中略)ダダという名前自体が辞書から偶然によって選び出されたといわれることに象徴されるように、新しい造形の模索というよりは、戦争の結果としての虚無感を背景に、既成の価値観や秩序の破壊を目的とした反芸術的運動であった。(後略)

(『岩波 西洋美術用語辞典』2005年、岩波書店

過度な詮索は美しくないのでまるまる同じとは言わないが、ある一つの嵐のような時代が去った後よどんだ空気の中に新鮮な風を入れるために、今までの価値観や秩序をぶち壊して新しい時代を招く……今、2018年のAKB48がそうではないだろうか。過去(=MVの桜の花びら)を燃料にして、5年間階段をひとつひとつのぼってきた岡田奈々をセンターに新時代へと高く飛んでいく2018年のAKB48が宣言するダダイズムが「ジャーバージャ」ではないだろうか。
この流れを汲むとタイトルに意味を持たない造語が当てられたことに意味があるような気さえしてくる。派手な色彩とコラージュのようにイメージが散りばめられたコンセプト写真にもまた、意味があるように見えてくる。気がする。

この前にリリースされたAKBのアルバムのタイトルは「僕たちは、あの日の夜明けを知っている」だったわけですが、ジャーバージャ1番の歌い出しはこんな感じ。

深く息を一つついて 嫌なことはもう忘れてしまえ
星さえない真っ暗なこの街でも 遠い空から夜は明けるんだ

全体を通じて疲弊しながらもポジティブ。「ラッキーもアンラッキーも順番にやってくる」「昨日の自分にサヨナラ言おうか」など夜の楽しさに酔って楽しんじゃおうぜ!のゆるいノリに身を任せたくなる歌詞。そしてメインのサビ。

午前0時過ぎたら誰もが生まれ変われるよ
緩いビートに揺れて Tonight Tonight Tonight …YEAH!
良いことと悪いことループする人生よ
目を閉じて踊ろうか
ジャーバージャ Funky night! All right!

午前0時過ぎたら 誰もが生まれ変われる」はこのCDの帯にも引用されているフレーズ。
普通のアイドルだったら、シンデレラが午前0時を過ぎたら魔法が溶けてしまう。でもジャーバージャは「午前0時過ぎたら誰もが生まれ変われるよ」と歌っている。夜明けを待っている。AKBの魔法は気だるい夜にも続いている。
楽曲を象徴するサビにこの歌詞をぶちこんでくること自体相当ロック。既成のアイドル観をだいぶぶち壊している。そもそもAKB48が固定概念にとらわれない活動をして世の中に大きな影響を与え旋風を巻き起こしてきた存在と思えば、ジャーバージャは秋元康が歌詞にそっと忍び込ませた新しいAKB48の兆しなのかもしれない。