優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

デビュー

満ち欠けカレンダーを見ると、5月17日は満月。日付が変わった18日は多少右側が欠けるらしいが、それでも綺麗な月がそこにある。
フラゲしたCDを聴き、特典映像を観ながら、0時をまわってデビューを祝う瞬間に
黄金色の満月が歌姫たちを祝福してくれるなんて、なんてロマンチックな奇跡。
どす黒い雲で空が覆われ、真っ暗になり、雷とどしゃ降りがやってきた夕方とはうって変わった、じゃまのない静かな夜。(in 千葉)
DiVAメンバー4人の波乱万丈の5年間を象徴し、浄化するような空模様。


ウェブでの先行配信に食い付かなかったので、「月の裏側」PVをフルで観たのは実はディスクが初めて。
やはり見せ場は2番Bメロ後の間奏のダンスシーンかな。
ライトの柱の間で踊ってるソロカットはどれも鳥肌がたった。
これだけ存在感のある4人が今まで「チャンスの順番」を得てこなかったことが不思議でならないほど。


特に梅田と増田にいたってはその感も強い。
DiVAのデビューで初めてユニットに属することになった2人には、第2期メンバーとしてAKBに加入して5年での最大ともいえる変動。
日々の言葉や感想を追っていても、毎日毎日有難さを感じ、経験を積み、吸収して成長していく姿が目に見える。
歌姫と舞姫。このユニットのために温存していたとしか考えられない。
ちょうど『スラムダンク』の流川みたいなポジションだったのかな、とふと思うことがある。
まずはAKB48で一番の歌姫に、舞姫になれ、ってことで秋元Pは鍛えさせようとしてたのかもしれない。


「DIVA」や「増員」の件があり、思うところもある。
秋元Pの「月の裏側」、「Fade out」は大人っぽくかっこいいダンスナンバー。一方で、小室Pの「インフォメーション」はがっつりエイベックスな曲風。
前者2曲、後者ではずいぶんと“DiVA”のイメージにギャップが出来てる。
これについて、office48とエイベックスの方針とが二分化してるのではという意見もきこえた。運営のたるみも否めない。
事実、“夏には10人体制”と言ったわりに、オーディションについては5月半ば現在で何の情報もない。
一体どうなることかとも思うのだけれども、それは事務所の話で、
彼女たちの環境・経験には影響があるにしろ、少なくとも、成長との直接的な関わりがあるかといえばそうではないように思える。


そう信じられるのも、プロとして、人間として、4人が揺ぎない芯を持っているからこそ。
そのうえでは、「カッコイイ女たち」(秋元曰く)DiVAも、キレイなお姉さんのDiVAも、いろんな表現に触れられる素晴らしい成長材料なわけだ。
自分は長いこと大所帯女子アイドルのファンをやっているが、
こんなにリリースを待ちわびたのも、今後の展望が楽しみなのも、その実力故に夢をたくせるのも、DiVAが初めて。


進化して新たなパフォーマンスを見せてくれる期待はもちろんあるのだが、将来像は鮮明にならない。
それこそDiVAは、増田が言うように「未知数」。
いい意味でも、悪い意味でも、どうにでも変化できる。
次のシングルが4人であれ10人であれ、楽しみに変わりはない。


「月の裏側」デイリーチャートは3位とのこと。
2位のPerfumeとは約3000枚差。健闘。がんばった。