優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live東京プレビュー公演【20180909 17:00-@AiiA 2.5 Theater Tokyo】

あっという間で3公演目、千秋楽。トリプルキャストで公演されてきたこの東京プレビューの大千秋楽でもあります。が、まさかの電車遅延でうさぎちゃんさながらの遅刻をするという惨事に見舞われ(´;ω;`)余裕持って出たのに突然巻き込まれ、OP間に合わなかった…しびれるくらい後悔してるよ←いい教訓になりました…(´ω`)

さて、気を取り直して感想を…。この記事では舞台としての感想、セーラームーンという作品の感想を書きたいと思います。前回の9月8日観劇の記事のほうで河西さんやセーラー戦士のみんなの感想を書いてるので、併せてご覧いただけると幸いです。あと一応、ネタバレ気にされる方は注意です。


映像

汗だくで会場に着いた時、ちょうどOPの映像が流れてるところで、そこからプロジェクションマッピングセーラームーンの戦闘シーンまで定点カメラの映像で観ていました(こんな時にロビ観なんて!w)。
2公演ともに1桁台の前方列の席で観ることができたんですが、ど迫力のOP、引きで見たかったなぁと内心思ってたので怪我の功名というかなんというかwモニターの荒い映像でしたけど、ステージ全体を観られてよかったです。
映像と音と動作をシンクロさせるパフォーマンスは、テレビでプロのパフォーマーがやっているのを見たことはありますが、広いあのステージでやるとなると相当大変でしょうね。演者本人からは映像って色くらいしかわからないだろうし、風圧とか感触とかもないからいわゆるパントマイムみたいな演技になる。それでも飛んで攻撃をかわしたり、投げ返したり、ばっちりこなしているセーラームーンでした。正面というより横顔で右向いたり左向いたりしてて、ファミコンのゲーム画面を見ているような戦闘シーンでした。

こんな調子で、最新技術を余すところなく使ってくるこのスーパーライブ。60分の短い本編に詰まっている物語がとんとんと失速することなく進んでいく中、いくつもの技術を代わる代わる使って演出してくる。暗転して光を放った部分に注目させている間に次の展開を瞬時に表現してくるから、観る側は手品の魔法でも見せられてるみたいに驚きが続きます。
印象的なのはやはり光だったでしょうか。色、ライトを巧みに使っていました。
ステージ中央の上空には放射状に配されて浮遊している細長いライト。今思うと、お祭りで見かける装飾品のような形をしてました。ステージのセットの枠にもコの字型の長方形のネオンが取り付けられてます。セーラー戦士がパワーを出す時や必殺技を繰り出す時は、演者のポーズとともに光の色で表現されていました。アニメのような緻密な描写ができないけれど、誰が登場してくる誰の技だって、セーラームーンを見たことのある人にはきちんとわかる。変身する時など動作に伴う音も、アニメで聞いたことある音がそのまま使われていて、鳴るだけで「あっ!」とわかるようになってました。

セリフ

音楽が充実している一方で、台詞は極端に少なかった。発しても短い言葉を一言二言。あだ名の呼びかけや感情・思いを表す言葉だけ。文章といえるようなセリフはほとんどありませんでした。
フォロワーさんが指摘していたように、マイク音量も小さく、音楽のほうが大きく際立っていました。埋もれているといえば埋もれているんですが、この舞台は日仏交流事業「ジャポニスム2018」で今年11月にパリ公演が決まっています。パリに観に来る人に日本語が通じるのだろうか?という疑問は発表当初からありましたが、なるほど、言語の壁を越えて舞台を創るとこういう演出になるんですね。
名前とか簡単な日本語なら、海外の方にもわかってもらえるかもしれませんね。あるいは、この短い台詞はパリ公演ではフランス語に差し替えられるのでしょうか?それなら演者が覚えやすいし、発音や記憶が曖昧になってしまったとしても音楽のほうが際立っていたらさほど傷にはならなくてよさそうですね。どうなるんだろう?パリ公演には私は行けそうにありませんが…行かれる方はぜひ、目に焼き付けてきてくださいね。
「セラミュ」は観たことがないけれど、いつも観る舞台とはまったく異質のステージになっていました。観終わった今ならあのステージを「演劇」とか「ミュージカル」って言葉で形容しようとは思えず、「パフォーマンスショー」という呼称が最も腑に落ちます。

歌はしっかり日本語で歌うんですね。セラミュの曲もあったのかしら?
アニメ楽曲はもちろん登場。「乙女のポリシー」はセーラームーンRのエンディングテーマですが、1番Aメロ→2番Bメロの流れになるのは歌詞を劇中の場面と合わせるの重視だったのかな。違和感なく、セーラー戦士の歌でした。アニメのエンディングでは十番中学の制服を着たうさぎちゃんの映像が印象的な楽曲なので、後半のスーパーライブでは5人が制服姿で歌ってくれたのが嬉しかったな。CDでフルサイズを聞くと入ってくる後奏までしっかり披露してくれて、ピースしたりしながらスタンドマイク(風の鞄かけでした?)でパフォーマンスしてくれました。
5人で披露した楽曲って他にも、原宿のシーンとかでもあったんですけど、5人で歌う時センターは必ずしもうさぎちゃんじゃないのがとてもよかった。まこちゃんだったり美奈子ちゃんだったり、立ち位置もころころ変わりました。セーラームーンが一番の主人公ではあるけど、5人みんなが平等に大切にされていてとても嬉しかった。
うさぎちゃん/ムーンを歌った曲があって、彼女を「私たちの大切な宝石」と表現している歌詞がよかった。舞台ではあまり出てこなかったけど、セーラームーンが変身に使うムーンスティックやブローチにはめこまれている「銀水晶」と呼ばれるクリスタルはうさぎちゃんの“仲間を助けたい”という想いが生んだということですし、セーラームーンを指すにはぴったりの言葉です。
あとスーパーライブの「ムーンライト伝説」はフルサイズを全キャストで歌っているのがよかった。クインベリル様とクンツァイトが歌う2番は渋かったなwすごく意外だったけど、セーラームーンらしいなぁと思いました。

クンツァイトの光

クンツァイトが滅びてしまった時に、水晶のようなマゼンタの光の玉になったのがいいですね。前回のブログクンツァイトとヴィーナスの関係に触れたとおり、クンツァイトも元はエンディミオンに使える護衛、清い心を持っていたんです。
ちょっとだけ補足しておくと、地球国ゴールデン・キングダムの王子エンディミオン(まもちゃんの前世)の部下としてクンツァイトゾイサイトネフライトジェダイト(四天王って呼ばれてるみたいですね)がいるのですが、クインベリルが地球を襲撃した時にこの四天王も洗脳されてダークキングダムの手先になってしまったという経緯です。現世で四天王の彼らが過去の記憶を取り戻す場面はないと思うんですが、スーパーライブのクンツァイトは間違いなくヴィーナスとの過去、関係を思い出していましたよね。
クンツァイトが滅びた時に水晶のような美しい光になって消えていく描写は、悪に染められているだけで彼は本当は良い人なんだという表れ。真の悪を見抜き、セーラー戦士と敵対するキャラクターにもまた労りを与えるのが武内先生。寛大です。

美少女戦士セーラームーン」の魅力

私は今までずっとセーラームーンが大好きだったけれど、今回の観劇ではっきりと気がつけた作品の魅力がありました。それは、登場するみんなが人を愛しているということです。
うさぎちゃんはおバカだしドジだけど、誰よりも友達や家族を愛することができる人。亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃん、美奈子ちゃん一人一人を想いやっているし、まもちゃんを愛してる。時には相手を想う気持ちが強くて、うさぎ自身が考えすぎて悩んでしまうくらいです。

セラムンのネタを追っていると、「タキシード仮面が使えなさすぎる」というような感想を見かけることがあります。確かにこの作品ではタキシード仮面は全然戦えない。セーラー戦士に助けてもらってばかりです。

とはいえセーラームーンだって、戦うといっても、舞台中にもあったように力技の攻撃もできず、おっかなびっくりな戦い方です。マーズやジュピターみたいなパワー系の技は使えないし、マーキュリーやヴィーナスのような冷静な分析・判断も得意ではない。だけど、宿敵の悪を打ち破るとどめの一撃はセーラームーンにしかできないんです。
最後の決め技は、リフレッシュする、浄化するなどと言われ、技であって技でないというか。それでもやっぱり他戦士の攻撃だけでは、弱らせることはできても悪の力から解放はできない。
かなりくさい表現ですけど、セーラームーンの最大の武器って愛とか、母性だと思うんですね。人を包み込む優しさ、宿敵でも完全に悪とみず良心を信じて接する態度。セーラームーンがその想いを保つことができるのは、すぐ傍にまもちゃんや仲間がいるから。

たとえタキシード仮面の戦闘能力が弱くて愛する人を守り切れなかったとしても、うさぎはまもちゃんがさらわれてしまうと張り裂けそうになるくらい泣いて悲しむんです。そしてこれは「劇場版セーラームーンR」の話ですが、セーラー戦士が敵の人質にとられ「セーラームーンが攻撃をやめなれけば仲間を痛い目に遭わせる」と戦士4人を攻撃されると、セーラームーンは「みんなが苦しむのもう見てらんないよ」と泣き出して戦うことを放棄してしまうんです。セーラームーンは愛する大切な人が傍にいるから戦えるんです。だから、タキシード仮面はこの世界にはいないといけない存在です。他の戦士もみんなそうです。

月野うさぎちゃんは遅刻魔だったり勉強できなかったりしますが、それ以外の登場人物も皆、完璧な戦士のようにみえて何らかの弱点があります。喧嘩っぱやかったり、長けた能力を持っていてそのせいで人が近づいてこない。あるいは家族を失っていたり離れて暮らしていたりして、影がさす部分がある。亜美もレイもまこも美奈子も衛も、孤独です。その孤独を癒してくれたのがうさぎ。そして逆にうさぎにとってもみんなは傍に居てほしい存在なんです。

それぞれが発揮できる得意なパワーを持ち寄って、力を合わせて戦う。弱点は他の誰かが補ってくれればいい。誰も完璧に強くなどないんです。それでいいんだってことを、セーラームーンが教えてくれます。

アニヲタじゃない私でもこの作品は本当に何度もブームが来てハマりなおすんですけれども、きっとそれはこの作品が人を想いやる優しい愛で溢れているからだと思うんです。うさぎが衛を、亜美ちゃんをレイちゃんをまこちゃんを美奈子ちゃんを、時には戦う宿敵すら大切に想う気持ちが、この作品のすみずみまで通っているから温かいんです。そのことに、今回の舞台を通じて気が付きました。本当に素晴らしい物語です。

セーラームーンスーパーライブ

作者がこの作品に愛を通わせたように、今回のセーラームーンスーパーライブのキャストもまたこの作品を愛していました。各々のキャストがミュージカルやアニメを通じてセーラームーンに対する熱い想いを持っていることは、この作品の歴史を考えると想像がつきますが、こんなに忠実にステージ上の世界を作ってくるとは思いませんでした。それは声の出し方や、立ち振る舞いのすみずみにまで感じられました。愛に溢れたものにはいろんな人の愛が集まってくる……この作品も、うさぎちゃんと一緒ですね。
大千秋楽は終演後、会場が明るくなっても拍手が鳴りやまずカーテンコールに。キャストがもう一度ステージに登場すると私も嬉しさでつい飛び上がってしまい、拍手を送りました。会場中が沸いたスタンディングオベーションの瞬間、キャストが顔をくしゃくしゃにして目に涙を浮かべるんです。マーキュリーもマーズもそうでした。本番が終わり緊張がほぐれたムーンも。
ああ、河西さんだ。おかえりなさい。最高でしたよ。みんなで一列に手を繋いで礼をして、深々と頭を下げる河西さん。何を想っていたかな。泣いてたかな。顔を上げるとニッコリと微笑んで、ステージを去っていきました。
人ってこんなに輝けるんだっていうくらい、本当に身体の芯から輝いている感じがしました。セーラームーンスーパーライブは、作った人・演じた人の人生も、ステージを目撃した観劇者の人生も明るく変えてしまう舞台でした。この"最高"を海外発信して、世界中を最高にしてほしいです。地球を征服したクイーンベリルもびっくりしちゃうと思います。いろいろ書いてきましたが、本当に最高でした。なんかもう、この言葉しか出てきませんごめんなさい。
この舞台に出会えたことに感謝してブログを終えます。河西智美さんとこの作品に携わったすべての方々へ、本当にありがとうございました。お疲れ様でした。


最後になりましたがアマゾンの諸リンクを載せておきますので、原作・アニメに興味持たれた方はぜひ!この素晴らしい作品を一度(/∀\*)あるいはもう一度w
アマゾンプライムでは原作第1部(アニメでいうところの「無印」)の全話が見られますよ!あと優気おすすめの劇場版セーラームーンRはもう!!!お願いだから観て!!!!

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"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live東京プレビュー公演【20180908 17:00-@AiiA 2.5 Theater Tokyo】

6月の終わりに発表があってから待ちに待った当日。8月31日からトリプルキャストでの上演、河西智美さんがムーンで率いる♪チームは9月7,8,9日の3公演です。

このブログをやっている私は河西智美さんのファンであるわけなんですけれども、セーラームーンのアニメとともに大人になったセーラームーンどストライク世代なんですね??
アニメなんてリアタイで毎週見てましたし、5年の放送が終了した後も定期的に見たくなってどハマリするリバイバル期が(個人的に)きてビデオなりDVDなり見返しては拗らせてましたし、そのたびに作品の魅力を再確認していました。
漫画が苦手なお子ちゃまだったのでずっと読まずにいた原作は大人になってから読み、「美少女戦士セーラームーン」という作品の奥深さ、壮大さに感銘を受け、もう大好き…ライフワーク……。好きなだけでまったくヲタではないんですけど、
セラムン世代なんですね?私。
今回のスーパーライブのブログ、冷静に書ける自信とかまったくないよ?
ということを先にお断りしておきます(/∀\*)
あと、内容とか演出とか明記してますのでネタバレを気にされる方は閲覧注意でお願いします!

♪キャスト
セーラームーン月野うさぎ :河西智美
セーラーマーキュリー水野亜美 :替地桃子
セーラーマーズ/火野レイ :長谷川 唯
セーラージュピター木野まこと :山粼紫生
セーラーヴィーナス愛野美奈子 :後藤紗亜弥
クイン・ベリル :哀川まこと
クンツァイト :真田怜臣
小泉もえこ 新橋 和 土定美月 大澤涼風 大橋美優
タキシード仮面/地場 衛 :立道梨緒奈

チケット取れるかだいぶ不安でしたが土日でとることができたので、まずは本日、行ってきました。AiiA 2.5 Theater Tokyo、JR原宿駅から代々木公園沿いに10分くらい東京らしいアスファルトの道を歩いていったらこじんまりとありました。プレハブ…なのか…?常設の劇場なんでしょうけどサーカスのテント感があって、意図せずセーラームーンの敵が潜伏してそうで雰囲気バッチリだなと思いましたw
パンフレットの武内直子さんの言葉にもあるとおり、原作第1部のストーリーをたどる60分。そして劇中の楽曲パートを再演しつつ馴染みのナンバーが披露されるスーパーライブが20分。濃密な1時間半でした。

舞台を覆い隠す巨大な薄いスクリーンにプロジェクションマッピングで映像が映し出されます。クイーンベリルのアジトから、街中ですれ違ううさぎと衛まで。二人が向き合い見つめ合うと、スクリーンにも同じシチュエーションの原作のイラスト。「ムーンライト伝説」が鳴り響いた途端に涙目になりました←漫画の絵でキャラクター紹介からタイトルコールのOP、そして遅刻で大急ぎのうさぎちゃんの日常へ…。

「遅刻だー」とか「もういやだー」と慌てふためいてるうさぎちゃん。やっと着いた教室シーンでは担任の英語の先生も同じセーラー服を着たクラスメイトも一切しゃべらずに踊り、ダンスパフォーマンスだけで表現。
その中でちょいちょい短いセリフを挟むのがうさぎちゃん。あれ?河西さんだ。発声の仕方がね、もう三石琴乃さんなの。懐かしいよ。あーもう、うさぎちゃんだよ。月野うさぎって実在する人物なんだな。あれ、顔よく見たら河西さんだ。河西さんってセーラームーンだったの?マジかよ。AKBの頃からずっとファンなのに知らなかったよ。あなたセーラー戦士だったの。

クイーンベリルがちょいちょい悪さをしてきて教室のみんなが妖魔に取り憑かれたところに登場するタキシード仮面。その後はアニメおなじみのタキシード仮面様にベタぼれのスーパー妄想タイムに突入したり。何気にアニメって問題解決までのシリアスな場面が描かれることが多いから、ああいう楽しい場面だけをピックアップして描かれることって無いんですよね。だからちょっと新鮮でした。

スーパー妄想タイムが去り妖魔から開放された教室で授業が終わると放課後。仲良しの5人は集まります。描写はなかったけど、いつもの場所は火川神社だよね?制服姿の5人が集まってくるのをみると、制服や髪やアクセサリーの色味がなんかもう懐かしいの。見慣れた景色。ああ私ってまじで世代なんだな。俺今すごいの見てるよ、推しメンが大好きなアニメ作品の舞台やってるんだから。いや違う、推しメンがセーラー戦士だったんだよ。

カルチャーとしてのセーラームーン

原宿に遊びに行く下りなんかはアニメの雰囲気が伝わって楽しくも、ゴスロリのドレスを着たダンサー、ポップな衣装や和装をまとったうさぎちゃんの仲間たちと、アイドル美奈子()を取り巻くオレンジサイリウムを持ったヲタ芸集団()など、セーラームーンが一世を風靡した'90年代にとどまることなく現代の日本のカルチャーをも反映した表現になっていました。
5人の地元は東京タワーが景色に溶け込む麻布十番。うさぎちゃんまこちゃん亜美ちゃんが通うのは十番中学、美奈子は港区立芝公園中学ということもあり、原宿という場所は意図せずともセーラー戦士5人の日常と大変ゆかりの深い地でもあります。
ゲームセンタークラウンもみんなが集まるおなじみの場所。衛とうさぎがゲームをプレイする姿を通じて、二人の特徴や関係性が、セリフが極端に少ないのにとてもよく描かれていました。そこからゲームの中に取り込まれてしまったかのようにクンツァイトが出現して敵との戦闘に進んでいく展開も完璧。

ピクセルデザインのファミコンゲームのビジュアルも、日本のカルチャーとして注目されるものの1つですよね。ディズニー映画「シュガーラッシュ」で主題歌を務めたのは我らがAKB48でしたが、そのMVでもゲームプレイするシーンが漫画のコマ風に描かれていますし、映画自体もゲームを描いたものですがマリオなどおなじみの日本生まれのキャラクターや演出効果もたくさん出てきます。

本舞台、「東京プレビュー公演」と呼ばれていまして、日仏交流の文化事業ジャポニスム2018で紹介される芸術作品の1つとして、秋にパリ公演が決定しています。つまり海外発信のために作られたステージ。海外から見た日本、日本から見た日本の要素が、これでもかというほど詰め込まれています。ここまで書いてきたとおりです。中高生の子ども達がセーラー服を着て学校に行くという文化からして日本的であって、そんなものもすくい取ったら日本らしい要素なんてもっとたくさんあるはずです。そういうものの写し鏡として、セーラームーンという作品がぴったりとフィットしています。

ストーリー展開

そんな日本の魅力を披露するステージが進みつつ、戦うセーラー戦士。細かく編まれていて、戦闘シーンが何度も挿入されていた記憶。

タキシード仮面が連れ去られた時のセーラームーンの泣きじゃくり方、本当に、リアルなうさぎちゃんだった。
私はセラミュは観たことが一度もないんですが、アニメの人物が3次元空間に実在してるような、すごい不思議な感覚。声の出し方に人柄が出ていて、うさぎちゃんそのものだった。弱々しくて、実直でそれしか見えなくなっちゃって。でもそんな、愛する人が消えてしまった身を切るほどつらい思いをしているセーラームーンを支えて励ますセーラー戦士乙女のポリシーはここで歌いましたか…良い歌や。戦士みんなで歌うと思わなかったから、亜美ちゃんの歌い出しで始まった時はちょっと笑ってしまったが。

そこからのセーラーテレポート発動は思わず「キター!」と声出てしまったwセーラーテレポートで敵陣に飛んでいき、タキシード仮面がクイーンベリルに操られてしまいセーラームーン愛する人と剣を交えることになってしまうという、第1部の象徴的な展開へ。アニメ無印の最終決戦や、劇場版Rの展開とも似ています。セーラームーン前半作といえばこの展開。

アニメだと剣は使わず、星型のオルゴール(ムーンライト伝説が流れる)をかざすと正気を取り戻してくれる展開だったのですがそのようなアイテムが登場していなかったのでどうなるかな?と見守っていたら、ハグでした(*´ω`)博愛、さすがセーラームーン。みんなのママ。

5人の個性

セーラー戦士の格好をしていた時に、特に5人の個性を感じました。戦士としてではなく月野うさぎ水野亜美火野レイ木野まこと愛野美奈子という個人としての個性が出ていました。
ジュピターは背が高くて力が強い。敵が現れるとファイティングポーズで様子を伺っている。スタイルがよくて、本当に漫画から出てきたみたい。かっこいいなぁ。
マーズは妖気を気にする気品ある立ち姿。漫画とアニメでキャラクター描写に大きな差があるけれど、この舞台では漫画よりのお嬢様になっていて歓喜。美しい…
マーキュリーは、ピアスを押すと目元にしゅいんって登場するモニターみたいなメガネを出して敵の分析をするような仕草をしていて、ああ亜美ちゃんだああってなりました(ライトファンなのであのアイテム名わからないんだけどアニメ見たことある人ならわかるでしょ)。
あとね、私ヴィーナスが一番好きなの。三枚目のおバカキャラだけど、あんなに切ない戦士はいないよ。でね、このヴィーナスの発声も、少し鼻にかかった深見さんの声だったの。美奈子ちゃんだって、本当に懐かしかった。
ヴィーナスは月の王国でプリンセス(ムーン)が戦士として成長するまでの間、自分がプリンセスの影武者として活躍する。策士的な存在でもあり、戦士5人で移動するときは先陣を切ってみんなを誘導する姿も、ステージで見ることが出来ました。剣を召喚するのもその由縁のはず。
ヴィーナスが一騎打ちをしたクンツァイトは、地球のゴールデンキングダムの王子エンディミオンにつく護衛の1人。護衛はクンツァイトの他にゾイサイトジェダイトネフライトがいます。この4人は、月の王国の守護戦士(マーキュリー・マーズ・ジュピター・ヴィーナス)と対になっている存在で、プリンセスセレニティ(ムーン)とエンディミオン(まもちゃん)のようにそれぞれ恋仲でもあったのです。それが前世。アニメだと完全に端折られてる設定なので、漫画でみた時悶えました。武内先生半端ないって。
なので、クンツァイトと対になるヴィーナスは、一騎打ちになった時に過去の関係をシンパシーで思い出して、クンツァイトが消滅してしまった時にあのように悲しんでいたわけです。ああ、この描写が他の誰でもなくヴィーナスなのが嬉しかった。これでこそヴィーナス、愛の戦士。

そして、今まで正直なところ、みんながタキシード仮面にベタぼれしてるのが信じられなかった←んですけど、めちゃめちゃかっこよくないですか…。セーラームーンに登場する唯一の男性戦士ですがこの舞台で演じているのは女性で、立道さんめっちゃ美系。宝塚か?ってくらいすらりとしてて品格があって、抱かれたい。あれは抱かれたいしうさぎちゃんが何かにつけスーパー妄想タイムに突入してしまう気持ちもわかる。
ステージ上の階段側面や足場にはそのフレームの形を縁取るような長方形のネオンが付いてて、シーンによって、戦士が攻撃すればその戦士のカラーに光ったりして演出されていました。まもちゃんが歌い出してネオンの赤いタワーが立つと長方形のネオンは白っぽいブルーに光り、さっきまでの矩形が一瞬にして東京の街のビル群に様変わりして見えた。
見る者が持っている記憶や経験を引っ張り出すことで、ただの長方形のネオンで街を表現する。シンプルな舞台装置を余すところなく表現に利用している。その発想力に、海外発信されるステージの芸術性の高さを感じました。

月野うさぎ/セーラームーン

さて、思うままに書きつらねてきたけどそろそろ長くなってきたので、うさぎちゃんの話をしようか。
セーラームーンはドジっ子を発揮していっぱいいっぱいになりながらも、てい!やー!と敵と戦います。やられてアニメさながらに泣きじゃくっていると、ジュピターちゃんやマーズが助けにきてくれてパッと笑顔になります。仲間が技を食らって痛がっている時はかけよって肩を支えてあげます。タキシード仮面が連れ去られてしまえば身体が崩れてしまうほど泣いて、攻撃してくるタキシード仮面に「いやだ」と拒みながら向かい、自らクイーンベリルに突っ込んでいき身を滅ぼして、本物の悪と戦います。

うさぎちゃんの魅力って、誰もが経験したことのあるような平凡さだと思う。普通に生活して楽しいことして遊んで好きな人と一緒に過ごしたい、普通の女の子。悪や敵と対峙した時にセーラームーンが滲み出す人間性が、社会で生きて様々な葛藤と戦う人々と重なるところがある。おっぺけぺーで遅刻魔であんなにドジなのに、人を思う愛に溢れていて本気を出すとすごいところとか。

セーラームーンという作品に触れれば触れるほど、月野うさぎという人物の寛容さが見えてきます。この舞台の隅々でもそう。ステージに立っているはずの河西智美さんは、素と思われる仕草や素振り、愛嬌や、体や表情の動き方までうさぎちゃんそのものだった。カーテンコールで登場して屈託ない笑顔を振りまくところとか、仲間たちとはしゃいでぴょんぴょんしてるところとか。はける時に階段を下りていったと思ったら、舞台セットに肘をついて頬杖ついてみたりとか。河西智美さんが月野うさぎを演じているという感覚が全然なくて、結果的に「河西智美さんって月野うさぎだったんだな」という、想像してもなかった着地点に今到達しております、観劇後の私です。本当にかわいらしい、うさぎちゃんらしさが120%詰まったうさぎちゃんでした。

…勢いだけの取り留めのないブログにここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございます。
セラムン原作、アニメをご存知ない48由来のファンの方にも少しでもこの舞台を楽しんでほしいと思い、世代の私、はりきってしまいました…。妙な説明も交えつつ早いうちに何か書いておこうとここまで書き進めてきましたが、なんか逆によくわからないことになってしまったかもしれんな…。やはり自己満。でも私は楽しいぞ。いいんだもう。なんてったって推しメンがあの憧れのセーラー戦士だったんだから。

明日は♪チームだけでなく、この東京プレビュー公演の千秋楽でもあります。好きなものしか詰まってない舞台。伝説をこの目に焼き付けて、楽しみたいと思います。

青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」【20180728 15:30- @東京国際フォーラムホールC】

行ってきました(´ω`)この週末は台風が近づく大荒れの天気でしたが、東京駅着で国際フォーラムまで屋内通路で移動できてとても助かりました。本当に親子連れが多くて、ヲタク族いるのかしらってくらい家族連ればかりでした。ちびっ子から小学生高学年まで。夏休みだもんねー…と会場の雰囲気に押されて到着直後から泣き出しそうになる私()。がっぽり列の半分は席が空いているところもあったりして、台風でお出かけできなくなっちゃったファミリーも多かったんだろうな。

開演時間になると、客席通路から久保田磨希さんが登場。ステージの幕にプロジェクションマッピングされた巨大な本を開くとお話が始まります。ライザは、下手端あるいは上手端にあるスツールに腰掛けて、観客と同じように舞台を観ています。
子ども連れで楽しめるように他にもたくさんの仕掛けがあって、拍手や声を出すシーンがあり、上演時間の配分は事前に細かく貼り出されていて、休憩は1時間起きに2回入り、舞台は3部構成です。ロビーにはフードコーナーで買った食べ物をみんなで座って食べられるスペースがあり、フェイスペインティングや迷路やボウリングのゲームが用意されています。休憩明けでステージに登場したライザが、「フェイスペインティングした人〜?(挙手を煽る)…少な!!!電車が遅れたのかしらねえ」なんて笑いを誘っていましたw 休憩時間や終演後にはロビーにピーターとフックの着ぐるみ(と言ってしまっていいのか…)がお見送りや記念撮影に応じるなど…。この舞台はホリプロで38年続いているそうですが、その長い歴史だけあってもう徹底的に親子連れが楽しめるようにコミットしていました。

休憩中に後ろの親子が「ウェンディがおやすみおやすみ♪って歌ったら、●●くんも本当に寝ちゃったね」と笑っていたのが微笑ましかったです。河西さんの歌声は心地良いですからね(´ω`)あとそういえば、私が小学生だった頃、親が連れて行ってくれた着ぐるみの舞台もピーターパンだったのを思い出しました。子どもも楽しめる舞台演目として鉄板ということなんでしょうね。

吉柳咲良…ピーターパン、河西智美…ウェンディ、莉奈…タイガー・リリー、入絵加奈子…ダーリング夫人、久保田磨希…ライザ、ISSA…フック船長/ダーリング氏
萬谷法英…スミー、笠原竜司…ヌードラー、章平…スターキー、森山大輔…チェッコ、井上祐貴…マリンズ、小島亜莉沙…スライトリー、鈴木亜里紗…ニブス、滝川華子…トゥートゥルズ、鈴木麻祐理…双子、出口稚子…カーリー、小山圭太…ジョージ・スコーリー、長嶋拓也…アルフ・メーリン、松本城太郎…チャールズ・ターリー、石上龍成…フォジェティ、三浦莉奈…ナナ/ワニ、持田唯颯…ジョン、岡本拓真…マイケル

ピーターパンは本当の初出が1904年の舞台で、その後にピーターパン名義で小説が出版されてまた舞台化してシリーズ続編が出て…を繰り返したちょっと珍しいパターンの作品です。1953年のディズニー映画ではピーターパンがスパッツのようなピッタリとしたボトムスを履いていますが、あれは初出の舞台へのオマージュだと雑誌で読んだ記憶があります。(私は単に空を飛ぶに当たって空気抵抗少ないほうがいいよね!という理由でスパッツだと理解してたんですが違ったみたいですw)

話の大筋はディズニー映画のピーターパンと同じでした。ウェンディの氏名も同じ。フルネームは原作から変わっていないのかしら。ダーリング夫妻と愛犬ナナがウェンディ、ジョン、マイケルを寝かしつけると、ピーターがやってきます。見知らぬ少年が窓から覗き込んでいるのをダーリング婦人は気づいていて、ピーターパンの影を引っぺがして抽斗に隠してしまいます(ディズニーだと婦人じゃなくてナナだったような…?)。

ナナは良い役していましたねw登場するだけで笑いが起こる3枚目なポジションでしたが、会場をなごませてくれました。時おり、飛行装置とりつけのために時間稼ぎが必要なつなぎの場面があり、ピーターパンならではだなと。命にもかかわる重要な作業で手間も時間もかかりますが、横着せずにたくさん飛行してくれたのが嬉しかったです。空中で自在に動き回るのを見ると本当にこの人はピーターパンなんだなって思いました。

この主演の吉柳咲良さん、14歳なんですって。信じられますか?私は信じられませんでした。パンフレットの鼎談を読んだ今でも信じられないです。お腹からの発声がよくわかる太い声で、彼女自身の若さも相まってとても初々しいピーターパンでした。初々しいといっても演技は若さから想像できなかったほどしっかりしていました。堂々としていて、舞台向けのお化粧をすると本当に少年のよう。かっこよくも子どもっぽい愛くるしさがありました。

歌って踊れるフック船長はまさかのISSA。河西さん増田さんの舞台を追っていて、彼にお目にかかるのはこれで何度目だろうか?() ウィズの時もそうでしたがISSAの顔立ち、立ち振る舞いってファンタジーの登場人物にぴったりですね。悪役ですけど、ちくたくワニを怖がっておどけて見せたりするところはコミカルだけど、悪事を働くところのダークさには深みがあって、いい味を出していました。

先にも出しましたが、印象的だったのはライザ。途中、ネバーランドロストボーイズに鳥と勘違いしてウェンディが矢で射落とされてしまいます。ロストボーイズ達はミッションを遂げてピーターに褒めてもらえると大喜び。でも、ウェンディは死んじゃったんじゃないの?そんな不安を鑑賞者はぬぐうことができません。この後、ピーターがあげた"キス"(お守り)を首から下げていたところに矢が刺さっていたおかげでウェンディが無事だったとわかるまで、ライザはずっと不安そうな顔をしていました。他の場面でも、楽しい場面では笑って手を叩いたり、リズムに乗って歌ったり、会場に目配せして話しかけるそぶりをしながら一緒に観劇しています。
観劇経験が少ない子ども、あるいは子どもを連れてきたはいいけど観劇慣れしてない親御さんだとどこを観てどういう感情になって楽しんだら良いのか、わからないんですよね。舞台と客席の仲介役になって寄り添ってくれる存在が必要で、それが久保田さんのライザでした(大きな絵画なんかでも1人だけこっちを観て描かれる人物がいたりする作法があります)。ライザはファミリー舞台ならではの役だなと感じました。

河西さんが演じるのはウェンディ。ディズニー好きを公言していたし、毎年恒例のホリプロのこの舞台を観に行っていたのも知っていたから、出演が決まった時は嬉しかっただろうなぁ。河西さんを思うと、最初は飛ぶのを怖がりそうだなーとか想像してしまいましたが、そこはもちろん、ステージに立てばおとぎの世界に夢を見るひとりの少女。ワクワクしながらピーターパンを見てて、妖精の粉が降りかかるとふわりと宙を舞います。飛んだ瞬間、この日会場に着いた時からこらえていた涙が溢れて止まらなくなりました。正直自分でもどういう感情で泣いているのかまったくわからなかったし、今思い返してもよくわからないんですが…。河西さんの立場にしてもウェンディの立場にしても、夢って想い続けると叶うんだなというのを観客の子ども達に交じってうるうると感じてしまいました。次の舞台にセーラームーン、それも月野うさぎ役なのが決まっていたこともあるかもしれません。本当にこの御方は、どこまでいっちゃうんだろう。

教養のあるお姉さんのウェンディはピーターパンの影を縫い付けてあげ、みんなに食事を作ってあげ、シンデレラをはじめたくさんのおとぎ話を聞かせてあげます。「ママ」と呼ばれているように、ネバーランドに住む彼らにとってはママに変わる存在になります。
そういえばこの舞台には「人魚の入り江」や人魚たちは出てきませんでしたね。ディズニー映画だと、ピーターパンに惚れてる人魚たちと女のドロドロした争いになったりして正直面倒()なんですが、タイガーリリーはその類とはちょっと違うし、この舞台では唯一ティンクがその位置にあったと思います。ティンクはプロジェクションマッピング上のシルエットや、光の色だけで描かれていて人の言葉をしゃべらない特別な存在で、パンフレットで河西さんも触れているように「ピーターパンとウェンディ」の物語になっていて、よかったですね。
ピーターパンは孤高の少年という感じ。永遠に子どもで居たいのであればパートナーを見つけるのも絶対必要ではないし、そうすると台本で恋愛模様を描くのも二の次になりそうですね。「大人/子ども」の間で揺れるみんなの姿が描かれていました。特にお年頃のウェンディ。ピーターパンという永遠の存在に憧れつつも、素敵なママになることを夢に描いている。

ママとして愛され、みんなをまとめていくウェンディ。思ったんですけど、子どもの時ってどうしてあんなに大人になって”ごっこ遊び”するんでしょうね。女子はのりのりでママ役とかお姉さん役とかやりますよね、男子にパパ役押し付けてパパ役は他の男子とわいわいサッカーとか”お仕事”してるんですがwwウェンディが読み聞かせてあげてる本の内容が、自分たちの物語(ピーターパンのあらすじ)になっているのはゾクゾクしましたね。おとぎ話の世界の人になってしまって、もう戻っていかれないような不安。子どものままで居たいと言いつつも、やっぱり日常への後ろめたさはあるんでしょうね。

ジョンとマイケル、迷子達を束ねた大きなままごとは、演技とはいえ次第にピーターを苦しめていくことになる。子どもでありたいピーターがふてくされてぶっきらぼうになる態度は、観ていて面倒くさいなあとかつては感じていましたが、大人になった今きちんと向き合ってみると、「大人になりたくないから子どものままでいるけど、周りの仲良くなった人は皆大人になっていく現実」というのはなかなかに重たかった。迷子たちはピーターを慕っているけど、大人になることについては肯定も抵抗もないから、多くの人に慕われ囲まれていながらピーターパンは孤独なんだなと。子どもの笑い声とともに生まれて、信じる気持ちが消えたら命が尽きてしまう「妖精」。ティンカーベルのような妖精を従えているのがピーターパンだけなのも、この舞台で聞いて納得ができました。舞台の最後、迷子たちはダーリング家の子どもになって大人になっていきます。本当はウェンディは、ピーターパンにもこちらの世界に戻ってきてほしかったでしょうね。

フックが仕掛けた毒薬をピーターが飲んでしまわないように身代わりになって飲んだティンクを生き返らせるためには「妖精はいるって信じること」が必要で、「信じてくれる?」とピーターが問いかけた時、会場から即答で「信じるー!」と子ども達の声が上がりました。何度か問いかけるたびに声が「信じるー!」と声が増えて、最後には同意を求めるピーターに向けて盛大な拍手。なんて素直なんだろう。素直に思ったことを叫べる子ども達にちょっと安心しました。正直「いねぇよw」と押し黙った子もいるのでしょうけどそう思う動機も含めて、どうか無垢のままで。

舞台の最後、ピーターがウェンディに対して「君は大人になりすぎた」と言うのはずいぶんグサリとくる一言でした。部屋にやってきたピーターパンにはしゃいで楽しそうに空を飛んでいる娘のジェーンの下で、切なげな表情を浮かべているウェンディ。どんな気持ちで二人を見ていたんでしょうね。シンプルな答えはない場面だと思いますが、河西さんはどんな気持ちで演じてたんだろう。やっぱり自分が飛べなくなってしまったことが悲しかったのかな。ピーターパンとジェーンはあの頃と変わらず空を飛んで楽しそうにしている一方で、大人になったウェンディのほろ苦い気持ちを強く感じたまま、舞台の幕が降ります。

私自身はまだ大人になりきれていないので、まだ空飛ぼうと思えばちょっとは浮けると信じているんですが←、ピーターパンの舞台に出てくる「大人」「子ども」って言葉は、年齢による区別ではない気がしました。ネバーランドにフック船長や海賊(おっさん)やインディアンがいることも含めて。
この物語ができた時代を考えると、整えられた文明社会で時計が刻む時間を目安にして雇用主のもとで労働し金を稼ぎ生活をしていくという、作者の立場での「現実」とは相反して、私利私欲や自然、自由に従って生きている存在として、世界中をめぐって金銀財宝を奪う海賊や、文明を知らないインディアン(厳密にいえばインディアの地ではないから原住民ということになりますが)がいたのではないでしょうか。親を失い居場所を失くした子どもが群れて生活するというのも当時らしい。当時にありそうな偏見的な言い方をすれば、幼稚とかいうことになってしまうかもしれないけど。
作者にとっての「大人」が文明に溶け込んで社会の歯車になり生活をまわしていく人間で、その反対になれる条件であることが「子ども」としたら、その「子ども」で居られる要素を存分に詰め込んだのがネバーランド。そしてその場所に住み「子どものままでいたい」という強い意志を吹きこんで描かれた少年が、ピーターパンなのかなと思いました。考えてみれば「パン」って神様ですし、フック船長におまえは誰だ!?と聞かれた時ピーターが「若さ、喜び、自由!」と答えたのも、それを象徴していると思いました。


ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」
【終了】2018年7月21日〜8月1日(東京国際フォーラム ホールC)
【終了】8月12日(大阪・梅田芸術劇場メインホール)
8月22日(金沢歌劇座
8月25日〜26日(名古屋・御園座

7月からの東京公演、先週末の大阪公演が終わり、残すところは来週の金沢・名古屋の4日間です。まだチケットの残っている公演もあるようなので、金沢、名古屋に近い方はぜひ!

今年3月にステージに終始出ずっぱりで主演を果たした「サイト」の直後、ドクターストップで声出すこと禁止になるほどの喉の不調と戦った河西さん。そんな中でも次々に発表されていく次の舞台出演。サイトの後は「華」「スペリングビー」(←ブログ今書いてますw´ω`)、現在公演中のピーターパンに、9月にはセーラームーンスーパーライブの舞台も決定しています。昨年はアルバムリリースがあって歌にライブに沸いたけど、今年は恒例のワンマンではなく歌ってくれる食事つきのイベントが多くて、演技に腰を据えている年なのかな?と思います。本当に頑張り屋さんですね…嬉しいですけど、どう考えてもハードなスケジュール。どうか元気に完走してくださいね(/∀\*)私もR-1を飲んで9月に備えていますw

村山チーム4「手をつなぎながら」公演 村山彩希生誕祭【20180625 18:30-】

彩希ちゃんの生誕祭、3年連続当てることができました。今年は幸いなことにAKB48Gセンター試験で人生はじめての98中権利をもっていたのでそれで安心して投げることができましただがしかし。なぜか妙に緊張してしまって呼吸が浅くなり頭真っ白になってきてやばい倒れる今日ダメかもと思ってたらなんとマジの人生初の優勝(´ω`)(´ω`)(´ω`)60番台は来ないって思った勘が的中。はじめての98ではじめての優勝……トラウマしかないwwwww
入場者ノベルティのタオルのフードを被る前から顔面蒼白である意味すでにおばけと化した優気さんは、「この公演は上手やな…!」というただ一つの決心を握りしめて劇場の奥のほうに入っていったところ、心優しい大天使ことCozyさんが声をかけてくださって周辺の方も気を遣ってくださって、立ちのセンブロ上手寄りからステージを観ることができました。人の肩越しですがステージ中央がよく見えました。本当によくしてくださって感謝しかありませんm(__)m本当にありがとうございました

「手をつなぎながら」公演は見逃した君たちへでチームSの披露を観たことがありましたが、AKB48劇場では初めてでした。手つなの楽曲ってどれもそのテーマのキーワードが見事に文法にはめ込まれてて、結果として世界観が偏りまくってるところが最高。峯岸4の手つなを見逃したとは本当に本当に後から首を絞められるくらいの後悔がありましたが、今こうして彩希ちゃんがキャプテンになったチーム4で観ることができてとても嬉しいし、ヲタク続けてるといろんな巡り合わせがあるなぁとしみじみ感じます。

浅井七海・大西桃香大森美優岡田奈々川本紗矢行天優莉奈佐藤妃星佐藤七海高橋彩音・達家真姫宝・田屋美咲・永野芹佳濱咲友菜村山彩希・山内瑞葵・吉橋柚花

僕らの風、大好きなんです…。1曲目からこんなに幸せでいいのでしょうか。ありふれた感想しかないんですが、彩希ちゃん本当に楽しそうなんです。タンバリンを大きく振って思いっきり踊って歌ってる、歌詞も良い。メンバーみんなが笑顔で、ポジションが結構あっちいったりこっちいったりするから1曲目からたくさんのメンバーが見えました。見たことのないメンバーがすぐに、ドラフト三期生の柚花ちゃんだとわかったのだけど、いきなりなんだあのオーラというかなんというかすごく落ち着いてて、表情もダンスも歌もとても今日が初日とは思えないくらいのパフォーマンスでした。

マンゴーNo.2のイントロ、ステージにひとり残ったのは彩希ちゃん。あーかわいい。マンボで非常にリズムカルなのがBメロ、サビと曲調が変わっていって、サビの背伸びしてよちよちした大人っぽさがすごく好きです。歌詞の心情がかわいいし、それに反して腰をくねらせる振付けは甘い。彩希ちゃんはこういう表現うまいですね。衣装のペチコートがふわふわ揺れて、かわいい曲調の中でとてもセクシーなアクセントになっていました。
間奏でステージ中央の彩希ちゃんへ全力のケチャを捧げる岡田奈々さんが最高でした。アウトロで中央で背中合わせ(おしり合わせ?w)になるのは彩希ちゃんと瑞葵ちゃんで、今日はおしり動かして彩希ちゃんにちょっかいを出してて彩希ちゃんもあ!?ってなってたのが可愛かったですというか、Uh!の瞬間は眼球が4つ欲しいくらい彩希ちゃんも瑞葵ちゃんもかわいいつらい。その直前でおなかのあたり触りに絡んでくる岡田奈々さんも大好きです。

手をつなぎながらのひたすらに元気なところ。一緒に振りコピしてて本当に楽しかった。柚花ちゃんとペアになるところは目を合わせてサポートするような眼差しを送ってました。下手の袖で手を繋いだままくるくる回ってどんどん手がねじれていく二人がなんか何やってるの?wって感じで可愛かったですw あと、瑞葵ちゃんってとても人見知りだけど、ステージにいるとペアになるメンバー(彩希ちゃんなぁちゃん真姫ちゃん)あたりとバッチリ目を見て絡めるんですよね…ステージの人なんだなぁ。しかしセンブロ中央上手のあんな場所からでも上下の袖がよく見えて、本当にこの劇場の作りはよくわからないというか、いつどこから見ても発見がありますね。

チャイムはLOVE SONGはすごい勢いがあって、ダンスもどこも細かく鋭いし、頭を振り乱してみんなすごい運動量だろうなぁ…と圧倒されてしまったwサビでちょうど目の前にきたなぁちゃん、小さいんだけどそこにすべてが詰まってる。視線の鋭さも相まって圧倒的な存在感。目を引くし、メンバーの中になぁちゃんがいると引き締まりますね。

自己紹介MCお題は「最近真っ赤なりんごになったエピソード」。瑞葵ちゃんの「今日もみんなでー?」のたどたどしさがちょっと抜けてたことに時間の経過を感じました。岡田奈々さんは総選挙前夜にホテルでチーム4が集まって彩希ちゃんのお誕生日をお祝いした時に「あーん」でケーキを食べさせてくれなかったエピソード。
さきに書いちゃうけど、後半MCでも大西と濱ちゃんから盛大ないじりにあっていて、そこにみゆぽんの「握手会控室でゆうなぁ香水かけてて海辺のカップルか」エピソードまで取り上げられてましたが、本当におまえら…wwただ大西濱のトーク上手がいると着地点が「ゆうなぁラブラブですね付き合ってるんだろはよ結婚しろ」ではなく「村山さんどMなんですね」になるところが新鮮でした。MCで彩希ちゃんの話をする時は「NG無しなんで!」だそうなので、MCをおもしろく盛り上げていきたいという彩希ちゃんの想いが見えました。

ユニット曲一発目のGlory days、大好きなんです…ずっと観たかったんです…ああああああ!!!ずっきーかわいい!!瑞葵ちゃん!好きよ瑞葵ちゃん!ってなってたら、サビで登場するバックダンサーが今日は6人!よくみたらさっきまでステージにいたメンバーが揃っていて、その中に彩希ちゃん!本当におばけだなあ。

イエローの3人に花を添えつつも、振りの一つ一つが丁寧でしなやかで、体の軸がしっかりしているしとても完結したBDでした。やっぱり基礎がしっかり安定しているよなぁ…。2番Aメロでは、ポーズを決めて静止しながら芹佳ちゃんと視線を合わせてヘン顔して楽しそうでした。そして彩希ちゃんも一緒に「ああああずっきーかわいい!」言ってて笑いましたw本当に劇場公演のすべてが好きな子なんだなと。歌詞が本当に、あなたにぴったりです。
瑞葵ちゃんは本当に綺麗に踊る子で、立っているだけでものすごい決まるんですよね。笑顔も咲いていて、歌詞のとおりジタバタしててすてきなメッセージを感じました。きぃちゃんはBINGOで頭角を現してから本当に自信をつけてきましたね。パフォーマンスが今まで悪かったわけではないんだけど、アンナさん公演でさらに洗練されて+自信ですごく輝いていた。はまちゃんはMC見ててもちょこまかした感じあったけどその通り軽快なダンスがよかったです。

岡田大森の二人に大西桃香さんを加えたこの胸のバーコード。なぁちゃんとみゆぽんはConfession(カフェオレ)でもコーヒーとミルクの関係だったし声がマッチするのかな?三人の貫禄がすごかったですね。サビの大西さんのステップの腰つきと払う手のしなやかさがすごい理想的で綺麗で、まじまじ見てしまいました。やっぱり写真集撮影でセブ島帰りとわかるくらいには灼けていらっしゃいましたww落ちサビで正面を向いて無表情に歌う3人に、やなぎみわ作品っぽさを覚えました。そしてその岡田奈々さんが本当に美しかった。あの瞳の切なさ、曲世界に没頭して見えました。独特の雰囲気と偏りすぎる世界観が大好きなナンバーですが、やられました。

ウィンブルドンへ連れて行って、センターピンクの坂口渚沙ちゃんのポジションに入ったのは、ドラフト三期生で本日初公演の吉橋柚花ちゃん。目が大きくて笑顔の作り方とかパフォーマンスも、本当に初出演と思えないくらい堂々としていて、それを左右の真姫ちゃんなーみんが支えていました。真姫ちゃんを観るのは彼女がJSだった時以来なのですが本当に綺麗になったな…。なーみんがウィンブルドンはイメージじゃなかったから以外だったけど背の高さだけじゃなく存在感のあるパフォーマンスでした。

雨のピアニスト。アンナ公演のGreen Flashで失恋ソングを仕上げてきている村山さん、もう全力で身を切る切なさしかないことはわかっていたし、メンタル絶対えぐられるから、雨ピも観るのが楽しみだったような怖かったような…。
オープニングからすごく寂しそうで瞳が弱弱しいのに、間奏でマイクスタンドを掴んで立ち上がる振りを半端なくセクシーに決めてくるあたりから、一周まわって妖艶のスイッチが入ってくる。恋焦がれた気持ちに憑りつかれて不敵な笑みを讃えているんですね。彩希ちゃんからは脆い部分と強がる部分、失恋の二面性みたいな表現が見えました。サビで鍵盤をたたく指の1本1本の繊細さ、落ちサビ前の振り乱れるところは気品があって、彩希ちゃんのピアニストはとても美しかったです。特にオリメンの呪縛が強い楽曲だと思うのですが、彩希ちゃんの表現で魅せてくれていました。左右のななみんと行天も綺麗にしなやかに彩っていました。いろんな人に観てほしい雨ピでした。

チョコの行方彩音ちゃんが小さくてかわいいし愛嬌がある。落ち着きもあって、あおきー公演で小栗アンダーしてるだけある。芹佳ちゃんは白い。衣装も白いからもっと白い。二人ともほんわかしたイメージがあったけどダンスは印象よりハキハキしてるんですね。この曲のメインポジのさややも然り。真ん中にこの方がいると締まりますね。田屋ちゃんのダンスも元気があっていいんですよね。ただ、集めた箱をさややに持っていくところはもっと丁寧に積んであげないと、4箱抱えて歌うさややの姿勢がちょっとしんどそうwwwと思ったw 衣装もエナメル?か何かツヤのある素材の真っ白な衣装でかわいかった。

彩希ちゃんのいるInnocence。「このままでいてよ…」の恍惚とした目は観ているこっちの背徳感がすごい。頭くらくらした。そんな無防備な表情、ステージで見せちゃっていいのね?って思うくらい…。この手つなではマイクを持って歌えないメンバーは田屋ちゃんだけで全体的に平均年齢は高いほうかもしれないけど、それでも経験がまだ未熟な子もいるから、彩希ちゃんやなぁちゃんの成熟した表現は周りのメンバーをしっかりと支えていました。峯岸4の手つなから4年半、少女が大人になる年数。ついこないだだと思ってたんだけどなぁ(´ω`)

ロマンスロケットって何度聞いても異色というか不思議な曲。よくわからないけど、瑞葵ちゃん背伸びた…?w長い四肢ではっきりパフォーマンスするから元々すごいんだけど存在感が増して大きく見えた。ユニットからシリアスな曲が続いたから、恋の傾向と対策も笑顔を見られてほっとできる瞬間。もう最高。楽しい。イントロで円の中心で腕をぐるぐるしている彩希ちゃんがすごく好き。
ふと、手つなはみんなで同じ振付をするユニゾンな曲が多いなと感じて、これもキレキレで揃えてくるダンスをするSKB48ならではなのかなと思った。昨年レッツゴーをプロデュースし始めた頃、握手会で公演の話をしていて唐突に「4のセトリ変えたい!制服の芽やりたい!手つなでも良い!」とキラキラとした目で言われて、本当にダンスとか身体を動かして表現することが好きな子なんだなと思いました。どの公演も大切だけどS2nd、S3rdは特に演じるメンバーを選ぶ演目だと思うから、彩希ちゃんの大切なチームでまた「手つな」ができてよかったね(´ω`)

大好きは本当に幸せそうな微笑みで客席に手を指しのべ、メンバーに目くばせしていました。今までが劣っていたわけではなく、表情に深みが出たなぁと思うのはやはりあの牧野アンナ公演の功績なのでしょうか。先生から「表情のレパートリーを増やせ」と下口ひなな氏をお手本に注意を受けたらしい。他の曲のようなダンスがない分、表情で表現していたように思います。観ているこちらまで笑顔になれてしまいました。

ロープの友情。熱いチーム曲。「手をつなぎながら」が表題曲になってるセットリストでかっこよく決めてくるナンバーとしてコンセプトにぴったり。サビでペアになってロープを掴むところは腕がガクンと揺れるほど体重を預けているメンバーもいて、まだ出来立てのチームだけど無意識の信頼ができてるからもっとよくなるだろうなと感じました。この制服衣装、色味は地味だけどキラキラしててかっこいいな。

火曜日の夜、水曜日の朝いいよね!ダンスをはっきりさせればさせるほど、不安定でばらばらになってしまいそうなくらい孤独な心理が伝わってくる。握りしめたマイクを前に突き出す時に、一緒に心臓がえぐり取られてしまいそうなほど。初めてTDCで観た時に一番衝撃を受けたのはこの曲だったかもしれない(Innocenceはあっけにとられてそんなこと思えなかった)。こんな曲もセットリストの中で披露できてしまう48は本当におもしろい。

遠くにいても。最後彩希ちゃん涙ぐんで見えた。ひとりひとりが立ってて、上手で彩希ちゃんを眺めている私は高島の卒業公演の記憶がものすごく強くて、しっとりしたメッセージソングなのに切なさを感じてしまう。どんなことを想って歌ってるんだろうなぁ…思い出ってなかなか振り払えるものではないし、曲をトリガーに思い出すこともたくさんあるし。今彩希ちゃんが指さして見上げている空は、まちがいなく峯岸チーム4の時に彼女が見上げた空と繋がっているし、これから作っていく村山チーム4の未来とも繋がっているはず。そこには過去を共にしたメンバーもいるし、今を一緒に歩いているメンバー達もいて、こういう積み重ねがAKB48の醍醐味だなと思いました。

そして村山チーム4、二度目の劇場公演。ついに猫アレルギーを初披露イエイ!!Teacher TeacherのC/Wの村山チーム4のオリジナル楽曲でございます。しかもフルサイズイエイ!!!Aメロがソロパート4人でまわっていくというちょっと珍しいチーム曲かもしれない。サビのダンスが元気いっぱいで、彩希ちゃんもポジションが目の前で見えたなぁちゃんも、「アピールして」の手つき腰つきとか、「口走った」でちょっとキメてくる表情とかよかったなぁ。ハーフツインの瑞葵ちゃんのニャンニャンした感じもすごくかわいかったし普通に飼いたかった(?)。



生誕祭

なぁちゃん代読のお手紙は、みぃちゃんから。「彩希へ 今のAKBは楽しいですか?」という素敵な書き出しに始まりあたたかいメッセージがたくさん。「彩希はそのままでいいんだよ」「彩希が楽しいと思えるAKB48でありますように」…まさに私もそう願ってます。気持ちを代弁してくれたようで、とても良いお手紙でした。

彩希ちゃんはかなり頭が真っ白になっていたようで、仕切りのなぁちゃんに通訳してもらいながらいろいろと話してくれました。言葉に詰まると落ち着かせるように背中や頭に触れてあげるなぁちゃん、良い仲間だなと思いました。

20歳は濃い1年で良い報告もたくさんできたと思うけど、振り返るとは印象深かったのはやっぱり劇場公演だったと前置きして、2つ。レッツゴー研究生のプロデュースをしたことで、当たり前のことだけど初日を開けるまでに裏でたくさんの人が動いてくださってることに気づけたことと、アンナさん公演で今まで有難い環境に甘えていたことに気づいた。気持ちやパフォーマンスの面でいろんなことを教えてもらった。そこで「変わろう」と思えるきっかけをもらったこと。だから生誕祭のスピーチもメモを持ってこずに話そうと挑戦できたとのことを話してくれました。
21歳の抱負としてはやっぱりチーム4のこと。私にとって大切なチーム。4にはまだ見つかってない子がたくさんいるから、今はSNSという便利な機能があるから、かわいい子がいたらオンデマンドのスクリーンショットとかを載せたりして拡散してほしい。キャプテンらしくというと違うけど積極的にいけたらいいなと思いますと話しました。終演前にはハッシュタグでファンから公演の感想や提案を募るハッシュタグを作りたいという話もしていて、現状をごちゃまぜにして積極的に前進していく姿勢が見えました。頼もしい^^頭真っ白になっちゃったことを「グダグダになってすみません」と頭を下げていたけど、いつだって新しいことに挑戦できる場所なのがAKB、劇場。だからどんどんいろんなことにチャレンジしてほしいなと思いました。

ファンへのメッセージは、「わがままで自分勝手なやつを応援してくださってありがとうございます。皆さんがいてくれれば私は自信をもってパフォーマンスすることができるのでこれからも傍にいてください」。あんなに輝いてるのに、もっと自信もってーー!!彩希ちゃん!!!!


この1年間でいろんなことがひっくり返るくらい、彩希ちゃんを取り巻く環境も待遇も変わった。それでも慢心しない、ひたむきで低姿勢なところがまた、メンバーやスタッフ、ファンから愛される理由なんだなと思いました。シングル選抜に選ばれて、外仕事が格段に増えた。劇場公演もチームやチームごとのアンダーで担うことが多くなってきて穴があれば必ず出られるという状況じゃなくなってきてる。
いつもいつも本当に頑張ってくれてる彩希ちゃん。去年はメンバーの卒業が相次いでナーバスになりがちだったのが気になったし、田野ちゃんとの雑誌のインタビューで「劇場公演がなくなったら私も一緒に消えてしまってもいい」と話していたのを読んだ時はとんでもない刹那を感じたけれど、この1年で「劇場公演に立つ」こと以外にもいろんな経験をしたことで世界観が広がったんじゃないかなと、遠巻きに見ていて感じます。公演のプロデュースから選抜仕事まで。周りが彩希ちゃんの活動のスタイルを認めたことで、あの「選挙出ません!劇場公演に出る!」と頑なにだった頃の意地はほぐれたのかなと思う。それでもまっすぐ頑固だけどね、もちろんそんなところが好き。はあ、本当に大人になったな…。
そのかわり、今日の公演も瞼が腫れぼっくて涙をこらえる場面をたくさん見たし、「キャプテン」とか「シアターの女神」とかいう言葉の重圧はもっと重たくのしかかってくる。自分で決めて掲げた目標を大勢が見ているってかなりプレッシャーだと思う。どんなに忙しくても手を抜けなくて(というか抜かない)無理をしてしまうことももっと増えると思う。だけどパフォーマンスや公演に向ける熱量は誰にも負けないから、彩希ちゃんがやりたいと思うことはこれからも自信をもって続けてほしい。彩希ちゃんの正直な言葉はまちがいなく力を持っているからきっとうまくいくよ。そう信じています。


そういえば、自信がなかった時にエゴサしたという話について。それってなかなか危険行為だと思うのだけど、それでも「思ったより良いことがたくさん書いてあった!」と喜べるのは彩希ちゃんの日頃の頑張り、人柄をみんなが認めてることの証だし、素直にすごいなと思いました。先ほどのTwitterの投稿で、感想を募るハッシュタグが #村山4へ に決まったみたいです。盛り上げていきたいですね^^

彩希ちゃんがもっと自信を持てるように、そのお手伝いができるように、ふとした時に私もそうしたヲタクで居られるように、私はやっぱりこれからも彩希ちゃんのことを書いていきたいと思いました。今年もきっと素敵な年になるはずだから、彩希ちゃんを応援させてね!!あらためてお誕生日おめでとう。
生誕委員の皆さんも素敵なノベルティ、演出をありがとうございました(´ω`)大変お世話になりました。21歳の1年も彩希ちゃんらしい綺麗な色に染まりますように!

AKB48単独コンサート「ジャーバージャって何?」【20180401 昼公演12:00-/夜公演18:30-@さいたまスーパーアリーナ】

AKBの単独コンサートを昼夜当てて、行ってきました。SSAに行くのは2015年、個別握手(AKB衣装展という神イベやってた時)とヤングコンサート以来でした。ちょうどもう3年前なんですね。
感想を書きますが、セットリストが同じ部分もありますので、昼夜あわせてオープニングから併記する流れで生きていたと思います。

昼公演は、単独発表時の細井支配人Twitter炎上の下りのVTRからスタート。どうしたらファンの気持ちをわかってあげられるんだ!?と苦心する細井さん渾身のVTRを背景にoverture。滝打たれに行ったんですね…。このいきなり癖が強すぎるオープニング1曲目に何がくるんだろうと構えていると、兼任メンバーの炎上路線。兼任メンにもこの炎上が伝わってしまったことはとても心苦しいのだが、すまん、素直に笑ってしまった…。こういう皮肉をも逆手にとってくるのが48らしいと思ったんだ。
炎上路線が終わると、モニターには「兼任メンバーもAKBの大切なメンバーです」と出てきてoverture再び。フライングゲット希望的リフレインは中央ステージから後方ステージに続く花道での披露。某国がマジでミサイル発射してくる情勢を鑑みて披露が自粛されつつあったハイテンション聴けたのが嬉しかった。やっぱりのれるしテンションが上がる。昼はちょうど彩希ちゃんがサビのところで花道の目の前に来てくれて、柔軟性抜群の心地よいダンスを魅せてくれました最高。夜公演は1曲目がジャーバージャからスタートになっていて、フラゲ、希望的、ハイテンションの流れは同じ。何の曲か忘れてしまったんですが夜は目の前の花道に16期ちゃんがいて、楽しそうに踊ってるなーと眺めていた子が浅井七海ちゃんでした。一生懸命ですね。

続いて現行チームごとのフェーズ。
昼公演では、Aのonly today、K転がる石になれ、B呼び捨てファンタジー……お判りいただけるだろうか。思い出 of 横A、2期K、柏木B……優気さんはここで燃え尽きてしまった(早い)。どれも公演やライブでアツく振りコピしてきたものばかり。いや最高の選曲だ。燃え尽きた後のチーム4LOVE修行はポカンとしたまま観ていた。彩希ちゃんが楽しそうにメンバーと絡んでいるので微笑ましかった。次は8か?と思ったら16期研究生の家出の夜でバイクが走ってきた。なんてこった。休ませるつもりないな今日。研究生は劇場公演ではまだ壁写と同じ髪型しかできないから、ハーフツイン?で髪を下ろしていた瑞葵ちゃんが家出の夜を踊っているのは印象がだいぶ違って新鮮だった。広いステージで恐縮したのかちょっと抑え気味だったかな?8の夢へのルートもあおきー公演でなじみがあったので上がる。良い歌詞。からの47の素敵な街へガチ恋工場…いや口上。なんて飛ばしてくるんだ…しかも1曲1曲のセレクトが良い。楽しい。
夜公演の現行チームの披露はまた別の楽曲。チームAはM.Tに捧ぐ公演からラベンダーフィールド。MTを大箱披露する時のピックアップの定番になりましたね。チームK回遊魚のキャパシティ、後方ステージで踊る中に見つけた篠崎彩奈ちゃんのダンスが本当にかっこよかった…普段のぐへぐへキャラ(?)とのギャップというか、最近は専らSHOWROOMや握手会でお目にかかるだけであやなんの出てる劇場公演はオンデマンドでしか観てなかったから、あやなんのダンスがこんなにも研ぎ澄まされていることを知らなかった…。これは劇場で観たい。K。チームBはオネストマン。優気さんここでまた果てる。次はチーム4は考える人。中央ステージでサビを踊る彩希ちゃんを真後ろから眺めるという新しすぎる経験()。16期はメインステージで抱きつこうか?。なーみんがいつも以上に瑞葵ちゃんにハグして頬っぺくっつけていたように見えましたかわいい。8は生きることに熱狂を!。スポーティーな曲が、元気があって似合いますね。

現行チームのあとは、いよいよ新チームごとの披露。ここのフェーズは昼夜同じでした。
岡部チームAは、麟ちゃんが音響に合わせたパントマイムでレコードをセッティングすると、16人選抜のAメンバーでだらしない愛し方がスタート。真っ赤なドレス衣装だったんですが、あやなんは赤のドレスが本当に似合う…曲も曲でマッチしている。いいものを観た。からの重力シンパシーは高低差若干あるけど懐かしかった。すっかりAの曲になりましたね。込山チームKは大小さまざまなモニターで歴代Kを回顧した後ステージに16人を従えて立つキャプテンからの「熱い思いを持った先輩方が作ってきた歴史があります。込山チームKもそれに則り絆のあるチームに…」という感動的な話を経て、「それでは聞いてください」と始まったのはGAGAGA。こみちゃんすまん、笑ってしまった。最高だよ…。こみちゃんは河西さんリスペクターなので含みのある動きができるし、こじまこはやっぱりここで目を引く。オーラかな、何かあるなあの子。身体の動きがすごく滑らかで目を引いてしまう。K2曲目には大箱で披露されがちな気がする彼女になれますか?はこみK全員での披露。黙ってパフォ魅せる曲と盛り上げる曲ですみ分けているような印象。高橋Bもモニター映像と寸劇でチームBの歴史を振り返った後、春の光 近づいた夏*1シアターの女神。柏木さんが歌いだしのシアターの女神を相当久しぶりに聴いた。やはりこの曲のオープニングはあなたが似合うなぁ。

さてさて、村山チーム4の登場ですよ。学校の放課後でしょうか、チャイムが鳴り響くなかでメンバー達がおしゃべりしたりじゃれたりして思い思いの時間を過ごしている。壇上の村山キャプテンにスポットが当たるとみんな静止。観客の注目を集める彩希ちゃんが指をパチンと鳴らすと、再びみんな動き出して目を開けたままのファーストキスがスタート。いやーかっこよかった。場の収め方が彩希ちゃんだった。4の選抜16人のセンターはなんと山内瑞葵ちゃん!!その両脇を固めるのがエース岡田奈々、キャプテン村山彩希。まじかよ……いよいよ脚光を浴びはじめたゆうなぁのどちらかが0ポジションに立つものだと思い込んでいたから度肝を抜かれた。チーム4は未来しか見てないな、最高だ。熱いオピニオンを感じました。からの4全員登場のハートの脱出ゲーム。彩希ちゃん中央ステージだと上手手前の角にくることが多くて、この時も前からよく見えました。全ツを思い出した、この曲盛り上がったもん。目の前のメンバーもみんな楽しそう。

(昼公演・現行)はLOVE修行で研究生時代、(昼公演・新体制)は目を開けたままのファーストキス&ハートの脱出ゲームで峯岸チーム4、(夜公演・現行)には高橋朱里チーム4を盛り込んでくる。彩希ちゃんがどこまで考案に携わったかわからないけど、4の経緯を重んじるところが健気な4らしい。末っ子チームと思っていたけど、振り返ればもう初期発足は7年前、峯岸チーム4結成から数えても5年。歴史を重ねていますね。チーム4をとても大切にしているなと感じる流れでした。村山チーム4、最高のチームにしてくれ。


次からは生バンドのフェース。いわゆるユニット曲、全員でのシングルを計10曲ほど披露。
昼公演の予想外のストーリーになんと彩希ちゃんが選抜されるなど!ヴォーカル選抜…感慨深い。誰ポジだろう。センターよりの位置に立ってて比較的早くソロパートがきたから、さや姉のところかな?白い帽子をかぶってたから衣装はちゅりと思われる。オリジナルではなく今回選抜された子にはほかに、B後藤萌咲ちゃんと8の小田えりなちゃん。もえきゅんはあんなに細身で若いのにすごいしっかりした声で歌えて、公演ではいつも聞きほれてしまいます。
MCでチーム対抗ピンポン玉リレーの名司会を務めてくれた兼任メンバーによるMARIA、よくやってくれた。センター矢吹(衣装は河西)、北川(増田衣装)と渋谷(梅田衣装)の3人。なぎちゃんが梅ちゃんの衣装をまとっていたのが大変感慨深かった。みんな綺麗でとても似合っていた。ピンポン玉リレーも仕切って盛り上げてくれた。なぎちゃんのトークはやっぱり面白いし、空気が良くなるね。She's goneはM.Tオリメンの白間、入山、谷口、佐々木で。宮脇の夢でkiss me!が続くものだと思ったらやらなかった。他のユニットに出ているし、兼任生が出るのかと炎上した件で遠慮したのかもしれない。
この生バンドフェース、夜公演も実力派のオンステージが最高だった。クサイモノだらけはだらしない愛し方にも通じるゆるくも毒気の強いナンバーで、柏木横山峯岸の3人がとてもマッチしていた。ANNで一度聞いたことがあったけど、モニターの歌詞を追いながらあらためて聴くと「冷蔵庫に入れてたラムレーズンがないわ」「ラムレーズンひとつでガタガタ言うなよってデリカシーのないあんたなんか死んでしまいなさい」と毒っけたっぷりで大好きになりました。涙の表面張力はなぁちゃんの歌い出しの音圧がすさまじくてAKBのライブってこと忘れるくらい空気が変わった。こじまこのナチュラルな歌声も大好きだから、4人ユニットでじっくり聞けるのは嬉しい。朱里、美音もがんばっているんだけどなぁまこの14期2人は本当にオーラがある。劇場を飛び出して外仕事で拡張したオーラが凄まじいことになっていて存在感がとにかくでかい。これからが楽しみだ。

本編ラストは昼夜一緒。法定速度と優越感は、Positionを披露した若手選抜で始まり、最後には出演メンバー全員での歌唱。ステージ下手に現れた彩希ちゃんはものすごく楽しそうに、たまにふざけた笑みを浮かべて楽しそうに踊っていました。ライブが好きなんだなぁ。今も20歳で十分若いんだけど、楽しそうに踊っていると研究生のころと同じくらい若々しく見える。#好きなんだは彩希ちゃんと太田奈緒ちゃんだと思うのですが、チューするふりするごっこやってて、今日の彩希ちゃんサービスいいなって思いながら、歌詞に合わせてまぶしそうに天を見上げている2人を微笑ましく眺めていました()本編ラストの靴紐の結び方、彩希ちゃんはセンターにいるなぁちゃんのほぼほぼ真後ろ、こじまことシンメの良ポジに入っていました。

さて、アンコール。昼公演は前しか向かねえの歌い出しのなぁちゃんがものすごくしっくりきて、今のAKBを強く感じました。ギンガムチェックを聴けたのも嬉しかった。
夜公演ではアンコールが明けるとゆいゆいが一人ステージに出てきてMCで曲ふり、単語をくり返し忘れてタイトルを間違うアクシデントがありましたがw、この曲のために来ていたAKB以外の選抜メンバーも登場して、AKB48の52ndシングル「Teacher Teacher」を初披露。どおりで本編終わりで彩希ちゃんが妙に駆け足ではけていったわけだ、すごい急いでたからw感想はあらかたツイッターに吐いてしまったのですが、まあとにかく衣装とダンスがエロかった…。1番ではサビ以外は捌けてしまうメンバーが半数くらいいるんですが、そのメンバーたちの見せ場が2番Aメロに設置されているようで、彩希ちゃんもその1人だったのですが、まあエロい。なにあれ。K POPらしい曲風ということもあるのか、タイトなスカートでひたすら脚が強調されてる衣装。下手側の天空にいた私には、推しのスカートの中身しか見えなくてもう何が起こっているのか理解できないまま双眼鏡をのぞき込んでポカンとしていたよ。2番Aメロなら絶対にテレビ披露ない部分とわかっててあんな過激なものにしたんだよね?劇場公演で表現を極めつくした彩希ちゃんが本気でかかってくるから、もうパワーが凄まじいことになっていた。エロスと色気と体の美しさと、魅せ方をよくわかってる。あーすごい。劇場公演でステージパフォーマンスと向き合い続けるとこんなにも崇高なパフォーマーになれるんだ。

夜のあんにん壮行会ではゆいはんからお手紙が読まれたのですが、エイプリルフールだからという理由で「大嫌いですもう日本に帰ってこないでください」とわかりにくいトーンで読むww横山wwwあんにんを送り出すナンバーはここがロドスだ、ここで跳べ!。ゆいなんの曲だーと思っていたのもつかの間、さっきのTeacher Teacherの衝撃が離れません。だって衣装はTTのままなのに、彩希ちゃんはロドスの無邪気な笑顔だから…。51stでは回避できたけどそろそろ「片想いfinally」のようなMVが企画されてゆうなぁがキスなり(検閲)なりするのかしらと考えていたら、明るいロドスのはずなのに涙が出てきました…なぜ今…。最後は全員のジャーバージャで締め。夜公演はオープニングに続き2回目の披露だったけど、同じ曲やった感があまりなくてちょっと不思議だった。推しが出てるシングルだと愛着が湧くものなのかな。岡田奈々さんが再三言っていたように、この単独コンサートを通じて「ジャーバージャって何?」に明確な解が出たわけではありませんでしたが、久しぶりのAKB単独コン、とても楽しめました。

本音

ブログなのであえて辛い感想も書くけど、昼公演のPositionと野蛮な求愛はひどかった。激しくかっこいいダンスが魅力のナンバーで、悪くない部分もあったんだけど、とにかく歌があまりにもひどいのでダンスの良さが入ってこない。あれはメンバーが不憫だったし、生バンドも辛かったのではないかと。野蛮な求愛なんてセンターステージで正面向きonlyでの披露だから、真横のスタンド席からだとメンツに誰がいるのかもモニター見ないとよくわからず、歌は声が全然張れていないから今にも止まってしまいそうだった。ダンスだけを見ていれば中野いくみんがすごくかっこよかったし、黒髪ボブヘアでダンスのキレる子(矢作っぽかった)がいて気になったのは確かだけど、それを詮索する余裕ももらえないほど歌がひどかった。
若手メンバー披露のPositionは昼夜ともに披露だったが、夜公演はまだ観られるものになっていた。昼夜公演合間で反省なり調整なりを設けてくれたのかなと思う。AKBのファンしかいないコンサートだからまあ良しかもしれないし、こういう経験によってステージに立つことの壁を乗り越えてくれたら嬉しいんだけど、運営側でもうちょっとセトリの組み方を工夫できなかったのかなとも考えてしまう。ガツガツのダンスナンバーを生歌で披露する意味。生バンドを携えてやったほうが盛り上がる曲って他にもあったはずで、それこそブラスバンドがMVに出てくるジャーバージャなんか最適だったと思うんだけど、セトリの位置的に生バンドの帯に持ってくることができなくて冒頭orアンコールという。全体的に選曲がよかっただけに、もったいなかったな。そんなことを想ったりもしたし、ツイッターに吐き出したように思い出主義のヲタクに特化した特典がついてしまっていることが難だったと思う。入場時ランダム配布されるメッセージカードしかり、撮影可能タイムしかり、終演後のメンバーお見送りしかり。もっとライブの中身で勝負ができないものか。とか。

あと生バンドの組み込み方よりも根本的なことを考えると、4月17日に初日を迎えた牧野アンナプロデュース「ヤバいよ!ついてこれんのか!?」公演ではダンスを徹底的に叩き直しているけど、同じような熱量で歌を根本的に見直してもらえないかなと思った。

アンナさん公演自体はアンナさんプロデュースだからダンスパフォーマンスに特化した公演で良いと思うんだけど、それと別に歌唱力を磨いてほしい。これも「歌に特化しろ!」と言いたいわけではない。特化ではなく強化してほしい。
例えばの出来事を挙げるとしたら、DiVA。派生ユニットでヴォーカルは4人と少人数だったけど、シングル3枚を1年間でリリースするレコーディング、ライブ等々の活動の中で、格段に歌の技術が上がった。あれと同じ経験を今のメンバーにもしてほしい。若さとかは関係ない。やったらやっただけ成果が出るから。ある一定の時期まではそれが劇場公演の新しい演目(特にユニット曲)に取組む経験によって担保されて、それまで歌が目立たなかったメンバーでも大体成人を過ぎたころになると「この子の歌良いね」という声が散見されるようになる。でも現在はそれがない。オリジナル曲を貰う機会も披露する機会も格段に減ったから。だから歌唱力を鍛えることに特化した公演を組んでもらうとか、あるいはボイトレを課題としてやらせるとかさせたら、パフォーマンスを支えるメンバーの自信に繋がるんじゃないかな。

……くどくど書きましたけど、今までのAKBだったらそんな議論もできないくらい推されてる超選抜が強すぎた。今だからこんな淡い期待も言葉にして吐き出せるなぁと思います。

彩希ちゃんのこと

あとね、これは全然今までの話と関係のない感想だけど、彩希ちゃんはあっち側にいったんだなって思った。シングル曲をやる時の衣装やポジションが、選抜仕様だったから。単独コンサート表題になってる最新シングルがジャーバージャということもあるのだろうけど、シングル曲でのポジションもよかったしチーム曲以外にもユニット曲をやったりしていた。それはもちろん良いことだし、劇場公演で頑張ってきた彩希ちゃんの努力が認められたということ。

でも私は間違いなくそれについていけてない。アンナ公演の熱量も熱すぎると感じるくらいだし、ヤバすぎてついていけてない。
私には今まで何人かの推しメンがいて、それを経て今彩希ちゃんを推しているんだけど、今までの推しってみんなこんなにフィーチャーされたことがなくて、実力はあるのにAKBでは実を結ばないタイプの人々(河西、増田、小林)だったから、選抜というヲタク的未知の領域に羽ばたいていく彩希ちゃんをどう応援したらいいのか、よくわからなくなっちゃってるみたいなところがある。
彩希ちゃんは相変わらずの情熱で劇場公演を愛しているから、オンデマンドや劇場に行けばいいんだけどね。テレビのタイマー録画とか雑誌掲載とか今までこんなにチェックすることなかったし、CMとか何かAKBを代表して出るようなPRのお仕事とかの動画を見るとなおさら、彩希ちゃんはどこまで行くんだろうなと思う。彩希ちゃんはテレビに出ている自分を見ると不思議な気分になって消しちゃうってよく言うけど、私も私で不思議な感じがしてる。元気をもらってることに変わりはないから、明日からも応援するけどね。

何年も前に似たようなことブログに書いたなーと思い出した。「【アイドル】という期限付きの夢」「だんだん縮まっていく夢との距離から生まれる“喜び”と“切なさ”の両方を持つこと」。今これ感じてんのかな。嫌でも私、彩希ちゃんが好きなんだよね。どうしようもないからさ、明日もまたDMMで公演観るよ。


AKB48単独コンサート「ジャーバージャって何?」昼公演(2018年4月1日)
影アナ(岡部麟、込山榛香
overture
M1:炎上路線(宮脇・白間・矢吹・北川・渋谷)
overture
M2:フライングゲット(全員)
M3:希望的リフレイン(全員)
M4:ハイテンション(全員)
M5:only today(現チームA)
M6:転がる石になれ(現チームK
M7:呼び捨てファンタジー(現チームB)
M8:LOVE修行(現チーム4)
M9:家出の夜(16期研究生)
M10:夢へのルート(チーム8選抜16人)
M11:47の素敵な街へ(チーム8全員)
M12:だらしない愛し方(岡部チームA選抜16人)
M13:重力シンパシー(岡部チームA全員)
M14:GAGAGA/(込山チームK選抜16人)
M15:彼女になれますか?(込山チームK全員)
M16:春の光 近づいた夏(高橋チームB選抜16人)
M17:シアターの女神(高橋チームB全員)
M18:目を開けたままのファーストキス(村山チーム4選抜16人)
M19:ハートの脱出ゲーム(村山チーム4全員)
M20〜29まで生バンド
M20:Flower(宮脇、向井地、小栗)
M21:野蛮な求愛(山内、倉野尾、市川、湯本、藤田、中野、横山結、山田菜々
M22:予想外のストーリー(柏木、岡田、村山、横山、田野、小田、峯岸、後藤)
M23:MARIA(矢吹、北川、渋谷)
M24:She's gone(白間、入山、谷口、佐々木)
M25:Position(若手選抜)
M26:法定速度と優越感(若手選抜)
M27:#好きなんだ(全員)
M28:君はメロディー(全員)
M29:靴紐の結び方(全員)

EN1:前しか向かねえ(全員)※撮影OK
EN2:GIVE ME FIVE(全員)※撮影OK
EN3:ギンガムチェック(全員)※撮影OK
EN4:10年後(全員)※撮影OK
EN5:ジャーバージャ(全員)

影アナ(高橋朱里村山彩希

AKB48単独コンサート「ジャーバージャって何?」夜公演(2018年4月1日)
影アナ (岡田奈々)
overture
M1:ジャーバージャ
M2:フライングゲット
M3:希望的リフレイン
M4:ハイテンション
M5:ラベンダーフィールド(現チームA)
M6:回遊魚のキャパシティ(現チームK
M7:オネストマン(現チームB)
M8:考える人(現チーム4)
M9:抱きつこうか?(16期研究生)
M10:生きることに熱狂を!(チーム8選抜)
M11:47の素敵な街へ(チーム8全員)
M12:だらしない愛し方(岡部チームA選抜)
M13:重力シンパシー(岡部チームA全員)
M14:GAGAGA(込山チームK選抜)
M15:彼女になれますか?(込山チームK全員)
M16:春の光 近づいた夏(高橋チームB選抜)
M17:シアターの女神(高橋チームB全員)
M18:目を開けたままのファーストキス(村山チーム4選抜)
M19:ハートの脱出ゲーム(村山チーム4)
MC (新チーム4、A、K、B)
※M20〜29は生バンド
M20:キスキャンペーン(宮脇、加藤、入山)
M21:ごめんね、好きになっちゃって
M22:クサイモノだらけ(柏木・横山由・峯岸)
M23:友達ができた(まちゃりんと仲間たち)
M24:涙の表面張力(岡田・小嶋真・高橋・向井地)
M25:Position(若手選抜)
M26:法定速度と優越感(若手選抜)
M27:#好きなんだ(全員)
M28:君はメロディー(全員)
兼任メンバーから一言ずつコメント
M29:靴紐の結び方(全員)

EN1:Teacher Teacher ※52ndシングル初披露
EN2:ポニーテールとシュシュ(全員)※撮影OK
EN3:大声ダイヤモンド(全員)※撮影OK
EN4:10年桜(全員)※撮影OK
入山杏奈壮行会
EN05:ここがロドスだ、ここで跳べ!(全員)
EN06:ジャーバージャ(全員)

*1:「Green Flash」typeA C/W

まりんちゃん

AKB48の元メンバーだった小林茉里奈さん(22)が、4月から日本テレビ系列の福岡放送(FBS)にアナウンサーとして入社することが1日、分かった。2日の入社式で晴れて社会人デビューする。
人気アイドルとしての経験を糧に、夢への第一歩を踏み出す。小林さんは15年夏にAKBを卒業。卒業公演時にもスピーチでアナウンサーの夢を語っており、有言実行となった形だ。
スポーツ報知の取材に小林さんはFBSを通じ「『アナウンサーになるためにAKB48を卒業します』と言ってから2年半たった今、福岡放送のアナウンサーとして夢のスタートラインに立つことができました。背中を押してくださったファンの皆さまにこうしてご報告できて、すごくうれしいです」とコメントを寄せた。
小林さんは2010年にAKBの研究生オーディションに合格。11年のじゃんけん大会では研究生ながら4位に入る快進撃で「上からマリコ」の選抜メンバーに選ばれる強運ぶりで一躍知名度を上げた。アイドル活動と並行し、アナウンサーの夢をかなえるため都内の大学に進学。熾烈な就職戦争を勝ち抜き、見事福岡の地でサクラを咲かせた。
FBSの担当者は「若い力で、FBSがさらに躍進するよう、新しいことに果敢にどんどんチャレンジしてほしい」と新入社員にエールを送る。小林さんも「まだ右も左もわからない状態ではありますが、福岡の皆さんに親しみを持っていただけるアナウンサーを目指して、精一杯頑張りたいと思っております! 温かく見守っていただけたらうれしいです」と人気アナへ成長を遂げることを誓った。

小林茉里奈さん、AKBから女子アナ転身…きょう福岡放送入社式「精一杯頑張りたい」 : スポーツ報知


2015年8月9日のAKB48卒業から2年半。小林茉里奈さんがアナウンサーになる。福岡放送のアナウンサー。

卒業公演で、「ほんとに私はファンの皆さんが自分のことのように私の夢を応援してくれることが凄く嬉しい。もう私だけの夢じゃないなってずっと思ってる」「応援してくださるファンの皆さんとの大切なこの夢を絶対に叶えて、2年半後ぐらいになっちゃうけど、アナウンサーになって絶対に皆さんがテレビで見て、私の姿を見てもらえるように、今は一生懸命努力して頑張ろうと思うので、その日まで待っててください」*1と語ったまりんちゃん。どうしてこんなにまっすぐに夢を語れるんだろうと不思議なくらい、アナウンサーという夢しか見据えていなかったまりんちゃん。

先代のメンバーでもこの夢に破れていった人はいて、AKB48という経歴があったとしても決して楽な道ではないと重々承知していたから、こんなに不安げもなく夢を語る彼女に対してむしろファンである私のほうが寛容に構えてしまっていたりして。何があってもいいから、とにかく無事に大学を出て就職して幸せになってくれたら、正直夢なんかはっきり言ってどうなってもいいんだよっていうくらいには思っていた。でもその私の不安をばりばりにぶち破って、今日ここに夢を叶えて福岡放送にアナウンサーとして入社した小林茉里奈さんがいる。

2013年秋、横山チームAのウェイティング公演のセットリストが変わる時期、学校の大事なテスト、大学受験、いろんなことが一挙に重なりながらも、蓋を開けてみれば立教大学に現役合格。峯岸チーム4で初めて公演の初日メンバーに選ばれた。大学2年の2015年の夏に卒業して、この春4年で大学を卒業。
聞いた話によればチーム4でツアーをまわっている週末明けの1限の授業にもきちんと出席していたとか。欠席した分のノートを補ってくれる友達もいて、様々なところからの伝聞でしかありませんが、AKBとはまったく違う学校生活でも仲間たちに囲まれて充実した毎日を送っているんだなと、2年半、そんなふうに思って過ごしてきた。
卒業したらファン向けのSNSは一切やらず、どんなに騒がれても反論しなかった。そのかわり美容院やメンバーのSNSではまめに元気な姿を見せてくれるところも、まりんちゃんだなと。一度決めたら頑固なんですよ。私の推しらしいよね。
就活が始まっただろう時期、もう結果が出ていてもおかしくない時期にもそれらのSNSにまめに顔を出しているから、無事に決まったのかな?と思う反面、大きな夢を抱えていて今、本当に大丈夫かな?って不安もあった。内定が出たとかそういうニュースが一切出てこなかったから。私が不安になってもしょうがないんだけど、2年半を待った先にどんな春を迎えるのか、楽しみなような怖いような。夢が叶うのをもちろん見てみたいけど、あまりにも大きな夢だったから夢がくじけるのは絶対に見たくないし、どうなるんだろうって。でも今、あの強くまっすぐに夢を語り「2年半待っててください」と動じずに話すまりんちゃんを少しでも疑った自分を恥じた。

まりんちゃん、いや、もうこの呼び方も似つかわしくないのかもしれないけど、でもやっぱりあなたをまりんちゃんと呼んでしまうのはきっと、小林茉里奈さんという人が、卒業した後も今日までずっとアイドルでいてくれたからなんだと思う。

今朝ニュースを知って、卒業から2年半という約束の時間が過ぎたことを感じた。2年半、いろいろあった。私は何か変わっただろうかと、ヲタクとしてとぼとぼ歩いてきた2年半を振り返ってしまう。状況はどうだろうね?悪くはなってないし、なかなか充実している。卒業公演の最後にAKB48には、特にこのチーム4には、私以外にも若くて素敵な子がたくさんいるから、目立つところにいなくても私を見つけてくださったように、私が卒業してもAKBを好きでいてほしいし、応援してほしい」*2と、そう言い残してステージを下りてくれた彼女に救われて、私は今もこうやってAKBのファンをやっているよ。
本当に思いやりのある優しい人だった。だから周りに人が集まってきたことは、きっとAKBでも学校でも同じだったんじゃないかな。就職した福岡放送でもきっとそうだ。

AKBのファンをやってきた10年間、モーニング娘。のころを含めると、私の人生は半分以上ドルヲタだ。どこまでも推しに支えられる人生。「私も頑張らなきゃ」って、推しの姿を見て思うのは何度目か。情けないだろうか、大人げないだろうか。でも推しがいなかったら今日のこの大きな喜びもなかったのだから、いいじゃないか。自分一人の人生では抱えきれないもう少したくさんの夢を、推しの数だけ、私も一緒に見ている。それだけのことだ。夢は持ってる分だけ幸せなことが多い。叶うたびにそう思えるから、それでいいんだと私は思う。

茉里奈さんには夢を口にする勇気を教えてもらった。有言実行する強さ、我慢強さ、頑なさ…。表には絶対に弱みを見せない生真面目なあなただから、どれだけ不安だったか、何度くじけそうになったか。でももう一人のものではなくなった夢を大切に大切にして、戦い抜いて、今日ここまできてくれた。そのことがただひたすら尊い。夢を叶えてくれて本当にありがとう。だって今こんなにも嬉しい。
きっといろんなことが他のメンバーよりも遅かっただけだ。着実に階段をのぼってきた。ニュースにあるように、茉里奈さんは今、夢のスタート地点に立ってまたその先の夢を見据えている。あーもう。一生ファンだ。最高にかっこいいよ。あなたのファンでいられて嬉しいよ。おめでとう、本当におめでとう。福岡、遊びにいくよ。ホテルのテレビで、福岡放送ずーっと見るんだ。そんな旅行もありだよね。
本当におめでとう、まりんちゃん。がんばれ小林茉里奈アナウンサー!


たかみなのTwitterから。去年の夏、空港で偶然会って近況を聞いていたらしい。


最後に、チームサプライズ楽曲、NGT48誇りの丘公演で披露されている「君のニュース」の歌詞を捧げて終わりたい。沁みる。今日の日のための曲に思えてくる。

君のニュース*3


懐かしい
君がいた

あの日から知らぬ間に 何年過ぎたのだろう
遠すぎる出来事が昨日のことのように思える

少女だった君はいつも不安そうに隅に立って
自分の夢を半信半疑で見てた
だけど輝いてたオーラ

おめでとうって呟く テレビが伝える嬉しいニュース
カメラのフラッシュ浴びる君の姿 僕は見ている
頑張ったねって言いたい 流した涙 知ってるから
諦めなかった長い道 大人になった君は美しい

レッスン場その裏で背中を震わせてた
悔しさはバネになり ただ黙々と練習してた

幼かった君はいつしか 揉まれながら強くなった
どんな夢もまず自分が信じなきゃ 叶うわけがないと言った

おめでとうって手を叩く 大きな賞をもらった瞬間
次の目標 探す君の顔が 誇らしかった
まだ終わらないサクセス 君ならもっと出来るはずだ
あんな辛かった坂道を上り続けた 努力の人よ

僕も年をとった
もう何も教えられることは無くなってしまった

おめでとうって呟く テレビ画面が滲んで見えない
ソファーに座って一人きり 遠い昔の君を褒める

*1:エケペディアの文字おこしから抜粋

*2:卒業公演の感想(本ブログ)の備忘録から

*3:パチンコAKBのチームサプライズ3rdのようです。NGT48が誇りの丘公演で披露しています

ジャーバージャとはAKB48のダダイズムではないだろうか


AKB48 51stシングル「ジャーバージャ」昨日フラゲしたよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
1月のリクエストアワー最終日に51stシングルのメンバーに初選抜された村山彩希ちゃんが参加、岡田奈々ちゃんが満を持してセンターを務めるAKB48の51stシングル「ジャーバージャ」、本日3月14日リリースであります!!!!うええええいいい!!!
彩希ちゃんが写ってるジャケットは初回限定版タイプA……表に写ってるのはね!通常版タイプAはジャケットの裏面と、歌詞カード1ページ分にでかでかと載っています!はあ!推しがCDジャケットにいるって、こんなに特別なことなんですね…今まで全然関心がなかったけどいざそうなってみるとすんごく嬉しい。「おめでとう」って言いたくなる…


ジャーバージャ初回限定盤type A



ジャーバージャ通常盤type Aのジャケ写裏面と歌詞カード。カードは各タイプごとにひとり1ページあった

ANNの音源オンエア、公式YoutubeからMV公開とそのたびにワイワイしたのは久しぶりのことです。先日13日のあおきー公演での初披露では、センターポジションに彩希ちゃんが入るという素晴らしい出来事もありました。自信が溢れているのを感じました。
そんな「ジャーバージャ」を深堀してやりたかったのですが、リリース記念のよくわかんないニコ生番組を見ていたらもうこんな時間(23時)なのでゆるっと更新して終わりたいと思います…

とにかく毎秒キャプとりたいくらいなので、早い話がみんなMV観て。
1番Bメロで桜の花びらを燃料にたくさん積んだロケットが飛んでいくと、上下のラインが黒から淡いピンクに変わるんです!面白い演出。「Choose me!」とか過去のMVと重なるシーンもあったり、センターのなぁちゃん由来なのかメンバー同士がイチャっとする百合っぽいカットが挿入されていたりして。観ていて飽きないし、色味が明るくて暖かくなってきた3月にぴったりな映像。
初選抜ということもあってか、彩希ちゃんも結構映ります!制服がかわいいシーンだけじゃなくて、ダンスシーンは下手で踊っているのが結構抜かれます。ちなみに!このMVは終わりにスタッフロールがついて全編なので、円盤を購入した人はぜひ観よう!オフショットが挿入されていてかわいいですよ。




「ジャーバージャ」とは何か

宇宙初オンエアされたANNの時点から「意味はない造語」ということが言われている「ジャーバージャ」。念のためぐぐってヲタクの見解を見てみたんだけどまあ参考にはならないものばかりだったし、意味のないものの意味を探ったって無いものは無いのである。私がひっかかったのは「ジャーバージャは意味を持たない言葉」という点。意味を持たないネーミングといえば「ダダ」が言える。トリスタン・ツァラのダダ宣言*1に始まり後のシュールレアリスムへと継承されていくこの芸術運動を改めて引くとこんなことが書いてある。

ダダ [仏]Dada
もとは「馬」を意味するフランスの幼児語とも、同意を表すスラブ系言語ともいう。1916年に第一次大戦を逃れた芸術家たちによって始められた運動。(中略)ダダという名前自体が辞書から偶然によって選び出されたといわれることに象徴されるように、新しい造形の模索というよりは、戦争の結果としての虚無感を背景に、既成の価値観や秩序の破壊を目的とした反芸術的運動であった。(後略)

(『岩波 西洋美術用語辞典』2005年、岩波書店

過度な詮索は美しくないのでまるまる同じとは言わないが、ある一つの嵐のような時代が去った後よどんだ空気の中に新鮮な風を入れるために、今までの価値観や秩序をぶち壊して新しい時代を招く……今、2018年のAKB48がそうではないだろうか。過去(=MVの桜の花びら)を燃料にして、5年間階段をひとつひとつのぼってきた岡田奈々をセンターに新時代へと高く飛んでいく2018年のAKB48が宣言するダダイズムが「ジャーバージャ」ではないだろうか。
この流れを汲むとタイトルに意味を持たない造語が当てられたことに意味があるような気さえしてくる。派手な色彩とコラージュのようにイメージが散りばめられたコンセプト写真にもまた、意味があるように見えてくる。気がする。

この前にリリースされたAKBのアルバムのタイトルは「僕たちは、あの日の夜明けを知っている」だったわけですが、ジャーバージャ1番の歌い出しはこんな感じ。

深く息を一つついて 嫌なことはもう忘れてしまえ
星さえない真っ暗なこの街でも 遠い空から夜は明けるんだ

全体を通じて疲弊しながらもポジティブ。「ラッキーもアンラッキーも順番にやってくる」「昨日の自分にサヨナラ言おうか」など夜の楽しさに酔って楽しんじゃおうぜ!のゆるいノリに身を任せたくなる歌詞。そしてメインのサビ。

午前0時過ぎたら誰もが生まれ変われるよ
緩いビートに揺れて Tonight Tonight Tonight …YEAH!
良いことと悪いことループする人生よ
目を閉じて踊ろうか
ジャーバージャ Funky night! All right!

午前0時過ぎたら 誰もが生まれ変われる」はこのCDの帯にも引用されているフレーズ。
普通のアイドルだったら、シンデレラが午前0時を過ぎたら魔法が溶けてしまう。でもジャーバージャは「午前0時過ぎたら誰もが生まれ変われるよ」と歌っている。夜明けを待っている。AKBの魔法は気だるい夜にも続いている。
楽曲を象徴するサビにこの歌詞をぶちこんでくること自体相当ロック。既成のアイドル観をだいぶぶち壊している。そもそもAKB48が固定概念にとらわれない活動をして世の中に大きな影響を与え旋風を巻き起こしてきた存在と思えば、ジャーバージャは秋元康が歌詞にそっと忍び込ませた新しいAKB48の兆しなのかもしれない。