※本ブログには若干のアンチ要素が含まれている可能性がございます。岡田奈々推しの方、なぁちゃんを好きな方等におかれましては閲覧の際は十分ご注意くださいますようよろしくお願い申し上げます。(ちょっと編集しました最後のところ 12/17)
観終わりました。今年の1月16日、ゆうなぁおしめしのせいで(一生言い続ける)発熱して岡田奈々さんのソロコンサートに行けなかったのですが、円盤化の声が大きくなってハッシュタグができた時、リリースされたら絶対に観てブログを書きますと言っていた約束を果たしたいと思います。これであの日の悔し涙が報われるだろうという気持ちで、円盤を再生しました。
当日会場にいなかった私、映像作品としての鑑賞になるので、いつものブログ以上にそんな偉そうなことを書いてはいけないと肝に銘じてはおるのですが、冒頭にお断りしたようなことを書く可能性がありますので今一度ご留意願いたい。
先に1つ書いておくと、安心した。とても好評で神格化されたコンサートだったから、どんなけ化け物になっているんだろうと物怖じしていたのだけど、ちゃんと2018年1月16日時点の岡田奈々さんでよかった。
まずこの方、とても音感がいいと思った。私の推しメンは歌に物言わす方が多いので「歌が上手いアイドル」には触れてきているつもりだが、岡田奈々さんは抜群に音程を取るのがうまい。考える人の歌い出しもそうだし、命の意味のアカペラでの歌唱も。周りの音なしであれだけ長く歌っているのに、どのパートの歌い出しも音程がぶれず、その後も例えば半音ズレたままフレーズが進んでいくということがまったくない。テンポやフレーズの区切り、次の歌い出しとすべてをコントロール出来ていた。音を当てる能力、喉の調子もきっちり整えてきたのだろうという、この機会にかける意識が垣間見えた。それはよく言われる彼女の「真面目」な気質に由来するプロ意識だと思った。
発声はやっぱり現状「歌の上手いアイドル」ではあるが、確実な実りをするであろう希望的な萌芽だと思った。河西さんだって歌の上手いアイドルから今もうすごいから(語彙力)いくらでも化けていく可能性があると思った。そして何より、48・46グループ楽曲もアニメの歌も音楽のこともとても愛していて、セトリのバランスが最高に好き。
まずは憂鬱な日々に元気をくれるナンバーから、月曜日の朝、スカートを切られたの止まってしまいそうな弱弱しい歌唱がうまい。衣装を引き剥がしながら歌ったり、スカートの小さな鞘から取り出した小さなハサミで衣装のリボンを切ったり。あの演出はもうアイドルじゃないですね。そして曜日繋がりで火曜日の夜、水曜日の朝に繋げるのがうまい。10クローネとパンはソロの歌唱だとストーリーが散漫にならずこんなにもまとまって聞こえるものなんだなと、違った曲に聞こえたし、昔話のような世界観が他の楽曲と違ってアクセントになってた。I'm cryingは座って倒れ込むようで、末尾の歌い方とかもう疲れ果ててしまっているようで、世界への入り方がすごい。命の意味もまた重ためですが、イントロだけ流し1Aメロから完全な無音の中でのアカペラは心の中に入り込んで問いかけているのを聞いているような心地。赤い目隠しをした真っ白なワンピース衣装のダンサーさんも出てきてとても神秘的な演出。1ハーフで歌う楽曲が多い中、歌詞を尊重してか2番から歌唱するものもあったりしたのだが、まあ見事に間違えることなく歌っていて、そこにも地道な彼女の成果を感じた。
続いてアレンジを施した楽曲たちのパート。ピアノアレンジのだらしない愛し方はかなり痺れた。普通にこの曲のビッグバンドの雰囲気やモダンなピアノのイントロが好きだから、そこを大切にピックアップして表現してくれたのが嬉しい。誰のことを一番 愛してる?はギター伴奏になると一気に素朴な感じになって、誰を殺せばいいのだろう?とか言われても坂道AKBで聞くような殺気に満ち満ちた雰囲気がなくて、こんなに曲の印象って変わるんだなと思いました。また あなたのことを考えてたと君についてはさっきまでの自問自答、悶々とした空気感が一変して、乙女のようなかわいらしい表情を見せる。そんでもってファンサでチョコミントのお菓子投げるために真っ白なニーハイに悪魔のしっぽ生やしてななきーとかやっちゃうわけ。なんなんだこの人は。できることのふり幅がすごい。
真っ赤なドレスに着替えたら、峯岸4の目を開けたままのファーストキス、珠理奈の赤いピンヒールとプロフェッサー、高橋Aの従順なSlave、M.Tに捧ぐ公演からShe's gone…楽曲のかたまりの作り方と衣装がとても合っていていい。MT楽曲ってなかなか誰のものにもなってないけど、She's goneは嬉しかったね。Slaveも彼女だから自然に取り込めていると思った。
本編ラストはさや姉ソロの月影。アンコールはGLAMOROUS SKY、Don't say "lazy"M、DAYSと、アニメ・漫画由来の楽曲を披露。白いTシャツに黒のジャケットのロックな衣装ととても似合う。そしてここに麻友ソロの紛らしているを紛らしてくるのが見事。雰囲気や言葉の世界観が合ってる。プロの演出家たちと話し合いを重ねて順番などセトリを作ったとは思うんだけど、岡田奈々という世界観にすべてが集約され昇華していくのがすごい。
そしてラスト、そのニュースだけで私を号泣させたイキルコト。前までのMCで見せていた笑顔と裏腹にこれから生きていくことに対する不安とか憂鬱を話していて、それに対するアンサーとして歌われたように思った。すべての歌詞が糸でつながっていてカットできる部分がないのがこの歌のすばらしいところだから、フルサイズだったのが何より嬉しかった。なぁちゃん歌唱でさらに歌詞がまとまった1つの物語になっているから、ここにその素晴らしい歌詞を並べるよりも、この機会にぜひこのなぁちゃんの映像を観て知ってほしいナンバー。
選抜メンバーにのぼりつめてソロコンの機会まで勝ち取った彼女だからこそ、ひとりでポツンと立って歌う歌詞の1つ1つが刺さってくる。イキルコトはさよならクロールC/Wの篠田チームA楽曲です。麻里子やたかみなが率いるこのチームが歌うからこその影を、なぁちゃんはうまく継承している。2番サビ前で見せた身体の素振りが、どことなくMVの田野を彷彿とした。
ラスト1フレーズで、それまでの鎖を引きずるような苦悩した歌い方が晴れたような気がした。まぶしい朝日のようなライトの向こうにはけて消えていったなぁちゃんがとても神々しい。闇を抱えながらもしっかりと自分を持っているところが。
はぁ…曲名全部挙げるつもりなかったのに結局全部出してしまった。
次回がある時は絶対にもっとパワーアップして、美学をさらに磨いて歌を届けてくれるのだろうなと思うと、このコンサートに行けなかった個人的な悲しみとか結構どうでもよくなりますね。だって岡田奈々さんはこれからも歌ってくれるでしょうから。そのことがとてもよくわかるコンサートでした。
CAUTION
岡田奈々
DVD&Blue-rayが発売されると情報が出た時、正直、憂鬱になりました。だって、いよいよあの人の歌と向き合わなきゃいけないんでしょ?だって、絶対好きになっちゃうもん。
素直すぎて裏を知れば知るほどただのメンヘラなくせに表舞台ではずっとかわいい顔でニコニコしててかっこつけたりして、ゆうなぁの首謀者であって彩希ちゃんのことを誰よりも知り誰よりも愛してる彼女を、私が好きとか言うわけないでしょ。絶対に。この機会だからあえて言っとくけどね、多分私あなたのこと嫌いだよ。いっつもゆうなぁ見せつけやがって。笑顔で強がりやがって。はっきり言って大っ嫌いだよ。
だけどね、言いますけどね、岡田奈々ってシンガーは最高ですよ。その感想はまちがいなく、あの日会場でこのステージを目撃したすべての人と同じ気持ちでいられていると思う。繊細ゆえの不安定さが、憂鬱があなたを輝かせる一助になっていると確信した。繊細な心でそれを持ち続けることはとても苦しい。死にたくなる。でもあなたはこれからもそれを明るいパワーに変換して、歌い続けてくれるだろうことも確かに感じた。それは誠に勝手ながら、我々聴衆が抱いている希望。「闇」のなかには音があるんですよ。白い闇の中の黒い光。そういう存在だと思ったんです、岡田奈々の歌っていうのは。ステージに立っていてくれてありがとうと思いました。