優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

タロー20周年記念舞台『お笑い家族』【20200215 18:00-@浅草九劇】

ブログ無精になりがちな季節ですが、初恋タローさんの舞台はなんかすごいよかったんで雑記ながら感想を書いておこうと思う。取り留めないけど許してください。おもしろかったしいいお話でした。千秋楽後にアップしていますが、ネタバレ有なのでご容赦。 

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まず、お目当てで行った篠崎彩奈さんなんですが、三人姉妹の長女役でした。芸人のお父さん(のみやまつよし…で合ってますか?)とその娘(長女うらら)の話ということで、ヒロインというところでしょうか。

実際あやなんはお兄さんたちがいる兄妹の末っ子だから、長女らしい長女の役って意外でしたが、ちょー不機嫌そうな反抗期JKに両親が気を使いまくってる様子が、昔の我が家をそのままトレースしたような感じだったので開演1分で引き込まれました…。私も父親と顔を合わせれば喧嘩してたんで…そうそうそう…という激しい同意があってどうしてもブログを書きたくなった。むしろそこの人間描写に尽きる。

 

長女と同じ高校の次女、中学生の三女が出てくるんだけど。しっかり見てるんですよね、お姉ちゃんはこうだからとか、お父さんはこうだからとか、良い所も悪い所も…妹のほうが本当に家族のみんなをよく見てる。身体はりまくり後輩同期に頼りまくりのThe芸人の父に「人に迷惑かけまくりでダサい」とか言っちゃううららに「そうだな」って相槌してしまうところに父の人としての弱さが見えたりして、でもそんな反抗しまくりの長女うららだって、父との仲の悪さを周りにめちゃめちゃフォローされて生きてるんですよね(そしてそれを本人は自覚してない)。で、本気のスイッチが入るとやるんですよ。結局似てる父と娘。顔は似なくて九死に一生を得たけど。それがいい。

そんな設定に感心しまくっていると、うららの友達こはく役に岡田彩花ちゃんが出てきて、彼女の演技をみるのは一昨年のスナップアウェイぶりだったんですが(もうそんな前?)、元気なJKはあの時の新社会人役よりも入りやすかったかもしれないけど、なんというか、しっかり喜劇の明るさを纏っていて良い役をされていました。あやなんとお笑いコンビを組むんですけど、オーバーリアクション上手くなったなぁ(笑)おもしろかったし、垢抜けましたね彼女。

 

出演するバラエティ番組のシーンが結構長くて、そこに日替わりゲストが登場するのですが、この回のゲスト、なんと柏木由紀さんwwwwwwチケット買った後発表があって「なんで?wwwwwwww」って思ったんですが、どうやら初恋タローさんとゆきりんさん、既知の仲で仲良しみたいですね。エピソードも披露してくれたのですが、「二人でご飯に行った時(ゆきりんに)「これで週刊誌撮られたら最悪」と言われた」は笑いました。むしろ見てみたい。なんかいいな、こんな話もできちゃうアイドルって。堂々としていて強い。

ゆきりんから初恋さんへは「酔っぱらった時同じ話ばっかするなー!」とおしりに鞭を飛ばしていましたが(同番組内のゲームの罰ゲームで鞭だったんですが割愛)、「俺同じこと話してるんだ…」と結構ガチ目に刺さったようでポカンとしてたのがおかしかったです。

身体を張る芸人の役なので、初恋さんパンツ一丁で終わるんですけど、まあーお肌が綺麗www上半身脱いでる時からスキンケア完璧やんって思って見ていたけど、パン一になったら脚まで綺麗でしたよちゃんと脱毛されてて。テレビでお笑いの人が脱いでるとウゲ…って思うことあるけど、皆さん頑張っているんだろう。見方が変わりそうだ。生で見たらきっと初恋さんみたいにみんなお肌綺麗なんだろう。

…と見てみた吉本の初恋タローのプロフィール、趣味の最後のとこに「筋トレ」って書いてあったけどあの腹でこれは嘘だろ。

喧嘩の仲裁に入ったりもするタイプで、そんな野見山さんに救われたという後輩コンビの話、「二人が本気でいいお笑いを突き詰めていったら当然ぶつかることもある。コンビによるけどね」は核心をついていた。本気で極めていったらそうなりますよね…。寝ても覚めてもお笑いが大好きな人の舞台なんだなあ。

台本や設定は結構ベタというか、ぶっとび気味の展開というか、こうなるんじゃないかな?の予想が当たりつつ進む感じだったんですが、普通に漫才楽しかったし、漫才のシーンと演劇の境目が見えなくてそれが秀逸で、常にどこかおかしくて(父のセーターのダサさとか)、台本設定のベタさがどうでもよくなるというか、ちょうどよくなってくる。最後とかめちゃめちゃよかったじゃないですか。大好きだし、同じステージに立ってる二人が羨ましいなと思いました。

 

あやなんの演技は舞台で何度も拝見しているけど、観るたびグレードアップしていて、今回は漫才でボケもツッコミもやっちゃって。「包丁で指をスパって切ったら血が出ます」ってそりゃあなた()。そういえばすっかり包帯取れてて安心したけどもあなたね()。すごい笑い起きてましたね。あと中学時代にいじめてきた奴らを列挙したとき聞いたことある名前ばっかなのも笑ったよ。村山いたよね。

ボケもツッコミもできちゃって、アドリブも自然にできて、そんで素の篠崎彩奈に戻ったらいじられ屋さんでしょ。事務所移籍してゴルフまでやっちゃうでしょ。この人にできない事ないんじゃないかって思う(不良でおらつく役は除いた方がいいかもしれませんが←ネーチャンズ☆8)。

長女のあの不機嫌そうな表情といい、むすっとした態度といい、棘のある物言いといい棘あるんだけど超意地張ってる子供なところもよくて、妹の前で冷静にいようとするところとかもリアルで。こはくと二人でコンビを組んで漫才の活動をする中で出会う人々から父の話を聞いたり、身体を張らないとやっていけないって業界の話を聞いたりして、父への考えが変わっていくんですね。ダサいとか思ってたのに。根性あって素直ないい子じゃないですか、親に似て。

周りがボケの演技して笑いをとってる時ってクスクス笑っちゃうもんだけど、あやなんはしっかり役に入ってるから全然笑わないで自分を演じてるのね。その点は他でコメディのお芝居をした時も、あやなん上手だなあと思ったところだけど、今回のあの環境でもそのスキルが発揮されていたのは改めてすごいなと思いました。まあ電話のシーンのあの母は笑うよ()

何より素晴らしいと思ったのは、テレビ見てる時の何考えてるのかわからない無の表情と、父親と話してる時何か返さなきゃいけないんだけど何て言おうか本当は何も言いたくないんだけど…みたいな面倒くさそうな話し方が、遺伝子レベルで長女だった。本当に素晴らしかった。なんか、あやなんってすごいよな。半分くらい自虐なのに偽王子でステージ出ちゃうところとか、指切って3針縫った数時間後にもう笑い話にしてる姿とか見てて改めておもうけど、強いよ。ありがとうあやなん。身体張ってくれてありがとうあやなん。ありがとうございました。

 

そして、

出演者
A班:初恋タロー篠崎彩奈岡田彩花、安森彩那、横屋敷ありさ、菊地侑紀、古川龍慶、小川紘司、辻逸平、橋口巧、堀ノ内翼、望月崇望、大谷健太、今井瞳、ゲスト出演:柏木由紀

原案:初恋タロー
脚本・演出:荒木太朗
漫才脚本:中村元樹、初恋タロー

脚 本 演 出 あ ら き た ろ う …!荒木太朗さん!シアターザロケッツの!!その事実に気づいたのは観劇後なのだった…

入場して席に置いてあった舞台のチラシにだんしんぐ由衣さんのお写真を見つけて妙な安堵感を覚え(彩花ちゃんが出演予定のシアターザロケッツのものだったのですが)、今日の舞台は当たりだろうなあと思い、実際観劇して大当たりでとても楽しかったのですが、荒木さんでしたか…やられた…。笑いと心揺さぶる展開とのバランスよ。その切り替えの間合いも完璧でおもしろかった…今回も楽しませていただきました。

年度末が近づく繁忙期と、進めなきゃいけない同人誌の原稿で根詰めな日々を過ごしていますが、2時間の息抜きは本当にお腹の底から声出して笑いました。ありがとうございました。

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*1:写真は二人のツイッターから拝借しました @ayana18_48 / @ayaka_o1106