優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

モアナと伝説の海

今日はディズニー「モアナと伝説の海」を観てきました。駅で本作の上映を知らせてくれたポスターは、奇跡のように海が割れて"海の中"と"砂浜"を二重で見せるデザインになっており、また凄い世界観を構築したものだな!と楽しみにしておりました。

あくまで感想や気づきのメモ程度なので大したことは書かないけど以下いわゆるネタばれも含みますので、これから映画を楽しみにしている方がいましたら閲覧注意ですので各自ご判断くださいませ。

モアナ

主人公の女の子モアナが河西さん演じたティモーンにしか見えない!(/∀\*)というのも早く観たいなーと思っていた一因でしたwそして物語の設定自体も、自らが暮らす均衡が保たれた世界にいる主人公がその外の世界に冒険に飛び出す。そしてそこには偉大なる自然と伝説(言い伝え)が絡んでくる。ティモーンは神に選ばれた者で、モアナは海に選ばれた者。……そんな具合に「アイランド」に通じるものもあり、本来だったら河西さんまったく関係ないのに勝手にそんな親近感を沸かせながら見ることができましたw(?)アメリカから見たポリネシアの民族文化って、そういう神話的な印象が強いということなんでしょうね。

オマージュというか

本作の監督がジョン・マスカー&ロン・クレメンツだったわけですが、二人が過去に手掛けたディズニー作品と通じるシーン設定や演出が多々ありました。広告には「リトル・マーメイドを手掛けた監督」とあった記憶がありますが、それに続く「アラジン」のおもしろおかしかったシーンや、「トレジャー・プラネット」の船の迫力や海戦、「プリンセスと魔法のキス」の夢までもう少しの洗練された画面のデザイン・配色は、モアナにとてもとても通じていました。自分たちに向けたものだからオマージュというのかはわからないけどw

マウイ

伝説で語られたその人がそのまま登場してモアナと冒険するなんてどんな人物描写かと思ったけど、しょーもねぇなwwwこういう現代人的なアレンジ大好きよ…。大きな身体の刺青が象徴的な出来事を語り継ぐ挿絵(言ってしまえば壁画)のようになっていて、ミニ・マウイなる二次元キャラが登場したのは意外でした。刺青上のキャラクターなんて最初はぎょっとしたけど、あれも異文化を存分に勉強した成果でしょうね、見事に黒像式土器の模様が動きだしているようで、マウイがいかに伝説であるかというのが伝わる描き方でした。刺青という不快感も全然ない。そしてここでまた、本作の監督二人の代表作に「ヘラクレス」があることに気がつくなど…。あなた方自分たちの経験すげぇ盛り込んでるわね。というか彼らが取り組む作品に共通した世界観があることが興味深い。これからもこんな壮大なスケールの物語を観ることが出来るなら楽しみだなぁ。この上なく。

大地の女神

テ・フィティが横たわる姿が島の地形になったというのは相当ロマンがありました。美しい。そして同時に過去の短編作品「南の島のラブソング」を思い出して笑ってしましたw「インサイドヘッド」の時の同時上映作品なので、何年も前から海や自然、南国の民族文化についてディズニーが勉強して取り組んでいたことが窺えます。そして火山のテカや、海底世界にいた仮面をつけたような顔の生物の四つん這い低姿勢の動き方には、カオナシスパイダーマンのような動きを思い出しました。
そして火山&自然の女神といえば…Yes, 「ファンタジア2000」の「火の鳥」の妖精しか!あれも映像を見た時はまたぶっ飛んだイメージだなと日本人の(少なくとも私の)感覚にはちょっと笑えてしまうものでしたが、映画作品以外でもあの妖精はジュビレーションというTDL25周年のパレードのフロートにも出ていたので何気に目に触れる機会の多いキャラクター(というと違和感あるけど)ですね。

自然描写重視でいうと「メリダとおそろしの森」の山々を想い浮かべます。今回は対照的に「海」。島を出て冒険を進んでいる時には海原と空しかなく、もはやこの世ではない抽象的な世界と言っても過言ではないくらいには象徴的でした。「ファインディング・ニモ」も海が舞台でしたが、海底の様子でしたから考えてみれば我々が普段目にするような"水面"としての海はあまり出てきませんでした。「Mr.インクレディブル」にも飛行機が落下して海に不時着するシーンがありましたけど、夕方のシーンということもあり陽の具合でだいぶ描写がはぐらかされていた記憶はありますw水を捉えるのは難しいんだなぁ。
今回のモアナでは、スタッフロールに海の描写だけで何人もの名前が挙がっているのが目にとまって、つくづく規模の違うスタジオだなと感服しました。モアナの海はきれいだ!小並ですまんが、実に綺麗だった。南国の希望的な海。モアナは海に親しげに話しかけたり、どうしてこんなことするのよと怒ったりしていて、まるで海は気まぐれな友達のような存在として描かれていました。モアナを指南するキャラクターとしての"海"は波が持ち上がった形をしていて、あれは北斎富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)のイメージでOKかな?厳しい自然でもあり、それは彼女の父親にとって深い悲しみの記憶にもなっていました。

日本をはじめ、TSUNAMIが世界に浸透するほど地球の各地で海による災害が起こっている今、海を題材にすることは慎重になったことだろうし覚悟が必要なことだったと思います。私も千葉の生まれ育ちなので海には親しみがあります。すべての生命の源であり、死をももたらす脅威であり、我々に何かを語りかけてくる。そう馳せた人間の勝手な想いすら受け止めて広大な世界のどこかに流していってくれるような。作品を観ながら想いを巡らせる余地があるのもまた、海の偉大さなんでしょうね。
さすが千年規模の物語を描いてるだけあって非常にテンポよくストーリーが進んでいくので、ちょっと早すぎた感じはしたけど世界に入りやすかったです。わかりやすい伏線はきちんと回収できているし、王道のファンタジー×アクション×映像技術でとても楽しめる作品でした。アーロと少年、ズートピアなどしばらく見逃してしまっていたのですが、今回久々に映画館へ脚を運べて、改めてディズニーおもしれぇわ!と思いました(/∀\*)←ここで河西さんが出てくるのはティモーン的なあれ


そういえば、「アイランド」のティ・モーンの名前の由来も、神に選ばれし者、みたいな意味があったと思うんですが、「モアナ」に出てきたテ・フィティも定冠詞(なのか?)が"テ"ですね。やっぱり神聖な意味のある言葉なのかな。モアナはポリネシアを参照したみたいだけど、アイランドはどうでしたっけね?パンフレット読んだら書いてあるかな。ちょっと見てみよー