優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

舞台の感想 下書き供養 〜河西智美さん2018-2019編

(このブログは2023年11月に公開しています)

 

河西さんが舞台に計6本立たれた怒涛の2018年頃から当ブログの下書きが急速に増えていきまして、今でも思い出すあの舞台、この舞台なのに感謝の意味を込めたブログをアップできずにいました。光陰矢の如し。あっという間に5年ですって。

ですがお蔵入りするよりは、その舞台を見に行った、こんなことを思った(一言でも)をほんの少しでも残せた方がこのはてなブログの意義はあるんじゃないかと思い、下書き供養に立ち上がることにしました…

 

河西さんの2018年怒涛の舞台yearの皮切りになったのが、ミュージカル座で2時間出ずっぱりの主演「サイト」と、同じくM座のスペリングビー」「華」と関連キャストが多かった「巫女ガール」の4つ。こちらを下記の通り供養いたします。

当時途中まで書いてた下書きとそこから芋づるで思い出しながら外に出せる形に整えた次第でございます。

 

 

ミュージカル座「サイト」【20180310 17:30~@IMAホール】

3月10日昼夜でチケットを取ってたのですが、同日にまさかの「AKB48グループセンター試験」実施がぶちこまれるという事態で()どうしようかと思いましたが、試験は妙なリアリティを求めて午前の実施だった&サイトは夜公演のほうが良席でとれていたので、1公演になってしまいましたが無事河西さんの勇姿を拝むことができました。

河西さん出演で観劇したミュージカル座は、トラジディ、戦争とシリアスな演目が続いていたので、「サイト」のような問題は深刻ながらも描写がコミカル、展開が希望的な舞台はだいぶ新鮮でした。音楽のサウンド?(うまく言えない)はひめゆりと同じものを感じて時々ぞくぞくしましたがwこれがミュージカル座と分かるサウンド。河西さんを追いかけて、それだけのミュージカル座の舞台を観てきたってことかな。
さて、観劇後に調べて知ったんですけど、以下の通り、キャストさんみんなにちゃんとHNがあったんですね。舞台観ててエルサがいるのはすぐ見つけて気になってはいたんだけど、部屋の中のラプンチェルやばいwwwwあれは確かにある種のひきこもりだわww

月組
河西智美(ひきこもりっこ)、杉浦奎介(高橋イサム)、清水彩花(ロビンちゃん)、松原凜子(お蝶夫人)、山崎一郎(笑う旅人)、夏目卓実(サイボーグ)、仁藤萌乃(なげやり娘)、上田堪大(七浪生上田堪大)、岩田華怜(マジギレさおりん)、松岡美桔(ハデハデ魔女)、永石千尋ソフィーの世界)、田中真由(一休さん)、大賀萌生(にせ北島マヤ)、向 萌花(泣きみそ先生)、湖山夏帆(ヒッキー)、黄金井美帆(メンディー)、花音美燈(おたっきー)、近藤貴郁(派遣ライダー)、長谷川太紀(ニート王子)、川辺 結(岡ひろみ)、堀 祐子(藤堂さん)、 青木結矢 (ひきこもり王)
アンサンブル:横井結衣(夢見るJK)、阿部さくら(潔癖女子)、吉野めぐみ(つぶやきっこ)、とよだあい(ぷんぷん丸)、小島優花(氷のエルサ)、藤村奈央(おりきちゃん)、遠藤有美(ヒトミシリーヌ)、河津璃海(福山ロス子)、伊藤ナツキ(部屋の中のラプンツェル)、桜田歩佳(マジダルビッシュ)、吉田茉由(明智歴女)、前田瀬奈(ボンビーガール)、永咲桃子(ナルラー姫)、西谷萌(坂なでしこ)
サイト(2018) | ミュージカル座

 

舞台は、暗闇にしかれた布団の上で「今、何時?今、何日?」とつぶやく"ひきこもりっこ"の歌に始まります。ひきこもりっこを演じるのはもちろん河西さん。このあと終演までステージに出ずっぱりの、引きこもりとは思えない超過酷な役どころです。何度も繰り返されるフレーズに「部屋にひきこもっている」を通り越して、引きこもりを続ける自分自身に「閉じ込められている」ような印象を受けました。

 

部屋にあったアンネの日記をきっかけに、そのお返事のつもりで埃をかぶったノートPCを引っ張り出して、サイトを作ります。そのサイトにまず最初に興味を持ったのは、男子(兄弟をいじめ自殺で亡くしている)とロビンちゃん。この二人をきっかけにしてひきこもりっこの周りに人が集まり始めます。

最初のうちは、ちょっと冗談を言われただけでも「死ぬ!」なんて怒ってしまったひきこもりっこ。注目をされて意見の交換が激化してきたり、引きこもりなんて異常だから医者に行けと言われたりすると、パニックを起こして泣き出してしまいます。些細な事にも敏感で、繊細な心の持ち主なんだなと思いました。引きこもりの多くが、そんなヒリヒリした感覚を持っているのかな。
サイトでの文字だけのやり取りで、手掛かりはHNからイメージを膨らませることくらい。ゆえに強烈な個性を称える人々が、ひきこもりっこのサイトに書き込みをしていきます。時には見かけによらず(というかイメージに寄らずというか)同じ引きこもりの人や、引きこもりだった人も。心無いクラスメイト達のいじめを受けて引きこもりになってしまった少年の歌は、かなり悲痛だった…。「ひとりは孤独じゃない、けど大勢が楽しそうにしている中のひとりは孤独」。いじめというレベルではなかったにしろ似たような経験をした自分の記憶が蘇りました。様々な引きこもり達がいたので自分と重なる登場人物を見つけて、私と似たような観劇体験を多くの方がしていたのかもしれません。
間髪入れず披露される歌でも、「少しだけ希望を、もっと生きる価値のある世界を願う」、「もし私が優しかったら誰かも優しいでしょうか、悲しければ悲しいでしょうか、気づいたら誰かも気づくでしょうか、もし私が愛すれば誰かも愛するでしょうか、この世界のどこかで」と、日常の悲しいニュースに心を痛めてはだれかの平和を願う心情が多く登場しました。

様々な問いかけの中でコミカルなクイズショーみたいに現実の問題を考える場面も。ひきこもりっこのダンスは、ターンの軸がもうしっかりしすぎててwwひきこもりのはずなのにものすごい神経いいことがわかりましたww
引きこもりから勉強をして立派な哲学の本を出した女性が登場しますが、そこでの問いかけ「友達はいらないのか?」は深かったですね。

「It's a beautiful world 小鳥が鳴くような細く、でもしっかりした声」。ほんの一言でもインターネットという場所を介するとそれも大きく拡張し広げていくことができるし、たとえ意見が違っていてもこういう人がいるんだと存在を知り、考えること、受け入れることができる。いろんな意見が飛び交う時に残酷なこの場所に希望が見いだせる。

ところで、ひきこもりっこの「サイト」が具体的にどんなコンテンツかは出てきませんでした。この劇の初演は2001年とのこと。時代にすごく敏感ですね、当時インターネット世界に対してもうこんなにも精細で希望的な描写ができたとは。劇中にはスマホで「サイト」を閲覧する人たちが大勢出てきましたが、やり取りの仕方から推測すると掲示板かな?今でいうととSNS投稿とリプライでのやり取りのようにも見えましたが、あくまで「サイト」。流行り廃りがものすごく早い分野だから、ニュートラルな表現になっていたのかなと思います。

 

最後、ひきこもりっこはついに外に出ます。サイトで知り合った仲間たちに会うためです。HNや言葉のふるまいからは想像がつかなかったほど、みんな平凡でありふれた人達でした。そしてずっとひきこもりっこを見守ってたロビンちゃんは、2人のお気に入りの嵐のCDを渡してくれます。ロビンちゃんはひきこもりっこのお母さんだったんです。ただCDを渡して去っていくお母さん。舞台はただただ沈黙。顔を合わせれば喧嘩していても、ひきこもりっこと向き合える距離から見守ってた。気づかないようにしているだけで、味方って自分で思っている以上に身近なところにいるってことなんでしょうね。

 

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「ミュージカル座 ブロードウェイミュージカル「スペリングビー」【20180526 13:00-@六行会ホール】

行ってきました(´ω`)京急線で初の新馬場に降り立ちましたが会場周辺に小さなお寺さん神社さんがたくさんあってバイブス上がりました(?)私が観る河西さん出演のミュージカル座舞台では初の六行会ホール(いつも光が丘だったから)。

 

スペリングビーとは大会のお名前。英単語のスペルを正確に暗証することを競う大会です。

噂に聞いていたとおりかなり観客参加型。開演前には出演抽選のスタッフさんが、ロビーで箱と用紙を持ったお弁当屋さんスタイルで応募を募っていました。

 

参加型舞台のトラウマ体験記

初めて観る舞台なのでどんな感じの出演なのかまったくわからなかったけど、観劇後にやっぱ応募しとけばよかった!と後悔したくなかったので、来場記念に一応記入しました。
こんな偉そうなブログを綴っている私……英語は全然できません。悲しいくらいできません、英語ができていたらもっと違った人生を歩めたんじゃないかと悲観してしまうくらいできないのです。それを正直に応募用紙に記入しました。

「英語は得意ですか?→苦手
 特徴自己PRしてください→exceptとexpectの違いがまったくわかりませんが、河西智美さんのファンです。」

応募を提出した際、内容確認したスタッフさんに鼻で笑われ、無いなwと確信したのですが、入場して席についてしばらく。当選した来客をスタッフさんが点呼していきます、4名呼ばれました。

 

スタッフさん「xx列nn番の優気さん、いらっしゃいますか?」
着席してる私「!!?!??!?」

 

ということで正直、ステージに上がり玉砕して客席に戻ってからの記憶がない(笑)。

非日常の経験に冷静にステージを鑑賞する余裕なんてなかったです(´ω`)なので、以下この記事にはステージに上がった時どんな感じだったかを載せておきたいと思います。今でも思い出すと冷や汗が出る…w

 

呼ばれてしまったのでスタッフさんのもとへ行き、説明を受けました。
客席を空けるため荷物をクロークで預かるということでお渡しして、名前の確認、スペリングビーの簡単なルール、あとは「なんとかなります!(爽やかな笑顔)」という説明。マジかよ…www

 

入場して、ステージに上がり、雛壇みたいになっている席に案内された。何を言ってるかわからないかもしれませんが、ひょんなことから私は観客がたくさん座っている六行会ホールのステージに上がりました。

ゲスト1人につきキャストの方が一人ついて座る場所に案内された。私はたしか、ヘルメットを被った男の子(役のキャストさん)に案内していただいて「どこから来たの?」と聞かれ、千葉だよと答えたら東京より遠いの?みたいに場所を聞かれた。

 

前を向くと客席があるんですねえ。すごい景色。手前の7,8列目くらいまではステージ上の照明でぼんやりながらきちんと顔が見えるんですよ。緊張した時「みんなジャガイモだと思え」なんて言われるけど無理だと思ったよ。人だよ。

スペリングビーなので、英単語のスペルの出題がされるのでそれをアルファベットを口頭で言って回答していきます。私に出題されたのは「fear」。なんて簡単な。でもこのスペルとっても単純なのに頭が真っっっっっっっ白になって、ヒントももらったけどなんの役にも立たなくて会場から笑いが起きて、「フィだけどphの発音だったりするのかな」と裏を書いてすっ転んで玉砕一番手になりました…(´ω`)

 

答えを間違えると、とても悲しい音楽が流れてキャストみんなも哀れみの目で見てくる。キョロキョロしながら河西さん演じるオリーブちゃんの方を見てみると、やっぱり残念そうな目で見ていて現実を知る。というか、まあまあ近かったから顔認知していただいてたら「ああこの人私のファンだな」ってわかってくださる距離だったけど、ここはライトがついたステージの上。彼女はオリーブちゃんだった。河西智美ではない。オーラが違う。研ぎ澄まされた演技力ってすごいなと戦慄しました。

それにしてもこの後どうなるんか???っていう大混乱の中、イケメンのお兄さん(おそらくスペビー大会主催者とかゲスト役)が両腕を広げていて、え?って顔したら(俺の胸に飛び込んでおいで)って微笑まれたので近づいて行ったら哀れみの抱擁をされ、(一人目の脱落者わいなので)会場からまた笑いが起きた記憶だけが残っていますw wそして参加賞にスペビーのロゴ入りのリンゴシューズのパックをもらってステージを降りました…。

 

思い出すだけですごい恥ずかしいw w  その後の小さい子たちには「UFO」とか「E.T」とか出題されてたのに私だけ酷くない?かませ犬か?wと戻った客席で思ったことだけは記憶にある。しかもFFさんで一方的に存じ上げてる方とかも客席にいらしてたの見てたから本当に忘れてほしい…

 

でもこんな経験、大人になってからするなんてなかなかないことですよね。それに私の性なので「こんな経験しました!」ってブログに書き残して成仏したかったので、意を決して書いてみました。後にも先にもこんな舞台、スペビーくらいじゃないかなw 他には観たことのない面白い舞台でした。

 

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備忘録というかメモ:「華 ~女達よ、散り際までも美しく~」【20180429 13:00~@紀伊国屋サザンシアター】

以下に書く2018年4月「華」と2019年2月「巫女ガール」は、演出・出演キャスト的に同じ劇団っぽかった。

 

【出演】河西智美、花奈澪、小林れい(夢みるアドレセンス)、MIHO BROWN(Red Print) 、Kie(Red Print) 、久下恵美、服部紗弥、立川ユカ子、白井美貴、安川里奈、山城屋理紗、木下桜、山下愛実、朝比奈阿紀、小松玲菜、山崎愛華
【脚本】鈴木哲也
【演出】大関

「華」は歴史物の舞台だったのでもっと大河ドラマ風というか、お硬いイメージの台本を想像していたので、雑談に花を咲かせる2人を見てすぐにわたしでも理解が追いつきそうな舞台だなとほっとしましたw

豊臣秀吉が亡くなった夜、おねとちゃちゃが酒を交わすシーンから始まります。おねを演じる河西さんの声の張り方がいつもと違っているんです。秀吉を亡くした未亡人、身分も高いし年齢も上。年の功を感じさせる太い、深みのある声でした。開演してすぐに、河西さんはまたひとつ高みをのぼっていったなぁと感慨深く思いました。

 

舞台セットが面白くて、ちょうど金細工の黒い重箱を川のようにうねうねと1段ずつ配した舞台になっていて、地のステージから6段くらいにはステージの階層があったでしょうか。

その舞台を使った人物の表現がとても秀逸でした。おねは年齢的にも身分的にも高貴なので、常に他の登場人物より上の段のステージにいます。一番下の段はお屋敷の玄関口(人が訪れてくる場所)として用いられることが多かったですが、そこからおねがやってくる場合は大抵へりくだってお願いにやってくるシーンだったり、自分の立場に戸惑って相手に意見を求めるシーンだったりするんですね。微妙な心境がステージの立ち位置に出ていて、それも結構細かく考えられて配置されてるように感じられました。

 

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備忘録というかメモ: スーパー・エキセントリック・ガールズVol.2「巫女ガール」【20190224 12:30- @CBGKシブゲキ‼】

【出演】河西智美、兼田いぶき、小林れい(夢みるアドレセンス)、根岸愛、後藤紗亜弥、内藤もゆの、夏目愛海、花奈澪、久下恵美(SET)
<SET>立川ユカ子、木下桜、新貝紋加、山下愛実、小松玲菜、山﨑愛華、鈴木かぐや
<G-Rockets>松林篤美、馬屋原涼子、齋藤くれあ、樋口遥香
【脚本】木下半太
【演出】大関真(SET)

 

2019年1本目は「巫女ガール」でした。ソロライブでは「台本が上がってこない…!けど初日必ず開けますから…!」と意気込んでいた河西さんでしたが、無事に素晴らしい舞台を観させていただきました。

 

ツクヨミの巫女、マジでかっこよかった…!いつもは"ザ女性"な役を演じることの多い河西さんが、途中で姿を変えるシーンで低い声でツクヨミと名乗ったのが不意打ちすぎてとにかくかっこよかった。そこだけは今でも鮮明に覚えてる。

 

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以上、河西さんが出演されたうち2018-2019年の舞台でブログ記事を出せていなかったものを、(キャスト備忘録として残したかったこともあり)無理くり覚えていることを書き残した記事でした。というか、スペビーのトラウマ供養ですw

 

結び:2023年の今おもうこと

河西さんの舞台観てぇえええええ

つい叫んでしまいました…。河西さん以外の推したちは舞台もあるんですが、コロナ明けてから妙に映画など映像作品が増えたように思います。でも演劇の舞台が観たい…観たいんです先生…。

 

今は結婚して育児生活で大忙しと思いますが、FCイベントやユーチューブからまた活動を少しずつ再開してくださっています。なのでいつかまた、河西さんが舞台に経ってくれる日を心待ちにしているのでした(´ω`) -fin-