優しかった気持ち

人がつくったものが好きです。AKB48劇場公演。

舞台「いわかける! -Sport Climbing Girls-」【20220217 14:00-&20220220 12:00-@サンシャイン劇場】

瑞葵ちゃん、コロナ療養復帰から1週間もしないで「いわかける!」初日の幕開けてから千穐楽まで完登しました。本当にすごい方です。

 

初日&村山さんゲストということで初演と、千穐楽日の昼公演を観てきました。感想は2公演ごちゃ混ぜで、ネタバレ・辛い感想等を含みますのでご注意願います。

 

出演:山内瑞葵/浅井七海/大盛真歩/久保怜音/千葉恵里/武藤小鱗/佐藤美波/福岡聖菜/長友彩海/鈴木くるみ/稲垣香織/山邊歩夢/吉橋柚花/茂木忍/小林蘭

日替わりゲスト:
 村山彩希(2/17昼)/加藤玲奈(2/20昼)

幕前ショー&前座&前説メンバー:
 山根涼羽&下口ひなな(2/17昼)/道枝咲&安田叶(2/20昼)

脚本:松多壱岱

演出:私オム

原作:石坂リューダイ

iwakakeru-stage.com

ライブパート
1.大騒ぎ天国(2/17昼)/1.チーム坂(2/20昼)
2.希望的リフレイン
3.ひこうき雲


(2/20昼)加藤玲奈卒業セレモニー
1.桜の花びら

 

出演者たちの感想

部活に駆ける青春作品は数多ありますが、流行ってるとは聞いてるもののボルダリング、クライミングは未知の世界。初めて見聞きするものばかりでとても新鮮でした。聞いたことのない用語、大会やルールを出演者たちが説明してくれる場面が多くありました。

 

そういう意味で言うと、部長である幸与(まほぴょん)はへなちょこには務まらない役だと思いましたし、大盛さんはそれを全うしていたと思います。キャラクター的にも先輩で年長の落ち着いた存在ということで、一言一言丁寧に説明してくれる場面があり、きちんと物語の世界を知ることができました。大盛さん自身がアニメ好きということもあると思うのですが演技自体がアニメの世界、キャラクターにしっかり寄っていて頑張っているなーと思いました。

 

私は平気で辛いことを書いてしまうのですが、期待を込めて申し上げると、そういう点では隼ちゃん演じる浅井さんはもう一歩という感じがしました。舌がまわりきらずというか早口というかで、説明がよく聞こえない場面があったからです。ただ彼女の生真面目な性格が隼とマッチしていたし、好ちゃんと対になる役としてはなーみんしかいなかったでしょう。浅井さんをよく知らないけれど外でも村でも舞台経験はあまりないのかな…? これから呼ばれる機会は増えるだろうから楽しみにしています。

 

野々華ちゃんはいかにも怜音って感じがしてしまって、ああこの人卒業しちゃうんだよなーっていう切なさが強かった。彼女は何かに秀でているということのは正直私は感じないのだけど、何かの技能が秀でているから素晴らしいというわけではないのがアイドルの世界で、そういう意味で言うと怜音はまだAKBにいてほしかった。「AKBは19歳から」だと思っているので、これから何かが始まるはずだったのに、と上演中そんな思いがずっとありました。あと応援団になって学ランきてるのかわいかったし、ゲストパートのアドリブも笑わせていただきました。ありがとうございました。

 

アニメ好きということで言うと、この舞台で今までで一番輝いて見えたのは佐藤美波さんでした。私が劇場公演で見てきたさとみなちゃんはいつもどこか小さくて(小さいんだけど)控えめで自信なさげに見えていたんですが、彼女が大好きなアニメ原作の舞台に出演ということで、「下っ端データクライマー」の異名をもつ丸乃はぴったりでした。あんなにイキイキとしてるさとみなは初めて観たといっても過言ではなかった。アニメ作品やアニメキャラクターへの敬意を感じた。Twitterや言葉選びにあふれ出てしまってるヲタクっぽさというか、もっとそのキャラ出していいと思うんだけどなー。彼女もこれから楽しみな子の一人だったりします。

 

あと茂木(笑) 十三さんなるおじさん役って聞いて笑ってた頃が信じられないくらい、ただのイケおじなのよ。開口一番「筋肉は裏切らない(ドヤッ」でも笑いどころか恍惚としてしまうかっこよさがあるのよ。筋肉って確かにいつも自分と共にあるよなー筋トレやるか―と思いました(思っただけ)。スーツ姿もまたかっこよくてね。ただのイケおじなのよ(二回目)。これは娘の菊ちゃんも「結婚する?」って聞いちゃうわ。

菊ちゃん役の小林蘭ちゃんは、はーたんの代打が急遽決まったのですがかなりハマり役。ほわっとしていながら芯のある菊ちゃんにぴったり。けど同時に、はーたんの演技で見てみたいキャラクターでもあったなと。今はゆっくり療養してほしいけどね。

 

ゲストの彩希ちゃんも、ゲストにしては結構しっかりセリフのある役だったけど、魔法使いキャラをいじるなどして好ちゃんの脚をなでなでしていました(※シューズショップの店員さんの役です)。初日公演だったのでまだ客も演者も2.5次元特有の雰囲気に慣れ切ってない感じがあったんだけど(どこでどうリアクションしたらいいかとか)、その雰囲気を変態キャラでぶちこわしてずっきーの小ネタを混ぜて笑いを起こした彩希ちゃんは、さすがすごいなぁ。若いメンバーや初舞台というメンバーも多い中だったのであれはナイスアシストだったんじゃないかと思います。

最終日のゲストはれなっちで、このご時世なので卒業セレモニーも兼ねてのゲスト出演。れなっちと演技ってイメージが繋がらなかったのですが立派なものでした。なんというか、大人になったなあ…。

 

アニメの舞台化って難しいよなと思った話

アニメ特有の空気というか、間というかが48のヲタクには微妙に慣れないところがあったなーとは終始。初日は特に初めて見るものだったからなおさらそうだったけど、メンバーたちはみんな自信をもって頑張っているから応援したくなるし、まだあまり馴染みのなかったボルダリング×2.5次元舞台というテーマ自体がかなりハードル高めだったとは思うんだけど、舞台演出なんかもできる限りアニメの世界を生かそうと尽力していたと思います。

ボルダリング自体は、本物の岩ではなく横に置かれたポールや足場を握って登っていく感じなんですが、映像のマッピングでキャラ達がどう足場をみているのか、それこそ「パズル」みたいにわかりやすく表現されていました。初日は2列目だったので見えづらかったんですが、最終日に後方の席でみたときにその表現の有難さをより感じました。大会会場のパネル画面よろしく、クライマーの名前や学校名が表示されていたんです。登場人物が多い舞台なので助かりました。それにクライムする表現自体、演者が足をかけるごとにミシミシとリアルな音がぴたりと鳴っていて、本当にボルダリングのカラフルな岩場を専用シューズで上っているように感じました。あれは演技ごとにタイミングとかあると思うんですが、演出と演者とみんなの努力によるものと思いました。

 

最終日を迎えるころにはなんだかんだで主題歌の「もっと高く」by鈴木愛奈さんをヘビロテするくらいにははまったし、歌詞をくちずさみながら踊ってる好ちゃんとかね。ああ、幕開けられてよかったね本当に座長…頭が上がらない。美音もツイートしていたけど、ずっきーあなたは偉い! あと書くタイミング見失ったのでここに書いておくと、ライブパートに「チーム坂」もってきたのは偉い…!部活がんばってる若者の曲だしいわかけるにもマッチしてるし、センターはなみずきだし素晴らしい。

 

好ちゃんこと山内瑞葵さん

本当に大変だったと思うんですよ。「六番目の小夜子」に出ていた1月の時点でお稽古が同時進行してると言っていて、さらにそこにコンサートがいくつも…。そこに新型コロナウイルス陽性という、治るものも治らなくなっちゃいそうな忙しさの中で、本当に無理だけはしないでほしかったから2月頭のコンサート中止と併せていわかけるの舞台も延期や最悪中止でもいいんだよ…と思っていました。

でも座長が不在の間にもメンバーたちは稽古を進めていて、この人たちマジなんだなって熱意を覚えました。みんなが瑞葵ちゃんの復帰を待ってる、だから瑞葵ちゃんも奮い立ったと思うんですよね。本当に本当に不安でなにもできずに辛かったはずなんですけど、初日の幕が上がった瑞葵ちゃんはそんなこと微塵も感じさせないくらい完璧なパフォーマー、笠原好になっていました。

 

おとなしくて自信がないんだけど実力はすごいものを持っていて、パズルゲームの強者になった能力でボルダリングを始めるという。才能あって本気を出すとすごいんだけどほわっとしているThe主人公な好ちゃんと、対照的に秀才で頑固者な一匹狼の隼ちゃん。いいツインだったなー。そことなく百合っぽさを感じてしまうのもアニメ特有の何かなのかな。平素よりなみずきを見ていて思っていた「重さ」を役の中の関係にも見た気がしました*1

好ちゃんの好きなシーンは、「私の弟子になったのだぞ!?弟子が師匠の大会を見に来るのは当然なのだぞ!?」みたいに恥ずかしそうに半ば混乱しながら(笑)菊ちゃんを説得しようとしてるシーン。あれ一歩間違えたら演者の瑞葵ちゃんも混乱しちゃって収集付かなくなりそうだなと思ったのですが、そこはさすがの実力。しっかり笑える場面になってました。瑞葵ちゃんはすごいなぁ。

ボルダリングの壁を前にしてルートを読み解くのに集中してブツブツいってる好ちゃんもかっこよくて。頭脳と体力と両方が特に必要なスポーツなのだと思います。普段ほわっとしているんだけど、ステージ上がると飛んでもないパフォーマンスを発揮してしまう山内瑞葵さんとかぶる部分ありますね。握手やお話会でも、結構ブツブツ何か言ってることあったなーって()。そんなところと実力のギャップが可愛かったりするんですけどね。

初めての主演舞台、それもコロナ療養明けの限られまくった時間の中で幕を開けた舞台。それは瑞葵ちゃんのこれまでの経験や考え、実力があってこそ成し得たもので、普通だったら延期とかなんらかの対応が必要だったと思います。過密スケジュールを組んだ運営が彼女の実力に頼り切っているような気がしないでもなくて、若干もどかしいというのも正直なところですが…。そんな本人は忙しいほうが性分に合っているみたいだから、俺は何も言えん。そういうところが瑞葵ちゃんのプロ意識の、かっこいいところなんだがな。だがしかし無理はするな―!(´Д`)

全公演の完登、本当に本当にお疲れ様でした。次にまた瑞葵ちゃんやみんなの演技を観る機会を楽しみにしています。楽しい作品をありがとうございました!

 

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*1:個人的な見解ですが、なみずきはゆうなぁの次に"心配"している関係のペアなんですわ。依存という意味でね

TOMOMI KASAI 30th ANNIVERSARY LIVE 【20220321 17:30-@目黒Blues Alley Japan】

当日に第1部&第2部それぞれのセトリを掲載した記事に、そのまま感想を連ねてまいります(´ω`)セトリは記事の一番最後に載せています。

 

マタニティライブ

本当は2月に行う予定だったライブがコロナ禍の状況を鑑みて延期に。3月21日にリスケされて開催。本当は2月に実施して「妊娠報告」をする予定だったようなんですが、それがひと月ずれたということでおなかは予定より大きくなり。妊婦さんの1ヵ月の差は大きいものだと思うんですが、つわりなどもあまりなく体調は万全、準備や確認も万全で当日の2公演が無事行われました。

第1部は映像での鑑賞で、第2部は会場で楽しませていただいたのでこの記事では第2部のほうの感想を書きますが、

オープニングからまさかMineキエタイクラ今さらさらとシングル4曲をぶちかますマタニティ河西さん。4曲目の今さらさらなんてCメロ?がめちゃめちゃハイトーンだから歌うにもパワーがいる。相変わらずの圧倒的な歌で聞く者たちを包み込んでくれたわけなんだが

大丈夫??産まれない??

私だけじゃない、きっと会場の誰もが固唾をのんで見守っていたはず。私は今回も運が良いことにDテーブル(上手側の最前方)でステージ真ん前の席だったので、万が一、本当に万が一推しが産気づいてふらつきでもしたらその体を支えにいくか!?などとひっそり覚悟していましたが、無事に歌い終えてのMC。

シングル曲を4曲続けて聞いていただきました。本当は続けてSTAR-T!も…と思ったんですが、そうしたらさすがに生まれちゃうので

本人も思ってたわ

まさかはボサノバ?じゃないけどゆったりなテンポにアレンジされていたんですが、まさかをこんなにしっぽりとした気分で聞くの久しぶりだなーなどと。

 

大好きなMineも記憶によると確かフルサイズで、あの大好きな世界を堪能できました。それで私ステージの真横の席だったんで、バンドの皆さんがよく見えるんですけど

Mineサビのドラムかっこよすぎん?

ゆたぽん氏がひときわ輝いて見えた。細かい音符叩くところとかな。私リリースからずっとMineがシングルで一番好きなのですが、この日わかりました。ドラムのサウンドが癖になってるのだと。MVのイメージも相まって螺旋階段をかけおりるような印象を持っていたサビなんですが、それを先導しているのは軽快で小気味の良いパーカッションだったのだと。ありがとうMineドラムス、フォーエバーMineドラムス。

しかし本当に、体を大事にする繊細な時期だというのにパワフルな歌は健在。「歌っているときのほうがむしろ呼吸が安定して楽になる」のだとか。かっこいいなあ。子にも届いていることだろう。胎教にいいぞ。

 

ミュージカル劇中歌パート

MCを挟んで、今度はミュージカル劇中歌パート。出演したミュージカルから3曲を披露したのですが、アイランドの「自由に飛びたい」は私の大好きなやつや(´;ω;`)ティモーンが車を見かけて楽しそうに歌うんですよ。あの無邪気な感じが、顛末を知っているとまたジンときてしまうね…。音楽もカリビアンな明るいもので、このミュージカルの音楽を担当された方がディズニーに近いところにある方で聞いてるだけで楽しくなる音楽です(2017年アイランド観劇時のブログに書いたのでそちらに)。

アニーのトゥモローも名曲。私もクリスマスコンサートの会場でついうっかりCDを買ってしまいました(´ω`)德山さんのファンです← 元気が欲しい時に聞いたり、口ずさんだりしますね。河西さんも話していましたが、コロナ禍で上演できるかできないか、中止になってしまうこともある中で支えになってくれた光のような曲です。そんな歌を河西さんの独唱で聴けたのはとても耳が幸せでした。

 

クイズ大会

そしてMCパートでは、かつてないくらいの大々的なクイズ大会!商品はサイン入りのグッズパーカーと、なんとサイン入り防災グッズ入りのリュック…。先日大きな地震があったばかりなので何かあった時用にこれにしたとのことなんですが、景品のチョイスが河西さんすぎる。すばらしいのよその発想が… まあクイズが難しすぎて小物のヲタクは爆ぜ散りましたが(´ω`)

「問題:秋葉原ドン・キホーテエスカレーターの壁で「ギンガムチェック」のジャケ写が飾ってあるのは上りエスカレーターで何階から何階の間でしょうか?」じゃあないのよ。上っていくときの偶数回目の壁というのは感覚的に分かったんだけど、2-3階か4-5階かで迷った挙句に爆ぜ散り、自信をもてるはずの劇場関係の問題でこれなので俺は…もう、勝てねえ…となりました。精進します。防災グッズは自分で用意します(しろ)

 

ライブに戻り

そしてLovely daysをステージ真横で見ていて思った。この曲はギターがかっこいい…最後のキーボードもかっこいい…と。この会場も何度目かわからないくらい来ているけど、そのたびバンドの皆さんにもまた楽しませていただいているのだと。

クイズ大会の時にあまりにも席から近いところでフリップ書いているので、「ナットウエンジェルって知ってます?」なんて雑談をふっかけてしまいました(´ω`)山ちゃん氏とよっしー氏あわせて「わからない」とのことでした(それはそう)。

 

アンコールの夕陽を見ているか?は本当に嬉しかった!ハーモニカもいいのよ、かっこいいのよ…。本編ラストの未来へと相まって、自分やその周りの人たちを優しく照らすような歌詞の楽曲たち。いいねえ。二回目だけど、胎教にいいよ絶対。

最後はまた大好きなEnjoy your life!で締め。このライブ後は出産に向けて活動が控えめになるけれど、子どもを産んでからも母ではなくアーティストの河西智美として、また必ずステージに戻ってきます!と言ってくれました。彼女が舞台でのお仕事に注いでいる情熱を感じる言葉でした。これはファンにとって本当に嬉しく有難いことなんです。

 

出産や産後の子育てだってとてもとても大変な毎日になるけど、AKBのあの時代を乗り越えているから大丈夫だと思うし(第1部の板野先輩のアドバイスより)、そんな新しい経験をたくさんたくさん踏まえて成長していく河西さんが楽しみ。きっとこれまでにはなかった味が、演技や歌の表現ににじみ出てくることだろうからね。

大変な時期のライブになってしまったけど、無事に開催出来て、みんなで楽しめる現場でよい1日でした。ありがとうございました(´ω`)また会える日まで!応援してます

 

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舞台「六番目の小夜子」【20220109 13:00-&20220115 18:00-@新国立劇場 小劇場】

1月9日と15日の2公演を観劇してきました。原作と呼ばれる小説がありはするのですが、もしも本当に原作どおりの脚本だったとしたら容子ちゃんはTop of モブキャラ(途中100ページは出てこない)なんですよね。だからほぼオリジナルの舞台を観る気持ちで改めて2回目行ってきたら、違う観え方で楽しめました。

ネタバレ等々気にせず感想を書いていますので、気にする方は閲覧注意でお願いいたします。

 

出演 :鈴木絢音乃木坂46)/尾碕真花高橋健介/熊谷魁人/山内瑞葵(AKB48)/飛葉大樹/仲美海(劇団4ドル50セント)/大原由暉/志田こはく/花崎那奈(ボクラ団義)/緑谷紅遥(ボクラ団義)/山本涼介森下能幸

総監督:鶴田法男
脚本 :小林雄次
演出 :井上テテ
音楽 :小畑貴裕
舞台監督 :白石定
舞台美術 :福田暢秀
照明 :阿部将之(LICHT-ER)
音響 :筧良太
衣装 :前野里佳
ヘアメイク:青山亜耶
演出助手:高島紀彦
宣伝美術:西村恭平(Balloon)
制作 :倉重千登世、有賀美幸、竹田梨乃
企画協力:新潮社
主催 :舞台「六番目の小夜子」製作委員会

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青春ミステリー

まずは恩田陸さんによる原作小説の感想。自分は舞台化が決まってから恩田さんの小説『六番目の小夜子』を拝読しました。ドラマは見たことがありません。
読後の感想は、「どこがホラーなんだ? さらには沢木容子ちゃんが彼氏のいるイケイケ陽キャの女の子だけど、途中100ページは出てこないモブキャラだし舞台どうなるんだ?」というものでした。

さらには小説自体はホラーではない。小夜子伝説に翻弄されて不思議なことが起こるたび伝説のせいにするような、でもそれらにもきちんと因果があって噂はただの噂でしかなく、「青春のせい」で片付けて最後は笑えてしまうような青春ミステリーだったんですよ。恩田さんの筆力も相まって自らの高校時代、校舎の風景や匂いを思い出すような、素晴らしい小説でした。

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原作殺し

舞台の感想にあたり、先に監督・制作陣にたいする辛い感想を書かせていただきますね。
これを書き出さないことには、推しの演技の賛辞へ移れないので。

 

今回の上演のコンセプトは「ホラーとして六番目の小夜子を舞台化する」というものだったらしく。率直な感想を一言で申し上げれば、この舞台の脚本自体は原作殺しの二次創作でした。あくまでも小説のファンになった身としての感想、ということですが。

まず文化祭で「小夜子」を上演するのに体育館のシーンがないなんて。

これは原作の感想ですが「小夜子」の舞台自体が非常にワクワクするんですよ。小さな音にも敏感になって、その場の恐怖で生徒たちがだんだんおかしくなっていって、怪奇現象が起きるっていうあのスリルがよかった。「小夜子」の演技方法や、その台本自体も面白いものなんです。演劇界では邪道なのかもしれませんが、高校生の文化祭の演劇ということではそういう特殊なものもありじゃないですか。

今回の舞台作品ではそれが見れるのかなと期待していたんですけど、そもそも演劇部が演じるという設定にガラリと変えられてしまっていた。要の劇中劇が軽視されてるというか、ホラーに特化させたい監督にとってはどうでもいい要素だったんだなと受け取れてしまったことが残念でした。

会場が小劇場だったのも、シーン再現の枷になってしまったのかなと思いました。メインステージの理科室(演劇部の部室らしい?)は場面転換が不可能。細かな作り込みで、小道具も所狭しと並んでいる。そのメインセットの上(2階)にはいわゆるホワイトキューブ的な空間。石碑やベンチなどセットを置き換えることによって場面を変えられる仕様。理科室の机はどうしてキャストが客席に背を向けて座らないといけない配置なんだろう?と不思議でしたが、文化祭の日の「小夜子」を演じるシーンではっきりと理由がわかりました。コンテンポラリーなパフォーマンスを魅せるためのステージとして使うからです。

もしもの話ですが、例えば中劇場の方でできるんだったら、あそこにはステージに回転盤があるはずだから場面転換ができて、そうしたら体育館のシーンを用意することもできた。とはいえ小劇場でも、せめて真っ白な2階空間にパイプ椅子を並べてキャストの生徒たちに順番に朗読させていくとかそういうのでもよかったじゃないですか。

なんで?なんで監督。

恩田さんの脚本・演出が素晴らしかっただけになあ…。この舞台に際して原作を読んだ程度の人間ですが、これは原作の良さを殺してしまってますわ。ホラーという要素自体がこの作品に合ってないと言っておかないと浮かばれないといいますか。

 

劇前半のThe 青春な学園ドラマな雰囲気は恩田さん原作をしっかりひいていてとてもよかったんだけど、後半、霊としての小夜子が登場してきたあたりから、いろんなことが変な方向に捻じ曲がってしまって、原作の良さが殺されてしまったというか、原作があるんだよというのも申し訳ないくらいの展開になってしまった。結果的に容子ちゃんが狂気に満ちて半イーリス化して、それはそれでホラー的にはいいのかもしれないけど出オチ?みたいな感じで勿体なかったです。

 

というのが原作ファンになってしまった私の、脚本・演出等に対する感想でした。

 

頑張る演者たち

そんな展開を承知して受け止めたうえでの2回目は、落ち着いて楽しめました。全く別物としてみればということですが。

「ホラー化」するのにマッチしてないというのは承知しているけど、それでも演者たちは頑張っていました。

主演の鈴木絢音さんは沙世子と"二番目の小夜子"の人格をあっちこっちする大変な役だったけど、彼女なりに演り分けているのは十分伝わりました。オリジナルにはない設定だからその切り替えにはだいぶ苦労されたのではと思いますが、後半に容子と二人で話しているシーンで軽くこめかみを抑えることで人格をスイッチしていて頑張っておられました。文化祭で「小夜子」を演じるシーンはダンスじゃないけど、不思議な身振り手振りがその華奢でミステリアスな表情と相まって雰囲気がありました。

 

ようちゃんこと沢木容子

瑞葵ちゃん演じる容子は、このシリアスな舞台におてんば女子の要素を添えています。生徒が集まって小夜子伝説を説明している時に、レンタルで借りてきたホラービデオを取り出して隣に座ってる雅子にニヤニヤしながら話しかけていたり、とにかく明るくてやんちゃで元気な女の子。

舞台のセットの理科室の大きな机。天板が黒くて不燃のやつですね。あれはクライマックスの文化祭で「小夜子」の台本を演じるシーンでミニステージとして使う都合上、どうしても横向きに常時配置する必要があるようでした。だからその机に座る時、どうしても客席に対して後ろ向きになってしまうことがあったのですが、演劇部の練習のためにジャージに着替えた容子ちゃんが先生を追っ払って(瑞葵ちゃんがこのキャラクターやってて特に新鮮だったポイント)、客席に背を向けて座ったんですよ。

その後ろ姿の耳のかわいさったら、まあどうしましょう(語彙力)

瑞葵ちゃんのことは研究生公演の頃から気になってずっとウオッチしてきましたけど、思えばこんなにまじまじと推しの後ろ姿を眺める機会などなかったし、ましてやポニーテールで首元後頭部がスッキリしている状態でその大きくかわいいお耳を背後から拝むことなど後にも先にも巡ってくることのない機会でしょう……と双眼鏡を握りしめていました(表現がキモい)。細くてスタイルが良くて本当に綺麗な子です。

 

容子は演劇部部長の雅子と仲良しでこれは小説から変わらない設定なんですが、舞台では「まあ」「ようちゃん」ってお互いを呼んでいるのがすさまじく可愛くてハアアアン(限界)ってなったし、容子ちゃんの「まあ」の呼び方がシーンによって喜怒哀楽変わってくるのだけどいかなる時も親しみはしっかりあって、それが愛しかったので、私も生まれ変わったら「まあ」って呼んでもらえる名前で生まれてきたいです(?)

 

個人的に好きだったシーンは、沙世子がもつ鍵を狙って彼女の荷物が物色された事件の時に、部室にカバンを置きっぱなしにしていた容子ちゃんが大慌てで飛んできて自分の荷物をガサガサ確認するシーン。

そこに現れた男子生徒に呆れられて「津村さんみたいに自分のファンに物盗られたと思って?」「そうー!」と焦りつつノリツッコミしちゃう陽キャなところを覗かせるのが面白かったし、その男子に対してムカついたような表情するところとかも。あとは着替えの時に「覗かないでよー!」ってあっかんべーするようなところも。

あんなに感情を表に出して笑ったり慌てたりエゴイズム剥き出しだったりする瑞葵ちゃんって見たことがないから、容子のキャラクターで演っている一挙一動が大変新鮮でした。

 

先に書いたように後半の展開が完全オリジナルだったわけですが、文化祭の演劇部の芝居で「雅子が沙世子を主役にしようとしてる」というコソコソ話が小夜子(沙世子ではないと思う)によって噂になってしまい、「まあは私にいい役をくれると思う」と信じてた容子の(かわいい)耳にも届いてしまいます。この噂が流布してしまったのを雅子本人に訊きにいく容子が、「まあ?」って話しかける時のあの元気のない声がまあああ可愛くてドキッとさせられるんですね(まあまあ言い過ぎである)。

こんな感じで友達とコソコソ話してる人いたなあと、中高の頃の学校の風景を思い出してムズムズしました。感情を誘ってくるのがうまいなあなどと思いました。

 

容子ちゃんは結局この文化祭のお芝居で演出の役割を担当することになるんだけどうまく台本が書けず、いわゆる"小夜子の呪い"な感じで段々と苛立って様子がおかしくなっていきます。そして小夜子が悪戯に容子に渡した赤い台本(「小夜子」の物議を醸したオリジナル台本)に不穏な着想を得て、体育館を燃やしちゃえばええんや!ととんでもない演出をやることに血眼になってしまうんですね。あの狂った感じの笑い方は、それこそマジムリ学園LOUDNESSのイーリス様で培われた、邪悪で荒んだ感じになってしまっていて見ていて怖かったですね。

 

(これは監督に対する文句ですが、本当にこの展開で「六番目の小夜子をホラーにできる」と思っていたんだったらちょっと頭冷やしてこいや…。こういう青春ものの舞台って特に、監督や脚本演出によって本当にムチャな演技を要求されたりしがちだなというのをいくつかの舞台を見てきて思うことがあり、今回も正直に述べればそうでした。ムチャぶりレベルとしては低い方だったと思うけど)

しかしそれにしてもこの急展開すぎる要求をしっかり呑んで、火災を起こすことに血眼になっておかしくなっていきつつ、最後にはすんごいシュンと肩を落として「ごめんなさい」って雅子に謝りにくる容子ちゃんは、この舞台の中で喜怒哀楽を360度まわってくるとても表情豊かな役でありました。それをこなせちゃうことが彼女の凄さだなと感じています。

 

 

いわかけるへ

小夜子の舞台の中後に、成人式イベントやフレッシュメンバーコンサートなど複数のコンサートに出つつ、2月頭に予定されていたAKB単独コンサート等々のレッスンに、主演が決まった舞台「いわかける」のお稽古…。

そりゃどの瑞葵ちゃんも観たくて楽しみにしているけど、それじゃ体調崩した時に治るものも治らなくなっちゃうよ(´;ω;`)1月頭の段階で「舞台の稽古が同時進行してる」って話を聞いていたので、そんな無茶してたら倒れちゃうよ…と。

瑞葵ちゃんの体調が戻って今日のオンラインお話会から復帰で、そのタイミングで運よく券があったので話したけど、いわかけるのお稽古は「これから追い付かなきゃ」って意気込んでいたので、本当に来週幕が開くんだね…。無理はしてほしくないけど、ステージに立つ人間の多忙さとか"無理を無理と思わずに立ち向かう覚悟"みたいなものが垣間見えたので、心配しすぎるのも違うのかなと思ったりなど…。

ほんとにほんとに仕事に対して健気な人です。「六番目の小夜子」お疲れ様でした。「いわかける」も楽しみにしてるから、怪我しないでね(´ω`)素敵な舞台になりますように…

 

 

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第4回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦決勝大会【20220112@舞浜アンフィシアター】

ただの雑感なんですが、雑感とか感想とかレポとかって自分で言い分けるのもうめんどくさいので(ひどい)、とりあえず思ったことをつらつらしていきたいと思います。全員に触れられる知見はもたないので、覚えておきたいことだけ。そういうブログです。

 

目に見えないものに数字をつける

これまであまり興味なくて番組も見たことがないんですが、「お出かけ」中の推しが初参加するということと、そんな村山さんがチケット申し込み期間中に珍しく宣伝ツイートしてるのを見かけたので、そんな言うなら投げてみるかと思って投げたところ当たったので行ってきました。

聞けばこの大会も4回目を数え、これまで好成績を残している岡田さんが最後に大勝負に臨む回とのこと。そこに重ねた推しの初参加。そして、ディズニー生まれディズニー育ちにとって舞浜というホームの会場で観覧できたことも嬉しかったです(といいつつアンフィシアター初めて←)

 

個人的に最近、私は"目に見えないもの音痴"なんだなと感じることが多くて、音楽のこととか特によくわかってないです。なので稚拙な感想しか言えないし、おそらくこの文体のせいで「偉そう」とか「批評家」って指さされてる自覚はあるんですが、私の"これまで"からしてこういう書き方でしか感想を表現できないので、「偉そう」に聞こえてしまったらごめんなさいね。そんなつもりはないことを先に断っておきます。

 

歌唱の感想

今回はとかく歌がうまい人々によって構成されたステージということで、まあ良いコンサートを聴きに行くつもりで行きました。審査員の人が「歌はその場で数分で紡ぐストーリーだ」ということを仰っていましたが、アイドルであり人間である彼女たちの「歌以外のストーリー」も多分に見られたイベントだったと思います。

というのも、私は出場者20名のことをよく知らないし、推している箱のAKBでさえも知らないことが多い。けれど彼女たちが「歌が好きだ」ということだけで十分で、何も知らずに初めての劇場公演を楽しんだ時のような、初見の新鮮味がありました。

 

音楽界隈は本当に疎いので、最近はやりの歌手やヒットソングの名前を挙げられてもわからないことのほうが9割以上ですが、それでも「これはaikoの歌い方だな」と思えばおだえりさんは本当にaikoに憧れてたり、「この人はミュージカルが好きなんだな」とか「民謡っぽい力強さがあるな」とか、彼女たちの"これまで”や"好き"という想いが歌声に乗っているんですね。彼女たちひとりひとりがこれまで聞いてきた歌、憧れて目指した声、表現を垣間見ることができたのがとても楽しかったし、本当に好きなんだなと20人20色の歌に浸らせていただきました。

 

基本的にAKB以外のメンバーははじめましてだったんですが、坂本愛玲菜さん(HKT48はアイドルらしい甘い歌声で他の演者とは違う色をしているなと。歌い始めてすぐに「あっ」と惹きこまれるものがあり、私のような素人でも親しみを持って聞けました。最終決戦に進んでそこで歌った2曲目は自分が好きだという歌をセレクトしたということでとても楽しそうに歌っていたので、観ていて楽しいステージでした。

今村美月さん(STU48はまさか「ブギートレイン'03」をぶち込んでくるとは思わなくてびっくりでしたが、あの場で藤本美貴に与えられた癖の強い歌唱を歌いきるってのはとんでもない実力の持ち主です。藤本楽曲は音の高低のふり幅がすごいので弱者にとっては鼻歌でも大変だった思い出がありますが、それをパフォーマンスで目でも見せながら歌いきるというのは本当にすごい人です。最終決戦のジャズもまさかで、手持ちのカードがどれも強い。しかもブギにしろスイングにしろ自分のものにしているのが凄まじい。

あとMISIA「逢いたくていま」をぶち込んできた矢野帆夏さん(STU48も素晴らしかった。サビに向かって盛り上がるにつれて会場をどんどん支配していく圧倒的声量と「あいたい」っていうメッセージの圧と。ライトの神々しさはビジュアルでも脳裏に焼き付いています。ディズニーシーと言えばMISIA先生だからその選曲も嬉しかったですが、個人的には神田沙也加さんに思いを馳せた1曲でもありました。作品の中ではアナを通じて彼女に会えるから、そういう意味ではいま逢える場所なんですよね。舞浜って。

ディズニーと言えば決定戦でモアナの楽曲「どこまでも ~How Far I'll Go~」を歌った方がいましたね。清水紗良さん(STU48か。モアナは生まれ故郷の島からひとりボートを出して未知なる海に乗り出していく勇敢な少女ですが、果てしなく無垢な海と空が見えましたね。…いや、STU強くない?(笑)海だから舞浜開催でパワー増したか?

でも思うんですよ、千葉県ってBUMPとかELLEとか名高いバンドの方々の出身地だったりしますけど、海があるぶん空が開けてきれいな光景(日の光の存在が大きい景色といいますか)がたくさんあるので、海がある環境って特別そういう感性が磨かれることってあるのかなーなんて思ってます。海が関係あるか、新潟のスーザンボイル三村妃乃さん(NGT48)も凄まじかったですね。選曲がどれも実力者じゃないと選べないものでしたし、そのパワーも圧巻でした。

そして古畑奈和さん(SKE48はさすがすぎて何も言えん(笑)。彼女が表現する歌のジャンルを私は全然知らないですが、世界にしっかりと引きずり込んでくれたので、嵐のような凄まじさの中でも置いてけぼりにはならなかった。歌って演技なんだなと。しかも歌唱前のトラブルでMCのマイクを繋げられる実力は、さすがSKEの劇場で鍛え上げられた彼女だなと思いました。一度ですが、古畑さんはいなかったもののKII公演に入った際に栄の彼女たちのMC力にはとても感激したので。

意外ということでいうと岩立沙穂さん(AKB48についても書いておきたい。推しを見る中で彼女を何度か観てきましたが、今回の決定戦には推薦枠?で勝ち上がってきたと聞いていたことと、オープニングのがちがちな表情を見てしまった(笑)から、だだだだ大丈夫?って思っていたんだけど。その心配は不要でした。本当に失礼しました。
出演者がみんな歌の世界に没入するために、歌う自分をつくって挑んでいる中、岩立さんは「ああ、AKBの子だ」と感じさせるいつもの笑顔(と立ってる小指)を見せてくれたのがちょっと嬉しかったです。でもいつもの沙穂さんではない。声を太くしっかりと安定させて、それを保って歌える音域?の曲を選んで、しっかりと自分にできる最高のパフォーマンスをしようという姿勢があった。普段見るAKBらしい彼女とはまた別の魅力を見ることができた。逞しい人ですね。

AKBメンバーの話に入ってきたので触れますが、

ねえ田口!!!!おお田口!!!(語彙放棄)

この人ずるいですねえ。一瞬「私今日ミニシアターに映画を観に来たんだっけ?」って思ったよ。セリフでいっきに情景を描いてそのドラマの中で歌うような。審査員がアーティストだと評していましたが、田口愛佳さん(AKB48は自分の見せ方をよくわかっていらっしゃるんですよね。そんな自信満々な彼女でも緊張して弱腰だったんだから、この歌唱力決定戦って凄まじいステージなんだなと思いました。

岡田奈々さん(AKB48の「未完成」は好きでした。初めて聴く曲だけど彼女らしい選択であることが歌詞の一つ一つ確かめながら歌うので伝わってきたし、エンディングに向けて感情と切なさをどんどん昂らせていく様はさすが岡田奈々の表現でした。

 

「嘘」をついてステージで魅せる姿が美しさだとしたら

さて、得意の大脱線フェーズです。

メンバーさんたちを見ていて思ったんですが、こういう1位を決める場では勝負に臨む姿勢が問われるんだなと。

歌唱後のコメントで「失敗した」とか「悔しい」っていう弱い本音を外に出さない姿勢というか。誤解を恐れずに言ってしまえば「嘘をついてでも自分を魅せる力」。ステージに立ちつつ裏の素顔をみせるような「アイドル」として活動する彼女たちにとっては、これは方向性がまったく真逆の努力かもしれない。

 

でも正直、初見の素人は言われなければわからないんですよ。それにたとえ失敗したにしても、それが「美しくない」に直結しないのが目に見えない芸術世界の難しくも奥ゆかしいところで。本人がその表現に自信を持っているかどうか、その失敗さえも抱擁できる愛を持っているか、みたいなものが重要なんじゃないかななんてことを思いました。

(かつてミュージカル「ウィズ」主演の最終オーディションで、"失敗"して音を当てられなかったにも関わらずその魂で宮本亜門を泣かせた増田有華というドロシーがいました)

 

弱いところを受け入れられるかどうか

というのも、今回の歌唱力No.1決定戦。20人の審査は4つのブロックに分かれて審査されて、1ブロック5人が歌い終わるたびに皆がステージに一列に並んで審査員のコメントに入ります。5人目に歌唱を終えたメンバーは、ステージに再登場した4人と一緒に一列に並ぶんですが、その5人目のメンバーが自分の立ち位置をまちがえたり、歌い終わってすぐに動き出せずわたわたしているのが印象的でした。

 

それっていくらリハーサルを積んでもスムーズにできることじゃない。あの瞬間って、全身全霊の表現が終わった直後のものすごく無防備な状態だから仕方がないじゃないですか。人によっては、きっともうこのあと家まで帰る体力すら使いきってしまうような場所。そういう勝負の場で、失敗や悔いてしまうような突発的な出来事はつきもの。

例えば、最終決戦で入場した時にシューズのストラップを直すために立ち止まっていたメンバーがいたし、古畑さんのMCつなぎも立派なものでした。急遽歌い方を変えて、チャレンジしてみたり逆に安全を選んでみたり。それらを「縁起が悪いネガティブ」ととるか「きちんとした自分で勝負に臨むためのハプニング」と取るかって、演者のマインドにとっては大きな違いではないでしょうか。

歌の実力があるない以前の話で、人として自分の表現を愛しているか?そんな自分を認めて大切にできているか?に直結しているんじゃないかなと。いうのを思いました。

 

この歌唱力No.1決定戦というイベントは技術的な歌唱力を競う以上に、アイドル(虚像)として自分の歌を歌う力が問われている舞台なのかもしれないと思いました。そういうところは歌唱力を量る大会といっても、アイドルらしくていいじゃないですか。

そしてそういう意味で今回のステージを振り返ってみると、今回の上位3名と審査員特別賞の結果は納得できるものでありました。

 

村山彩希さん(AKB48)の歌

歌うことに振り切れているから、歌い方のくせのせいで上手の席では全然顔が見えなくて(笑)。観客もカメラも忖度なしで歌に集中しているのをみて、本気だわこの人って思った。まあ、本気じゃなかったことなんて一度もないんですが。この方は。

歌に集中といっても、歌詞に合わせて手振り身振りをする彼女の表現は力強さを感じた。曲の疾走感にしっかり乗れていて、歌声とビジュアルとトータルで魅せてくるパフォーマンス。私にとってはまったく知らない曲だったけど、サビになった瞬間に何故だか全身がカーっと熱く高揚する感覚があった。推しの歌って熱量があると思いました。推しの歌だからそう感じたというのもあるかもしれないけど、やっぱり村山彩希さんの歌が好きです。他の誰かでは替えられないものを持っていらっしゃる。

 

アツいとは言っても、村山さんの声は水とか風とかみたいに透明なんですよね。湖面が揺らぐような声の形をしている。高い声は風がふわっと舞い上がるようなイメージで。無垢を象徴するような白さ、透明さは誰もが持てるものではない。それこそ審査員が言っていた通り「ギフト」です。

 

ギフト(gift)は英語では「贈り物」を意味しますが、ドイツ語では「毒」の意味になります。これってすごい示唆を含んでいると思いませんか。贈り物と言われたって、それを与えられた本人(受け取らされた本人)にとってしてみればプレッシャーにもなるもので。誰もが羨むようなパワーを生かして幸とするも、持て余して不幸とするも自分次第。

ですが村山さんが自分のギフトに飲まれることなく、期待に応えるパフォーマンスを見せることができる人であることはもう知ってます。

期待に応えようとしているわけじゃなく、しっかり村山彩希のパフォーマンスに昇華させて魅せてくるのが彼女の凄みです。ダンスでも歌でも演技でもSASUKEだって、とにかく彼女が取り組むすべてのことについてです。

 

でも彼女がダンスの方に振り切れていた理由について、ゆうなぁコンの時に痛感しましたが、隣にいるなぁちゃんが歌を核にしていることが一因じゃないかと思っています。二人一つで見られてきた彼女だからこそ、なぁが歌ならゆうはダンスで…みたいな。そういう"大人の目"で求められてる自分を理解してそうなれてしまうのが、良くも悪くも彼女という人で。

でも以前のブログでも書いた通り、二人とも岡田奈々村山彩希それぞれが一人でしっかりと立つことのできる表現者。推しの村山さんは美しい肉体でみせるダンスパフォーマンスだけじゃない。その歌声だって唯一無二で、ずっと聴いていたい心地よさ、美しさ、まだいける!って希望があったんですよ。ずっと前から。

わかってたんですよ。わかっていたじゃないですか。

 

そんな村山さんの「ギフト」が見込まれたというのなら、審査員特別賞の枠で彼女が評価されたことには大きな意味がある。自身のスコアでは届かなかったとしても、まったく恥じることない結果だったと私は思います。大好きな彩希ちゃんの歌声が褒められているのはとても嬉しいことです。

 

「お出かけ」に対する迷いを見聞きしたこともあって、この結果を彩希ちゃん本人がどう思っているのかを想像すると複雑な思いがないわけではないです。

ただ、今回の審査員である音楽界隈の人々から歌を評価されたことは、彩希ちゃんにとって大きな自信につながったと信じています。人一倍の努力家なのに自己評価が低い彼女だから、プロの方々からのコメントは本当に大きな刺激だったんじゃないかと。高評価ばかりではない指摘もありましたからなおさら。頑張りを認められたことは純粋に嬉しかっただろうな。

 

 

劇場公演から走り出して今や選抜という枠すら超えてさらなる高みを目指せる。AKB48に在籍して10年以上活動していても、まだ新しい景色を見せてくれるかもしれない。彩希ちゃんのポテンシャルって底なしで、それってファンとして彼女を応援していてとても幸せなことじゃないですか。

それだけの魅力、希望を持っている村山さんだからこそ、ファイナリストライブも、これからの「歌うこと」も、堂々とたくさん楽しんでほしいです。

本当におめでとう!

 


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村山彩希&AKB48 2021雑感

推しについての雑感を書こうとしたら、AKBの活動全体の振り返りみたいになってしまった。それだけ大活躍だったってことですね。どうも日記みたいな感じになっちゃうのでいつもと記事の様子が違います。ご容赦。

 

メンタルが地底だった2020

ツイートを遡って自分でびっくりしたんですが、2020年はほとんど「彩希」って単語をツイートしなかったみたいです。それが2021年の5-8月くらいで決定的に、推しに対するメンタルが変わっていくのを感じました。

コロナ禍2年目とはいえ現場の数が増えましたよね。まだ発券待ちのチケット含めて、年明けだけでもすでにいくつも現場が控えているし、オンラインお話会もある。今までの現場数を当たり前だとしたらそれよりは減っているんだけど、「楽しいこと」がたくさんあったって印象の方が強いです。楽しい一年でした。

 

リハビリ上半期 〜 ユイリマン

今年4月以降、急にバンバン現場が増えた記憶。リハビリを兼ねてチケセン投げて、僕夏公演に2回入れた。瑞葵ちゃんの現場から慣らしていくつもりで舞台フラガールを楽しみ、AKB AUDISHOWなるイベントを楽しみました(田口サイコー!)。振り返ってみると「楽しい」がたくさんあったから、あれまだ今年の出来事だったんだ?もっと前のことな気がするのに…っていう、ちょっとした驚きがあります。

 

5月の単独コンサート前、所用があって村山界隈の方とお会いしてグッズを受け取る約束をしていた時のこと。遅れてしまって大急ぎで待ち合わせ場所に向かったら、皆さんまだ待っててくださったんですね。久しぶりのリアルな現場だったから皆さんお話ししていたのだと思うけど、それにしても皆さんが待ってくれているその光景に、人柄の良さを感じたと言いますか。委員長さんともご挨拶をして、ああ、やっぱりこの人たちは彩希ちゃんが好きでその気持ちや仲間を大切にしてる人たちだ…って、すごい嬉しかったです。

推しの活躍だけでなくて同じ村山推しの皆さんのおかげで、モチベーション取り戻したところがあります。ありがとうございました。

推しを応援するにあたって周囲のヲタクたちってとても大事な要素なんだなと。その節はありがとうございました。今年は何もお手伝いできませんでしたが、またよろしくお願いします。

 

劇場公演と24歳生誕祭

劇場公演は8人、あるいはゆうおん公演のような2人公演に限定されたイレギュラーな活動体制ではあったけれど、回数としては活気を取り戻しつつあって、村山さん個人としては劇場公演出演1100回を数えるまでに活動されていました。

6/15の推しの生誕公演に入ったのが今年最後の劇場公演でした。が、2020年と比べるとオンデマンドを観る機会もまた増えてきたからか、そんなに不足している感覚はあまりなかったなあ(なんなら仕事とチケセン投げられるタイミングが合わないことがよくあって、たまに配信で見るくらいの生活もちょうどいいななどと思ったりはした)。

 

24歳の村山生誕、入れて本当によかったです。まだブログを出せていないのですが、本当に楽しかった。何より彩希ちゃんが本当に楽しそうで、チーム4大好きっていうのが伝わってきて、ああ素敵なチームになったなっていう喜びがすごかった。

相変わらずの8人公演でしたが、人数が減った分ひとりひとりがしっかりしたというか、粒がしっかりしていた。1つのポジションを「任されてる!」っていう責任感みたいなものからくる輝きというか。そして生誕祭でのスピーチ。劇場を大切にしつつ外仕事に「お出かけ」して、いろんなことをやってみたいと。そしてついに「愛されてる」ことを自覚してくれた喜びと言ったら、言葉にできないです。本当に本当に嬉しかった。

推しがAKBを楽しめていると、私もちゃんと楽しいんだなと改めて思いました。

 

いま年越しの晩酌をしてしまったから語彙が出てこないんだが、これが劇場公演の素晴らしいところだっていうくらい楽しかったです。(ブログ絶対書くよ!!)

 

マジムリ学園LOUNDNESS 〜 根も葉もRumor

マジムリ舞台は正直みにいくのが怖かったけど(何が怖かったのかわからない)、まあもちろん、観てよかったです。村山さんも山内さんも本当にさすがでした。演技も殺陣もかっこよくて、久しぶりにみるステージに立ったAKBは輝いてたな。

マジムリ舞台のキャストにいわゆる若手メンバーがたくさん入ってきたこともあったし、「根も葉もRumor」のAKBメンバーのみで組まれた選抜(外仕事のアンダー含む)もそうでした。

テレビだけでなく雑誌や番組企画にも出てくるようになって、映像を見ても、外仕事を終えたSNSの様子とかを見ても、みんな自分に自信を持ってキラキラしているじゃないですか。ドラ2メンとか本当やっっと。長かったね。本当に頑張ったよ。

レコード大賞の根も葉もを見たんですが、ひたすらかっこいい岡田さんに、ダンスの美しくてハンドサインでAKBと失恋、ありがとうアピールしてくる瑞葵ちゃんに、笑顔がクールな彩希ちゃんとか、なんかもう、AKBすごくね?

根も葉もでテレビに出るたびにハッシュタグツイッタートレンド入りするのを見ていると、「2021年のAKBは輝いてる」っていろんな人が呟いてる。

 

昨年思うように活動できなかった反動もあるかもしれないけど、AKB48メンバーだけで選抜を組んでのシングルリリースに踏み切ったことが大きかった。今までのAKBも素敵だったけど、今年は特にメンバー一人一人がそれぞれシングルのポジションなりそのアンダーなり、公演・外仕事・舞台などなど自分のポジションを持って活動していて、生き生きしている。表情が明るいもの。

 

勇気ある一歩を踏み出した2021年のAKB。いやー…大好きです。見ていて元気になれるAKBでした。

 

「お出かけ」

さて、推しの話に戻る。

根も葉もRumorでテレビ仕事も相変わらず引っ張りだこだし、なんだか知らんがSASUKEにも出演が決まったとかいうし。生誕祭で宣言した「お出かけ」がすごい充実している感じに見えた。

なのでお話会でのこと。テレビとか外のお仕事がんばってね、と普通に激励を飛ばしたのですが、推しは不服そうに「うーん…」と言ってそれで終わった10月(笑)おいおい。次一ヶ月後なんだが?

 

ケーニッヒの演技が素晴らしかったことも伝えた。テレビの仕事大活躍だねとも伝えた。SASUKE絶対怪我すんなよとも伝えた(もう肉離れしてた)。

でも、私は気づいた。私が本当に伝えたかったのはこんな話だったのか? と。

自分の体調との兼ね合いで全ての活動を見ることができずにいたから、自分が"見ることができた"彩希ちゃんの感想に必死になっていた。でも私が好きな場所も好きな彩希ちゃんも、きっと変わっていないはずなんだ…

…ということで、自分の思いを素直に伝えたんです。「無事にお出かけから帰ってきてほしい」と。そうしたら彩希ちゃんは答えて、話してくれました。そうだよねえ。嬉しかったです。本当に芯が強い子です。

 

AKBの若い子たちをみていて思うのは、AKBでは19歳がスタート地点、20代前半はみんなそれぞれが本当にいろんなことに悩む、20代後半が近づくとだんだん自分を悟って輝き始める。いろんなメンバーがいるけど大きな方程式はAKBが何年続いても変わらないし、もっと大きく見れば、これが人として生き始めた少女たちを待ってる凸凹道なんじゃないかなと。

彩希は彩希の道を行ってるわけですけど、変わってなさそうです。というのが嬉しかったのでそれを書きたかっただけです。2022年も応援させてください。ありがとう2021年。

 

2019雑感から2年。長かったのか短かったのか。

一時期より離れてるしすべてを追ってるわけじゃないんですが、AKB48を推してて、今とても楽しいです。

 

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推しが結婚したその後に考えていたこと

最後に。書くかどうか迷ったのですが、ブログの読者さんに嫌な思いをさせご迷惑をお掛けした過去もあるし、それについて今でも引き続き考えていることもあったので、その後として少し書かせていただきたい。

推しが結婚した件についてというブログを上げたのは今年5月。河西智美さんが結婚されたことを受けて、その発表があって私も参加したFCイベントの記事にこのようなタイトルをつけて公開しました。

 

私が2021年雑感にこの章を設けたのは、河西さんの結婚後今日まで、彼女の旦那さんについて"不快感"を覚えることが全くなかったからです。不快に感じるどころか、むしろ旦那さんが公にしているインスタグラムやチユウチャンネルの映り込みに好感を覚えるくらい。忍者の如く徹底的に姿を隠している姿に「そこまで気配消さなくてもいいのにな」と思ったりすらした。

自分で自分の反応にびっくりしてます。本当に。

それはおそらく河西さんが、仕事とプライベートをきっちりと分けるタイプであることと、「旦那さんと一緒に公の場に出ることをするつもりはない」と公言・実行していることが理由なのだと思っています。

本当に愛に溢れた人なので、結婚発表自体まずはファンに伝えたいと言ってFCイベントの場を設けてくれたこともあるのですが、その後ファンクラブのFaniconのチャットや配信でも、河西さんと旦那さんとの関係が「ファンにどう見えているか、ファンがどう感じているか」をとても気遣っているとわかることが度々ありました。時には動画をわざわざ修正してアップしなおしたり、「ファンの子からこんなメッセージをもらったけど…」と考えを伝えてくれることもありました。

河西さん本人が、自分自身も旦那さんも、ファンも、全ての人との関係を大切にしているからこそ、「彼女が大切にしてる人を私も大切にしたい」と思えているのかもしれない。ファン個人としての努力というよりは、河西さんの振る舞いの全てに救われているというのが確かなところなのかもしれません。

 

ynについては私が自分の記憶で振り返ることができるのはせいぜい2020年1月のゆうなぁコンのあたりまでですが、その頃までのynには上記のような配慮は感じられませんでした。2人が仲が良くかけがえのないパートナーであることはもちろん承知の上で、そんな大切な関係(自らのプライベート)を切り売りしてファンを喜ばせようとしているようにしか見えなくて、それを全面に押し出して甘い蜜吸ってる運営にも憤った。ynがまるで「ただの百合ヲタの餌」になっているのが嫌で仕方がなかった。この当時に感じて思ったことはゆうなぁコンの記事に書いています。

 

さて、この差は何だろう?

性別の違い? 否。

現役か卒業したメンバーかの違い? どうだろう。

振る舞いの問題だったんじゃないかと、この雑記では結論づけたいと思います。

現に2021年末の今、ynを以前よりは見ることができるようになってきたので。失恋、ありがとうのMVをやっと視聴できたのはリリースから1年半経った今年秋でした。いつyn絡みがくるかわからないから、"動く推し"を見るのが怖かったんですね。

 

でも、岡田さんの活動について私は何もウォッチしていないのですが、今のヲタクの盛り上がり方からして一時期よりはだいぶ落ち着いたのかな?と想像しています。運営のゴリ押しも落ち着いたし、選抜仕事なんかの機会が常態化して一緒に活動できる時間が増えたこともあったでしょう。

ついでに、私の情報受信の精査が上手くなったという説もある。公演とか動画とかテレビも雑誌、興味あるものは見てるけど全ては追ってない。それでメンタルバランス取れるようになっただけということもあるんですが。

 

なんにせよ2人が仲良く活動できているならそれが良いです。年明けの組閣でチームがついに離れてしまいますが、戦友であることに変わりはないですから。その関係はこれからも2人で大切にしてほしいです。

 

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舞台版「斬舞踊」【20211128 18:00-@オルタナティブシアター】

河西さん出演の舞台版「斬舞踊」を観劇してきました!簡単にですが感想書かせていただきます。

前日に全キャストを確認するまで(おい)気づかなかったのですが、主演の中井さんってゾロの人じゃん…!!!!ええ…!!?!ワンピの推しキャラなんだが!!!??となりました。しかも、熊谷さんは年明けに瑞葵ちゃんと六番目の小夜子の舞台に出演するキャストさんだし何かとご縁を感じつつ、河西さん、着実に出演舞台のグレード上げてるなあと感慨深くなったり。

 

個人的に「声優さんが出演する舞台」と聞いて、数年前に痛手を被ったことがあるので(イノレ三ナス)アウェイ戦かなー……と不安を感じていたのですが、今回はプロ中のプロの出演者・スタッフが揃っていることもあってか舞台自体とても面白く楽しめました。

それに客層もかなり落ち着いていて、私の頭の中にあった"アニヲタ"(声優ヲタ?)とは随分違いました。劇場のエレベーターの開ボタンをずっと押す役をしていたら、降りる時に何人もの人がはっきりめの口調で「ありがとうございます」って声かけてくれたんですね。今までもエレベーターで会場まで行くタイプの劇場にあちこち行ってきたけど、みんなにこんなに御礼を言われるのは記憶になくて、印象的な体験でした。

観劇中の振る舞いも、客席からの反応があって良さそうな部分でも笑いが起きなかったり、歌のあるシーンが終わった時の拍手もワンテンポ遅れていたりと、いつも観ている舞台とは全然違っていました。千秋楽はオンデマンド配信で視聴しましたが、そこではキャストが客席に同意の拍手を求める場面があったりはしたけど、それでやっと客席からパチパチと聞こえてくる感じ。

考えてみれば、ここにいるのは彼らの声の演技を楽しみに来ているお客さんたちで、そうしたら客席からの笑い声や拍手で演者の声を邪魔してはいけないという考え方なのかもしれないですよね。いつどんな発言を推しがするかわからないから、拍手でさえも音を発することに慎重になっているのかもしれない…など、ちょっと裏かきすぎかもしれないけど。こういう文化もあるんだなあと、興味深く考えてました。

 

キャスト
スサノオ役: 中井和哉クシナダ役: 伊藤かな恵 / ヒスイ役: 成家義哉 / アマテラス役: 上原すず / アシナヅチ役: 峯村大喜 / テナヅチ役: 鈴村博美 / 村長役: カワモト文明 / クスヒ役: 熊谷魁人 / シュサ役: 河西智美ヤマタノオロチ役: 暁矢薫、石岡美羽、高橋風香、髙橋茉里奈、Nao、愛太、風太、鈴木郁海 / パフォーマンス: G-Rockets / ボーカル: まみよ / Rap: RamBaar / ステージミュ一ジシャン: 遠山哲朗(Gt.)、須藤満(B.)、ただすけ(Key.)、齋藤たかし(Ds.)
スタッフ
脚本・演出助手: 土屋涼子
演出: 田中優

zanbuyou.kojiki-project.com

舞台演出、朗読劇の表現

ヤマタノオロチの逸話を声優さんの朗読で舞台にする、というものだったんですが、ステージ手前には大きな球体のジャングルジムみたいなオブジェを中心に拓けていて、何人ものダンサーさん達がコンテンポラリーダンスをしている。

演技パートになると、声優たちの朗読を頼りに、ダンサーたちが走ったり手を振ったりずっこけたりとそのシーンを再現する。

ダンサーたちは黒子とまではいかないけど無個性の衣装を着ていて、その全身の動作だけでそのキャラクターの所作を伝えてくる。

普段我々がアニメ作品で慣れ親しんでいる「音声」の感覚と「視覚情報」の感覚を存分に頼りにして、シーンを伝えてくる演出。ほお、こんな表現があるのだなあというくらい新鮮で、ヤマタノオロチという顛末を知っているお話しながらも刺激的で終始楽しめる舞台でした。

 

声優と俳優

声優さんとして皆さん舞台に立たれているけど、中井さんはあまり表情は変えないんだなーというのが意外でした。

以前ジブリの「千と千尋の神隠し」の食事のシーンで、沢口靖子さんが実際にケンタッキーにかぶりつきながら演技して収録する映像を見たことがありました。プロの俳優さんでもアフレコとなると、実際にものがないと演技って難しいんだなーと子どもながらに感じた記憶があったんです。

それを声を生業にされているプロの声優さんは、目の前にどころか手元に何もなくても、美味しそうにご飯を食べているんです。お腹が空いていたから飛びつくようにかっくらって、もぐもぐしながら話している演技から、あれは大きな握り飯かな〜なんて想像しました。とにかく美味しそう。

でも顔の表情は大きくないんです。舞台俳優さんなら顔に出すような表情、全身で表すような表現まですべてを声に一点集中で込めているのかしらと思いました。ヤマタノオロチと戦う時のスサノオ、ヒスイの気迫たるや、なんというか、台本を持って立つあの体勢からすると尋常じゃないパワーが溢れていました。クシナダとシュサ(←河西さん)も、男子と話している時と、女子同士で水浴している時とで声色が違ったりして、声色ってこんなに色鮮やかなものなんですね。

 

河西さん

河西さんも今までアニメや映像作品の吹替のお仕事をされてきたことはあったけれどそれももう何年も昔のことなので、俳優として舞台経験を積んだ2021年の今「声」の演技も相当な経験を積んできたんだな!と今回の観劇で思いました。

河西さん演じるシュサは、周りのキャラクターたちより年下で妹的な存在なんですが、彼女の甘いもともとの声色が存分に発揮されて、かつアニメキャラのようなハキハキした感じもしっかりあって、かわいらしい女の子でした。あとクシナダ曰くシュサちゃんお胸が大きいみたいでとてもに気にな(自重)「声に華が欲しい」と言ってたけど、色艶があって唯一無二の、素敵な声だと思うんですよね。

個人的な見解ですが、「アイランド」を始めとしたミュージカル座の演劇やセーラームーンスーパーライブあたりの怒涛のミュージカル出演で、その発声がどんどん磨かれていったのを感じています。今YouTubeで河西さんが普通におしゃべりしているのを見ていても「ああ、舞台の人だ」と思う声の出し方をされるんですね。うまく説明できないんですが、口の中が広い感じというか。そういう無意識のところにも「舞台の人」という貫禄が出ていて、それってすごい素敵なことだなって思います。

そしてさらに小さなシュサちゃんからうさぎちゃんだったり、おね様だったりで声の演技は全然異なるものなんですよね。キャラクターが違うから当たり前なんですが、声の仕事と考えるとバリエーションがあるって凄いことだなぁ

これまでの河西さんのミュージカル・舞台での経験が、歌唱だけでなく同じ声を使う「声優」というお仕事にも影響しているのかなーって。今までの河西智美の経験がたくさん詰まった斬舞踊でした。

 

そして最後、カーテンコールで座長の中井さんがバンド紹介をされて、凛とした表情で客席に頭を下げている姿に目頭が熱くなってしまい、カーテンコール号泣おばさん発動してしまいました…。なんでだろう。かっこいいんですよね。堂々としていて、逞しい。

声優さんってすごい!!というありきたりな感想に終始してしまって申し訳ないのですが、とても新鮮だったし、声の演技の凄みを十二分に堪能した舞台でした。ありがとうございました!

 

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朗読劇「星と光の旅」【20210704 15:00-@R's アートコート】&丸美屋食品ミュージカル「アニー」【20210815 16:00-@東急シアターオーブ】

感想というには取り留めがなく、短すぎて、話が脱線しまくっている何かです。この夏に観劇した舞台です。

 

朗読劇「星と光の旅」

【キャスト】星(せい):河西智美、光:平井亜門、ハナ:上大迫祐希、タクシー運転手:蘭乃はな、照:(しょう)竹内寿、ルミ:翠千賀

【演出】池畑暢平

【脚本】千葉暁史 逢澤みちる 

hoshitohikarinotabi.themedia.jp

 

河西さんはともちんの代打としてこの舞台の出演が決まりました。朗読劇なんてとても久しぶり。有華ちゃんの消しゴムの時以来かな。

新大久保といえばIWAくらいでしか行ったことがない場所でしたが、それとは反対方面にまっすぐ進んでいって一本裏道に入ると静かに佇む会場。看板出てなかったらKPOPヲタと若者たちの喧騒にかき消されるところでした(?)

 

ストーリーと人々

物語は思ったよりもヘビーだったけれども、そこまで重たく感じなかったのは生まれつき目が見えない主人公・照の健気な姿勢と、ややライトノベルっぽい(うまくつながりすぎてるという意味で)ぶっ飛んだ設定のためでしょうか。息子・照を目が見えない体に生んだ自分を責める母親。点々とする彼らを線で結んでいくアイドル少女と、タクシー運転手もまた、陰りのある登場人物たちを明るいほうへと手引きするようにポジティブな存在。そのラノベ的ぶっ飛び具合のおかげで、ヘビーなだけでない前向きなストーリーになっていたと思う。

河西さん演じる星は、事故で視力を失った電飾技師の彼氏・光を亡くした。彼がどんな体験をしていたのかを追いかけたくて目が見えないフリをして杖を持って歩いてみていた。その彼が愛読していたサンデグジュペリ『星の王子さま』がストーリーのキーとして登場します。星の王子さまの中でも名句として人気の「大事なものは目に見えない」はさまざまな作品で繰り返し引用されているけど、「目が見えない」身体の登場人物が歩んでいくストーリーの締めにはぴったりな言葉だった。ステージを完全に暗転させて光のない中で演じる演出というのも、なかなか客席で経験できるものではない。天井に星のようなオブジェが吊り下がっていたけどそれが揺れた時の反射もなくなる。

 

目が見えない、目に見えない

もはや舞台の感想じゃなくて個人的な回想でしかないのだけど、河西さんが以前立った舞台とちょっと縁があるかなと思ったので。当ブログ恒例の大脱線。

なんの光もない暗闇を私が初めて体験したのが沖縄のガマだったんです。修学旅行で行きました。それまで真っ暗というと、目を閉じた時の状態のことだと思っていました。それでも日の下に行けば肌の血潮で赤っぽく見えたりして、外光は入ってくるもの。だけどガマの中は全然違いました。ガチの真っ暗。すぐ横の友達も見えない。自分が目を開けているのか閉じているのかもわからなくて、何をどう頑張っても何も見えなくて、結果的にまつ毛の上下する感覚を瞼の肌に覚えるような。
この体験は衝撃でした。暗闇ってこういうことなんだなと理解した。

そして「目が見えない」身体で生きている人というのはあの暗闇と対峙しているんだなと、その時学びました。弱視の方はある程度の光を感じられると聞きますが、照はきっとこの暗闇と一緒に生きている人だろうなと思いましたし、そういう黒さが完全に暗転した劇場にはありました。

 

ただ、それでも母に連れられて海に行った照はそこで「青」がどんな色なのかを知ったと言います。色と光は不可分だけど、彼には色がわかる。でもきっと照が理解した「青」は、私たちが見ている「青い色」とはちょっと違っていて、照の青は照にしか味わうことのできない色なんだろうなと。それって素敵なことだと思うんですよ。

ちょうど先月朝日新聞全盲の男性の美術鑑賞に関する記事が出ていましたが*1、一つのものでもそれを言葉で伝えようとすると三者三様の説明が飛んでくる。いろんな人のいろんな視点から一つのものを見るから、目が見えなくても「ものを見る」ことができる。

大切なものが目に見えないんじゃなくて、頑張って頑張って大事なことを探していくと、辿り着いたそれは"見ようとした人の目にしか見えない"色とカタチをしているんじゃないかと。

母との関係にモヤモヤを抱えていた照はそのことを本能的に理解していたから不幸ではなかったし、星との出会いをきっかけに母との柵を解消して変わっていくことができたんじゃないかなと思いました。

ヘビーな役でむず痒いほど女の子だった星も、照との出会いで今まで見えなかったものが見えるようになったんじゃないかな。照と接しながら「光がない」=絶望ではないんだと、光の分まで理解しているようで。切ないことに変わりはないですが、舞台の幕が降りた後でも2人が大事なことを見失うことはないだろうな、と思えるポジティブな終わり方でした。

 

あと、これまで頑なに「演劇のグッズ物販なんて…!」と思っていたブログ主が、終演後に河西さんのお写真セット買いました。以上です。

 

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丸美屋食品ミュージカル「アニー」2021 東京公演千穐楽

8/15 16:00公演 チーム・バケツ
荒井美虹(アニー)、藤本 隆宏(ウォーバックス)、マルシア(ハニガン)、笠松はる(グレース)、栗山 航(ルースター )、河西智美(リリー )、 山﨑もも(モリー)成瀬綾菜(ケイト)、木内彩音(テシー)久野純怜(ペパー)、藪田美怜(ジュライ)、大谷紗蘭(ダフィ)、イエヤス(サンディ)

アンサンブル:鹿志村 篤臣、谷本充弘、丸山田加賜、森雄基、矢部貴将、太田有美、木村つかさ、濵平奈津美、横岡沙季

脚本:トーマス ミーハン
作曲:チャールズ ストラウス
作詞:マーティン チャーニン
翻訳:平田綾子
演出:山田和也
音楽監督:小澤時史
振付・ステージング:広崎うらん
美術:二村周作
照明:高見和義
音響:山本浩一
衣裳:朝月真次郎
ヘアメイク:川端富生
歌唱指導:青木さおり
演出助手:小川美也子、本藤起久子
舞台監督:村上洋康 *2

www.ntv.co.jp

 

 

荒井アニーとイエヤス氏

チームモップのチケットだとばかり思ってたんですが、都合よく取れたのはW主演の荒井さん率いるチームバケツのほうだということに会場ロビーで気づきました(´ω`)← 

荒井さんのアニー、德山さんとまた全然違うアニーでびっくりしました。

喜怒哀楽がはっきりとしていて未成年の子どもらしいアニーだなと、荒井さんの演技から感じました。呼んでも来てくれないサンディにイライラして、地団駄を踏むみたいにアクションするとやっとサンディがトコトコやってくるんです。ずっとニコニコ腕を広げてサンディを呼んでいた德山さんとは全然違っていた。

演者によって同じ役でも変化があることは重々承知してるけど、経験を積んで大人になってから強く個性が出てくるのかと思ってました。ごめんなさい、子役侮れないですね。パートナーのイッヌの性格とか相性もあるのかもですが、感情表現という結構根本的な演技からこんなに個性が出てくるなんてほっこり。脱帽でした。

 

ウォーバックスの部屋着

今回は前の方の列(下手寄り)で今回は観ることができたんですね。前のほうに行けば行くほど双眼鏡使ってしまうマンなので、今回はウォーバックスの衣装を見てみたのです。

部屋着のローブと言うのでしょうか。黒字にゴールドの紋様だとばかり思ってたら、玉虫色に輝いてるんですわ。よく見ればベースは黒なんですが青緑紫黄色赤、翻るたびいろんな色に見えるんです。大富豪にふさわしい豪華絢爛さ。遠くからでは気づけなかった装飾でした。

 

固まるハニガンさん

終盤で、確か大統領が目の前にいることにびっくりしたシーンで。口をぽかんと開けた表情がおかしくて双眼鏡で見てしまった() 後ろの段差に腰掛けられてしばらくそのままという背景でのお芝居なんだけど、技術が本当にすごい。本当にピクリともしないし瞬きひとつしないの。しばらくずっとそうしてて、何かのタイミングでフリーズが切れて我に返ってきてやっと目をぱちぱち…すごいよ。演技とは言ってもあそこまで文字通りのフリーズをコントロールして演じられるなんて尋常じゃなかった。

悪役なんだけど親しみを持てるマルシアさんの演技に河西さんも憧れてると話していたことがありますが…技術も人格も確固たるものを持っておられる…こりゃ凄いよ。また共演の機会があるといいですね。

 

肘まである黒い手袋

前のアニーのブログで肘まである黒い手袋*3が当時の最先端…というような書き方をしたのですが、ちょっと補足。

オペラグローブ*4の項目によれば、17世紀頃から肘以上まである手袋が流行っていたそうです。ただし色に関しては「すぐ汚れてしまう手袋は頻繁に変える必要がある→裕福の象徴」「黒い手は労働者の象徴」とみなされていたようなので、リリーの生きた1930年代には黒もポジティブに受け入れられてたと捉えて差し支えないでしょう。

その「当時の最先端」と書いた根拠は、トゥールーズロートレックが描いたポスター版画(1892-1893年)に、この肘まである長い黒いグローブを付けた女性が描かれていたからなんです*5。このロートレックの作品の画面左上に、体しか描かれてない女性がステージに立っているのですが、宣伝すべきポスターなのになぜ顔が描かれてないのかというと「肘まである手袋をしているだけで(当時ポスターを見た人たちは)誰が描かれてるかを理解できたから」ということらしいです。それだけ個性的なアイテムであり、ファッションとして受け入れられた目新しいものだったんでしょう。

そしてリリーが付けた黒い手袋をした腕、すごく目を引くんです。ブロンドの髪からドレスまで色鮮やかなものばかりということもあって艶のある黒一色は目を引くし、腕から指先までシルエットがはっきりするからか、より細くスラッとして見える。白だったらこういう見え方はしなかっただろうな。

もしかしてココ・シャネルがファッションの既成概念ぶっ壊してたのも同時代…? リリーもおしゃれで黒い手袋を身につけてたのだと思いますが、コンパクトでメイク直して流行りのフィンガーパーマに毛皮のショールで派手に着飾るような個性の彼女に、黒の手袋はある意味ピッタリなトレンドだったのかもしれませんね。

今回もごめんなさいね、言わせてくださいね。

ご唱和ください

世紀末サイコー!\(^o^)/

* 世紀末芸術 - Wikipedia

 

途中中止になってしまった公演があったものの、8月末の名古屋公演の大千穐楽まで走り切れて本当によかったです。本当に苦しいことがいくつもあったと思いますが諦めないで最後までやり切ってくださったことに感謝。

厳しい時世はまだまだ続きそうだけど、華やかでハッピーなミュージカル、ゆったりと思いをめぐらせられるような演劇は絶対に人々を豊かにすると信じて。次回の舞台も楽しみにしてます。ありがとうございました^^

 

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*1: 全盲の男性が美術鑑賞を変える あの日のデートが広げてくれた世界 - 朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASP983SQ8P96ULEI003.html

*2:4月の公演でこの情報チケットサイトかどこかから引っ張ってきたのですが出典わからず…。8月公演で変わってるところあったら情報掲載先求む

*3:手袋 - WikipediaWikiって百科事典だからそりゃああるのは当然と言っちゃ当然なんだけど、「手袋」の歴史がまとめられてるってすごいことですよね…)

*4:オペラグローブ - Wikipedia

*5: ディヴァン・ジャポネ - アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック — Google Arts & Culture